山の上にて日本の朝に癒やされる朝

ymaueyama-kaidan朝、移動の途中に朝ご飯。
とびきりの日本の朝を自分にご馳走してやろうと、お茶の水にて途中下車。
駅からダラリと坂道下がる、
右に曲がって坂道上りそのてっぺん。
山の上ホテルにやってくる。

昭和モダンで美麗な建物。
階段脇の壁を飾るタイルの一枚一枚が手焼きであったり、漆喰壁の陰影きれいな仕上げであったり、手をかけて作られたものならではのうつくしきさま。
またそれをただの過去のものにしてしまうのでなく、日々磨き、日々掃除してなお現役で使えるようにする気持ち。
いいなと思う。

本館地下にある「ラヴィ」という店。フランス料理のメインダイニングが今日の朝をむかえる場所。ただ食べるのは日本の朝です…、和朝食。

yama-tableyama-tennnai実は長らくこのホテルでは洋朝食はこのお店。
和朝食は一階にある「山の上」という天ぷらの店で供されていた。
庭に面して離れのようなしつらえで、白木造りの店全体が朝日に包まれ黄金色に輝くステキな朝を迎えることができる場所ではあったのだけど、決して大きくないホテルです。
朝から2つのレストランを営業するのは大変なこと。

それで今では一軒だけ。
フランス料理のお店を開けて、そこで和朝食も提供するようになったというわけ。
間借りしている下宿人のような立場に哀愁感じることもあるけど、残ってくれただけありがたい。

テーブルは当然、洋朝食用のセッティング。
銀の食器にパン皿、バターにジャムが並んで出迎える。
和朝食をお願いしますというとそれらがテキパキきれいに片付けられて、ほうじ茶の入った湯のみと梅干しが2個、そっと置かれる。
不思議とそれで、これから和朝食を食べるんだ…、って気持ちにさせてくれるのがいい。

yama-asateiそれからしばらく。ゆったり待ちます。
今、厨房の中でフランス料理のシェフが魚を焼いたり、味噌汁を温めたりしているんだろうなぁ…、って思うと、ワクワクしてくる。
自分の専門じゃない料理を作るのって、どんな気持ちなんだろう。
プロでも緊張したりするのかなぁ…、って。

そういえばフォーシーズンズホテルというチェーンホテルではかつて世界中のどこにあっても和朝食をルームサービスで楽しめる…、ってことに執着していた。
料理を作るのはフランス料理のシェフたちです。
彼らが律儀にレシピ通りに作るのだけど、サラダみたいな盛り付けのボリュームたっぷりな漬物や、キングサーモンのステーキが焼き鮭の代わりに出たりする。
専門違い故の微妙な料理に出会えてそれはそれでたのしかった。

ちなみに今朝の和朝食。専門外とはいえ日本人シェフの作るものです。あるべきものが、あるべき形であるべきところに揃ってきます。習ってできる…、と育ってできるの違いを感じる。いただきます。
ご飯にお新香、わかめと豆腐の赤出汁が一番手前。料理様々。一番奥にご飯のお供がズラリと並ぶ。
いい和朝食ってご飯をどれだけお代わりできるかで判断できるような気がする。

y1まずはもずくをズルンと飲み込む。
おちょこ一杯分あって、それをズルンと飲み込みながら時折噛む。
噛むのだけれど、スルリと奥歯をすり抜けて海の香りを残して消える。
そして強い酸味が残る。
お腹が一気に動き出すのがおもしろいほど。洋朝食でいうならば、オレンジジュースかヨーグルト。それに歯ごたえ加えたもの…、って感じがします。
他の料理は随時変わるも、モズク酢がつくのはずっと変わらず定番。オキニイリ。

四角い木枠に並んだお皿。
粒が揃った明太子。二口ほどの大きさで、魚卵を食べてしまったと罪悪感を感じずにすむほど良き分量。
ほうれん草のおひたしには、上にたっぷり糸がきにした鰹節。ほんのちょっとだけ出汁醤油をかけ、野菜の持ち味を邪魔せぬ配慮。
山くらげとニンジンシリシリの和え物は、コリコリシャクシャク歯ごたえがよく、奥歯を叩く音で頭が目覚める感じがなかなか爽快。
必ずひとつは甘い料理が入るというのがココの流儀で、今日はさつまいものレモン煮だった。レモンの香りと甘さがとろける。ひんやりとした朝のデザート。

ここのちりめん山椒はかなり有名。てんぷら山の上ではお土産として売っているほど。
くしゅくしゅしたちりめんじゃこに醤油の風味が軽くつきピリリと山椒が痺れをくれる。じゃこのサイズが揃っててそのまま食べると口の中に散らかる感じがとても軽やか。ご飯と一緒の食べると、ご飯のふっくら感を引き立ておいしくしてくれる。ご飯のお代わり、ねだります。

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ちなみにてんぷら山の上時代からの器は変わらずそのままに、割り箸の留の帯とか焼き海苔包んだ包装紙。すべてが昔のままというのがありがたい。
今日の魚は塩を打った真鱈の焼き物。ブリンと身がはぜボロリと崩れ、口に入れるとみずみずしいこと。強い旨味がジュワリとでてきて、軽い粘りが唇濡らして貼りつかす。
ほんのり甘い出汁巻玉子。炊き合わせには人参、しいたけ、鴨の団子が入ってて煮汁たっぷり。ゴクリと飲んでお腹潤す。良き朝となる、オゴチソウ。

 

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