寿司屋の目利きの魚の料理にモスの夏

夜、宮城県の登米という町の「鉄兵衛」にくる。
もう60年近くも前に創業した寿司屋さんを根っこにもつ店。
ただ寿司だけでは地元の人たちの広いニーズに対応できないからと、一時期、とんかつを中心に気軽なお店に業態転換。ただ時代も変わって、シニアな人たちが活発に活動するようになって最近、落ち着いて食事ができるように改装をした。それに合わせて寿司屋の目利きのおいしい魚が食べられるようメニューも変わる。
ガリを芯にした鰯の海苔巻き。熟成きかせたマダラの刺身や白身の数々。今がおいしいガゼウニを殻ごと。クリーミーで香り豊かにウットリします。寿司は当然ピカイチで、分厚い穴子に口がとろける。

茹でた毛ガニは丁寧に身をせせり、殻にこんもり盛り付ける。
指を汚さずカニをたのしく味わえる。甘くてカニらしいおいしい香りにまたウットリ。カニ酢なんてつかわなくても、カニそのものの旨味で十分味わえる。おいしい素材に恵まれれば、その持ち味を活かして料理するのが日本料理の粋というもの。
焼いたのどぐろも、まことのどぐろを焼いただけ。塩水を霧吹きしながらふっくらしっとり。脂ののった魚のなんとおいしいコト。骨をしゃぶって、指もしゃぶってたのしい夜のおゴチソウ。

 

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仕事をひと段落させてモスバーガー。
「冷たいカレーのチキンカツバーガーがおいしいですよ」と教えてもらってやってきてみる。
てっきりイベント商品だろうと思って、季節メニューを探すもなくて、聞いてみたらなんと夏のグランドメニューの料理だという。
モスはもともとへんてこりんな料理を平気で導入してくるチェーン店。
今では当たり前のようになったけれども、ライスバーガーを売り出したときには業界全体反っくり返る驚きだったし、夏の定番、ナンタコスにもビックさせられた。
どんな料理かとやってきた商品の外観は普通のチキンカツバーガーみたいに見えるのだけど、千切りキャベツの上にのっかるソースがカレー。オニポテサイドにアイスティーもたのんで準備万端。食べてみる。

ふっかりとしたちょっと甘めのバンズが前歯をくるみこむように歯切れていって、シャキシャキ千切りキャベツが前歯をくすぐっていく。そして揚がったチキン…、とココに至るまで冷たい要素は何一つとなくしかもカレーっぽさも感じぬ普通のチキンカツバーガー。
ところが口を動かした途端にヒヤッと上顎冷たくするものがあり、続いてカレーの風味と辛味が口に広がる。口の温度で冷たいカレーの温度が上がって存在感をましたのでしょう。
そのカレーというのが昔の食堂風のなつかしカレーで、千切りキャベツがもしなかりせば食堂で食べるチキンカツカレーのようにおそらく振る舞ったはず。食べ続けるとカレーの温度もあがっていって、手づかみできるカツカレーのように感じるオモシロさ。こりゃありだなぁ…、ってしみじみ思った。新発見。

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