山盛りのかき揚げ、溺れたおかめ

新宿で朝の用事をすませてそこから一直線に上野に向かう。
大江戸線というとても便利な路線ができて、かつてはとても遠かった新宿・上野は近くに感じる。
上野広小路の駅で降り、時計をみると昼時の頃。湯島に向かってちょっと歩いて、天丼食べることにする。
天久という古くて小さな専門店。
袖看板には「かき揚天久」。メイン看板にはお店の名前よりも大きく「かき揚丼」と書いてある。天ぷら屋というよりかき揚げ屋と呼んだ方がいいんじゃないかと思ってしまうほどのインパクト。店に入るとカウンター。こじんまりした小上がり席があるきりで、どこに座ってもカウンターの中の厨房の様子がわかる。甘いゴマ油の匂いがただよい、よだれを誘う。喉もなる。

当然、人気はかき揚げ丼で、大中小と用意されてる。
大昔。水道橋のオフィスからテクテク歩いてやってきて「大」をたのんでその大きさにビックリし、帰りは休み休み帰った覚えがあって、それで控えめ。
「小」にする。
シュワシュワ、油の中で衣が揚がる湿った音がして、それがカラコロ乾いた音に変わって、じきに料理が到着。
丼つゆをたっぷり吸い込み黒々としたかき揚げが、どっかとご飯の上に座って見下ろす感じ。湯気をまとった大仏さまのようでなんだかありがたい。
作り方はいくつかの小さなかき揚げを寄せながら衣でつないで形を作る。だから油に触れてサクサクした場所と、油にふれずふっくら仕上がった衣が交互に口にやってくる。不思議な食感。オモシロイ。

濃い色のタレ。けれど色が濃いということと味が濃いというのは別のコト。甘みやわらか、油の風味でコクがでて不思議なほどに味わい軽やか。それがしっかり衣の中にしみこんで衣がおいしい。
天種はゴロゴロ多彩。エビにホタテの貝柱。イカに穴子にししとうに茄子。小さく切り分けご飯の上で散らかっていく。それをご飯と一緒にハフっ。天丼では味わうことができないご飯と衣、種の見事な一体感にフフッと思わず笑ってしまう。今、口の中にあるモノは一体何?って考えながら食べ進めるのもまたオモシロイ。汁も漬物も上等でした。〆て1950円。食べ終わる頃には自分のかき揚げになったみたいな気持ちがしてくる空気の重さと、ちょっとやわらかめのご飯が少々残念なれど、それも個性と思えばたのし。満ちました。

 

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打ち合わせして小腹満たしに上野で蕎麦。
「藪」にしようかと思うもあいにく藪は水曜定休。ならばと「翁庵」にすることにした。明治創業、古びた風情がオキニイリ。
昼に天ぷらを食べたお腹です。天種モノは遠慮して、あんかけそばを選んでたのむ。そばの上に熱々のあん。あんの下にはかまぼこ、伊達巻、お麩に青菜とおかめがあんの中で溺れているみたい(笑)。
箸をつっこみ麺をたぐって持ち上げる。ずっしり重たくポッテリとしたあんをたっぷりたぐり上げてく。その重たさに切れそうでいて蕎麦は頑丈。トゥルンと口の中へとやってくる。ゆっくり蕎麦に熱がはいってやわらかになる。そのやわらかがあんとからんでひとつになって、まるで出汁が確かな形を成して口の中へとやってきている…、って感じになるのがオゴチソウ。満たされました、本格的に北に向かって移動です。

 

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