小山の「きそば」宇都宮線ホーム

下館で仕事をすませて東京に向かって移動する。
乗換駅は小山の駅で、ということは「きそば」の生そば。
在来線の駅のホームにど真ん中。
ほぼ立方体の構造物の半分キオスク。
半分立ち食いそば屋というのが、今となっては珍しく思わずカメラを構えさせるようなステキな景色。
ちなみに裏側半分のキオスクが開いてるところは見たことがなく、ボクが来るときはいつもシャッターが降りている。
だから尚更、ひなびた感じが趣深い。

とはいえ案外人気があって、特に今日みたいに寒い夕方には続々人がやってきて、麺をすすって電車の中に飛び込んでいく。
この券売機。
ずっと具合がよくなくて一枚、一枚、ゆっくり硬貨を飲み込ませないと、そのままチャリンとお釣り受けへとコインを落とす。そうするように張り紙があり、けれどイラチなおじさんが次々入れては受け付けないとますますイライラして大騒ぎ。

季節、季節に特別メニューが用意されてる。
夏の生そうめんとか、鯛塩麺とか。今の季節は岩下の新生姜か、あるいは鶏皮を甘辛煮付けにしたトッピング。
鶏皮みると鳥肌たつのでそれはスルーで新生姜。コロッケ足して熱々の蕎麦を作ってもらう。
湯気の向こうの仕事が見えます。
蕎麦を湯通し。お湯に浸して熱々にした丼に蕎麦を移して上にコロッケ。タッパに入った一人前分の新生姜を上に並べてそこに汁。柄杓にくんで持ち上げると湯気が柄杓の中からあがり、蒸気を丼に注いでいるように見えるのがいい。寒い夜。
上に刻んだ白ネギをパラリと散らしてできあがり。手渡される丼がすでに手にあったかく、お腹がキューっと縮まるようなオゴチソウ。昼はおにぎり一個でござんしたゆえ、お腹がぐーぐーっなっておねだり。早速汁をズズッとすする。

雑節系の荒い香りと強い旨味。キリッと苦味が勇ましく、そこに生姜の酸味が混じる。最後に醤油の甘みが広がり、今日の仕事もたのしかった…、と、充実感にホッとする。

熱々だった汁がゆっくり冷めてく。
気温が低いということもある。けれどコロッケも新生姜も冷たく、それが汁の温度を奪っていくのが大きな理由。ただ麺だけは芯まで熱々。だからずっと熱くてむしろ汁の温度が若干下がると食べやすくなる。…、悪くない。
コロッケは最初は乾いている感じ。カプッと噛むと揚がったパン粉がカサカサ前歯をくすぐって、中はむっちり、茹でて潰れて芋の食感。
それがどんどん汁を吸う。パン粉衣のカサカサ感が失せる代わりにぽってりとろける。中のお芋も汁を吸い、トロンとなめらか。じゃがいも味のピュレのようになっていくのがオモシロイ。最後は汁と渾然一体。どこからどこが元コロッケで、どこから汁かわからなくなるのがおいしい。

そばはほどよき太さで黒い。一度茹でて、二度茹でしている麺だから、そばが持ってる騒々しいほどの香りであったり、イガイガするような食感はない。ツルンとなめらか。唇なでる感じがやさしく艶っぽく、汁の中で熱が入ってやわらかになる。当然、一緒に汁を吸います。トゥルンと口から喉へとやさしくなだれ込んでく感じがおいしい。お腹もしっかりあったまる。
乗せた直後はシャキシャキしていた新生姜。辛味も強く、噛んでるうちによだれが次々湧き出して、口の中を潤すように振舞っていて、ところが熱い汁の中ではやわらかくなる。
サクサク歯切れる感じは残る。けれど口の中に飛び込んで来た生姜のかけらは硬めに茹でたたけのこみたいな感じがするのネ。出汁の旨味も染み込んで、酸味もおだやか。あっという間にお腹におさまる。汁もみんなキレイに飲んで、さて帰りましょう…、東京へ。

 

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