嵐の前のバーガーキング

台風がノシノシ近づいてくるのを感じる朝。
昨日から続いて気温は少々低くしのぎやすい。
湿気を帯びた生ぬるい風がときおり吹いて、重たい空気をかきまぜる。
昔、四国に住んでたとき、瀬戸内海側だったから台風のニュースはほとんど他人事。四国山地が跳ね返しちゃうか、越える頃には温帯低気圧になるのが普通。
けれどときおり豊後水道をすりぬけ台風のまま街を直撃することがあり、不謹慎にもワクワクしながら嵐を待ったものでした。今朝もちょっとだけワクワクしながら街にでる。朝ご飯をバーガーキング。お店は静かか…、と思って入ると案外にぎやか。びっくりします。朝のご飯をあれやこれやと。…、とはいえいつもほとんどおんなじものをたのんでしまうのですネ。

朝食専用のクロワッサンサンドイッチ。ハムとチーズを挟んだ一番シンプルなのを選んで一個。
ここのホットドッグはチープな感じがなぜだかいとしくオキニイリ。
それからフライドフィッシュサンドイッチ。結局いつもハンバーガーは食べずにすます。そういえばここのハンバーガーを最後に食べたのはいつのことだっただろう…、少なくとも半年以上は前のこと。ハンバーガーショップなのにネ…、オモシロイ。
ちなみにここの包み紙。なにひとつとして日本語が書かれておらずすべて英語。世界各国のバーガーキングで使われているのをそのまま使っているのでしょう。ただおそらくくるんだ中身の大きさはグローバルサイズじゃないのでしょうネ…、大人の洋服を着た子供みたいな感じを笑う。

たいていここに来るのは平日の朝。
今日は週末。
だから働くひとのシフトが週末モードなんでしょう。
いつもは外人スタッフがレジ前にたってムードが明るい。
けれど今日は日本人スタッフが前面に立つ。すると途端にお店のムードが暗くなる。
不思議なんです。
日本人スタッフは笑顔を忘れてしまったように無表情で、しかもしゃべる言葉もどこか陰鬱。聞き取りづらかったりするのです。
外人スタッフの日本語は正しく丁寧。
彼らは決められたことを決められたとおり確実にこなし、お客様と対峙するにあたっては失礼のないよう親愛の表情を忘れない。日本に外食産業の基礎を作った先達は、当時の日本の飲食店に欠けていたそういう習慣を根付かせるように必死に努力し、なんとかそれが成功したように思えた。なのに、それも元の木阿弥になっちゃうのかも…、ってハラハラしちゃう。なやましい。

おそらく今日の日本人スタッフは店長、あるいは副店長のような管理職。接客や調理以外の業務もこなさなくちゃいけないんでしょう…。昔はそういう仕事だけをしていればいいのが管理職。今では管理職も現場で先頭きって働かなくてはならない時代。疲れ果てて見えたりもする。
お客様をよろこばせることだけに一生懸命になれば給料がもらえる環境を作り残った外食産業。悲鳴が聞こえてくる感じ。
大人サイズのパッケージにおさまる子供サイズの食べ物をパクリ、パクリ、もぐもぐと食べてお腹をほどよく満たす。トレーの上は紙だらけ。いろんなコトを考える朝。嵐の気配の朝のこと。

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