岐阜の「和らん」でシェフの企みにまんまと乗る夜

岐阜で夕食。日本料理をベースにし、創意工夫を凝らしたオモシロイ料理を提供する店があるんです‥、と。
連れていってくれた人も前から来たくて、でもなかなか予約がとれない。
たまたま昨日電話をかけたら今日はあいてるというのでやってくることにする。
岐阜の中心街ではあるけれど、駅から遠く繁華街の筋違い。だからどこか外れ感が漂う場所。しかも建物は蔦だらけ。看板もなく鉄扉が入り口代わりになるという、店かどうかわからぬ外観。謎めいてます。
店に入ると厨房にカウンター。テーブル1つで10人ほども入ると一杯。どこに座っても厨房の気配を感じることができるサイズと、座り心地の良い椅子で寛いで楽しんでくださいね‥、って感じが伝わる。いいお店。

お客様の到着の時間に合わせて料理を整えますので、なるべく遅れないで下さいね‥、って言われたという。
開店時間の6時ちょうどにボクらを含めて2組が店に入って食事をスタート。
厨房の中ではご主人がひとりで料理を作ります。
サービスは奥さんが‥、とアットホームなムードがステキ。

まず一皿目。つぶ貝を一口大に切り分けて酢飯の上にのせたモノ。ゴリゴリ砕けるつぶ貝の食感、旨味が食欲湧かす。
しかもおしのぎを兼ねた一品というのがたのしい。
千葉から飛んできたという大はまぐりをひとり一個使った茶碗蒸しは、中にゴロゴロアスパラガス。ピンクペパーが香りのアクセントになる初夏のゴチソウ。
ボタンエビの刺身をかいわれ大根などの香り野菜のピュレとあえたそうめんと一緒に味わうたのしい趣向。寿司はシャリより貝が主役。茶碗蒸しははまぐり、そうめんはボタンエビがとどれもが主客逆転した料理。粋でなんだかオモシロイ。

真っ黒な石ころみたいな物体到着。中に自家製のチャーシューを閉じ込めたアメリカンドッグなんだという。確かに黒い部分は焦げた小麦粉。香ばしくって脂ののったチャーシューを脂っこさをスッキリさせる。バリバリ衣が砕ける感じも脂の食感ひきたてる。
5品目にはお椀。浮身はカニのすり身を包んだワンタンでした。
一口目には汁の鰹節の香りと酸味がスキッとしていて、ところが食べ続けるとどっしりとした昆布由来の旨味と甘みと香りが漂う。まるでとろろ昆布の汁を飲んでるような気持ちさえしてくるのにウットリします。
氷見のマスには豆のピュレ。潰れた豆のザラザラ感がパリッと焼けた皮が壊れて脂に変わる感じが際立つ。スイスチャードのグリルの酸味がまた旨い。

刺身がきます。
石板の上に刺身がこんもり。
魚はコチです。醤油を粉末にしたものがパラリとちらかり、刺身の上に茶色いペースト。
これがなんと鮎の甘露煮をペーストにしたものなんだという。
魚を魚のソースで食べる。ワサビをたっぷりのっけて食べると、口に広がる魚の香り。
甘露煮の甘みと旨味が口に広がり、コチの持ち味なんてすっかり忘れてしまうほどにおいしく困る(笑)。
8皿目としてやってくるのが魚の揚げ物。当たり前の和食ならば天ぷらか唐揚げがやってくるのだろうけど今日は春巻き。芯にしたのはサワラです。マッシュポテトに酸味をくわえたピュレで食べるとサワラの匂いはおだやかに、油がスッキリおいしく整う。

そしてそろそろ大団円。ちなみにココまでで2時間ほど。退屈することなくたのしく料理を食べ、考えておしゃべりしながら食事がすすむ。
経産の飛騨牛のローストにつくしやわらび、ゼンマイなどの香りの強い野の草をグリルしたのと一緒に食べる。経産牛は旨味が強くて、脂少なく上手に料理するとおいしい。香り野菜の香りや苦味、渋みに酸味で牛肉の持ち味引き出すたのしい提案。
〆は牛すじを炊いて作ったカレーでこれも海の幸に由来するであろう旨味成分がたっぷり混じる。最後の最後まで一筋縄でいかぬところがここらしい。
酸味の強いイチゴの上にマスカルポーネチーズのあんこ。下にはチーズケーキがしかれ、それらを一度に口に運ぶと口の中で味が整う。作った人の仕組んだ謎を食べつつ解いてくおいしい遊びをしたようなあっという間の三時間。

 

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