室町ざくろでバタ焼きランチ

日本橋で昼。「ざくろ」でランチ。
肉がおいしい日本料理の店で、いつもは銀座のお店をよく使う。民芸調のしっとりとして落ち着いたインテリアが好きで、大人な気分になれる店。
ところがこの店。コレド室町という商業ビルのレストランフロアにあって窓が大きい。天井や壁は白い漆喰、床や家具は明るい木の色とモダンで軽やか。出来たばかりのときには戸惑うほどに明るく感じ、慣れてしまえば案外快適。着物姿の仲居さんたちの立ち居振る舞いが、ほんのちょっとだけ軽快に感じたりするのがオモシロイ。
女性スタッフの他にも黒服、蝶ネクタイの男性スタッフも数人いる。ただ彼らの仕事は黒子の仕事。例えばすき焼き用の鍋をもってくるのは男の仕事。でも肉を焼いてお客様に提供するのは女性の仕事。お客様をもてなす仕事は女性がやって、それを快適にできるように気を配るのが男の仕事…、と見事に分業できている。いつもながら感心します。

昼のセットにはトマトサラダがついてくる。おいしいトマトサラダです。
大きく固く、しっかりとした身質のトマトの皮を分厚く剥いて塩打つ。じんわりトマトが汗をかいたら良く洗い、冷やしたガラスの器に移す。ドレッシングをかけまわしみじん切りにした玉ねぎをたっぷりのせて出来上がり。
ドレッシングも一緒にスプーンですくって食べるのだけど、すべてがひんやり冷たくおいしい。トマトがドレッシングをまとい、吸い込み、トマト自体の持ち味をキリッと引き立てトマト以上にトマトを感じる。シャリシャリとした玉ねぎの食感、辛味もオゴチソウ。追加でアスパラ豆腐を食べる。卵豆腐の底にホワイトアスパラガス。きゅうりにタップリのマヨネーズ。上にポツンとカイエンペッパー。何十年もかわらずこのまま。それもいい。

メインは牛肉のバター焼き。
脂ののった和牛ロースを薄切りにしてバターで炒める。
調理自体は簡単です。
けれど肉の状態、なにより薄さが真似しようにも自宅じゃなかなか真似できぬ。
見た目は焼いたというより蒸したような仕上がりです。
脂っこさをまるで感じさせない姿で、香りもほのかなバターの香り。
醤油ダレがついてくる。スッキリとした風味、辛味の醤油に芥子を溶かして仕込んだシンプルなタレ。
それをトプっとつけて食べるのだけど、こんなに薄くてタレも濃く、なのに牛肉の味がするのにうっとりします。
ホロホロ、繊維が口の中でほどけるようになりながら消えていくのが儚くてよい。

サイドの野菜がまた見事。
甘く煮込んだキャロットグラッセ。バターをたっぷり含んでなめらか。歯を使わずとも舌で上顎に押し付けただけで崩れてとろける。
焼いて皮を剥き焦がして焼いた茄子も甘くて香ばしい。ほうれん草のバターソテ。茹でたキャベツはキュッキュと歯ごたえたのしくて揚げ焼きにした芋はさっくり。甘くとろける。肉が主役か野菜が主役かわからなくなるほどおいしい。オゴチソウ。

ホースラディッシュを千切りにしてお酢で洗ったあしらいがつく。スキッと辛い。噛んでるうちにお酢の酸味で辛味が甘くなっていくのがオモシロイ。
バターソテにのっけてトプンとタレにひたしてご飯にのっける。ご飯の蒸気で肉のバターソテがふっくら膨らみ、肉の風味も良くなるステキ。
肉を広げてご飯をくるむ。とても上等な肉巻きむすびの出来上がり!
赤出汁も上等です。
なによりお店の人の気配りがよい。ご飯控えめでお願いしたら、お茶碗だけを別にもってきて蓋開け「こちらでよろしいでしょうか?」と聞いてくれる。床に置いた荷物入れは豪奢な布のカバーで覆う。見守られているという実感があり、けれど必要以上にこちらに近づくコトがない。ほどよき距離感、ほどよきもてなし。大人だなぁ…、と感心します。オキニイリ。

 

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