小松庵にて生粉打ち三昧

昨日までうどん王国、九州でウロウロしていた。
偶然ではあったけれども久しぶりの牧のうどんを食べることもできた旅。
雨の東京。
おいしい蕎麦を食べてお昼のお腹を満たそうと、新宿タカシマヤの食堂街の「小松庵」にくる。
上等な蕎麦の店です。
ほどよき緊張感のあるキレイな店に身だしなみ凛々しき従業員がキリッと働く心地よき店。
支配人はパリッと背広。給仕係の女性の数も揃って優雅に働くさま、うつくしい。最近、スタッフが見るからに足りていない飲食店が多い中、接客係でにぎわう店はなによりウレシイ。オキニイリ。

それにしても最近、海外からの観光客の姿が目立つ。
そもそも高島屋自体がアジアからのお客様が多い。シンガポールや香港で「タカシマヤタイムズスクエア」といえば高級ショッピングセンターのブランドのひとつで身近な憧れなんでしょう。
ただこの場所ばかりでなく、蕎麦屋にいくと海外からのお客様が増えたように感じたりする。ラーメン、寿司からはじまった日本食ブームはそろそろ次の段階にうつりはじめているのかも…、って思ったりする。いいことなのかもしれません。

ここで一番好きなメニューが「生粉打ち三昧」。
蕎麦の芯まで全部使って作った蕎麦で、蕎麦の風味が力強い。
その風味豊かな蕎麦を一度にいろんな食べ方でたのしみ尽くしてってステキな提案。
冷たく〆たざるにつけだれ。わさびにごまだれ、薬味さまざま。
天ぷらがつく。
天ぷらのネタはエビにキス、ししとう、かぼちゃで衣はサックリ薄衣。油の香りが食欲さそう。
小さい蓋付きの鉢には温かいそば。蓋をあけるとこんがり焼けた鴨の切り身に焦げ目がついたネギ、三つ葉。鴨南蛮そばでござります。鴨南蛮は当たりハズレが激しっくて、自らすすんでたのむことはしないけれどここのはおいしい。

脂が本当においしいのです。香りゆたかで焦げた香りもおいしくて、蕎麦にネットリからんでくれる。熱々の汁の中で蕎麦そのものもネットリしてくる。ネギはザクッと甘くとろける。
鴨を全部食べたら今度は天ぷら浸して「脂」に「油」をくわえてズルリ。体全体に滋養が満ちて、元気が出てくるようなゴチソウ。
それにしてもよい蕎麦です。熱い汁の中にずっといるのに、そばの形をなくさずザクッと歯切れる。そばの風味も格段強くてウットリします。
冷たいそば用のごまだれには薬味できゅうりがついてくる。小さなサイコロ状に切られたきゅうりと一緒に食べるとザクザク、緑の香りとみずみずしさがポッテリとしたごまだれの風味、旨みをひきたてる。

かえしの風味がキリッと鋭い、お江戸らしいつけだれです。一口目にはそっけなくって、だから一生懸命舌が旨味を探すたのしさ。
辛味よりも旨みが強くて、だからとっぷり、蕎麦を浸してわさびをのせる。
そば猪口に唇をつけて空気と一緒にズズッとすする。そばに混じって汁が口の中へと吹き込むようにやってくる。唇のところでタレが揮発しながら口の中を満たすような感じがうどんなんかに無い特徴。
蕎麦ってなんでこんなにおいしい食べ物なんだろう。
若い頃にはそれほど好きに思えなく、東京に来てからいろんな店でいろんな蕎麦を食べるに従い、蕎麦をおいしく感じるようになってきた。食べ慣れてきたということもあり、食べ比べつつ自分の好みがわかるに従い蕎麦を味わうことがたのしくなったのでしょう。
そば粉がたっぷり溶け込んだトロトロとした蕎麦湯を注いで、汁に潜んだ出汁が目覚めるさまを味わう。満たされる。

 

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