安芸路酔心、ふぐかき三昧

夜、体をあっためてくれるものを…、と思案した。
しかも季節のモノでお腹を満たしたいとも思い、ならば河豚とか牡蠣だよなぁ…。
場所は新宿。
ならばココがよかろうと、安芸路酔心にやってくる。

広島料理のお店です。
今年は念願の「大人の修学旅行・広島編」を開催し、その反省会と2回目の予行演習を兼ねたお食事。
昼は春のあたたかさ。それが一転、日が暮れ寒くなってきてあったかい料理を体も気持ちも所望する。

おだやかな空気流れる半個室。さすがに忘年会のシーズン。祝日というのにスーツ姿のグループ客もちらりほらりと。他のお部屋のにぎわいがほどよく響き空間満たす。広島レモンのサワーをもらって、まずは喉を潤した。

前菜ふた皿。
一つの皿には小鰯南蛮。
小鰯といえば瀬戸内を代表する小魚で、季節になるとその刺身の漬けを並べた小鰯丼が名物になる。
それを素揚げて南蛮酢に漬け込んだもの。骨までざっくり、味わえる。揚げた小魚に独特の香ばしさ。クシュっと潰れて甘酢混じりの油が広がる。お腹がそれに呼応する。

水菜の白和え。鮭押し寿司。干した柿でバターを巻き込んだ甘い一品。口の中でとろけながら次の料理への準備を促す。
今日たのんだのは「ふぐかきコース」。冬を代表する海の美味を一度にたのしむ贅沢コース。

まずは「てっさ」。薄切りのふぐの刺身に皮、ネギ、スダチ。もみじおろしにポン酢がズラリと並ぶシアワセ。
関東のフグはお皿の模様が透けるほど薄く切る…、が鉄則で、けれど西日本ではほど良き厚さに切り分ける。歯ごたえ、味わい、風味とも西日本式の方が存分に楽しめるような気がしてボクは好き。
まずはスダチだけ搾ってパクリ。ネットリ舌にからみつきつつ旨味を吐き出す。
ネギをくるんで食べようが、皮と一緒に食べようが、もみじおろしをたっぷりのっけて食べようが、ふぐの味は揺るぎなくウットリします。

ふぐの唐揚げが続いてきます。
まるで鶏肉。それも大きくたくましい鳥の胸肉を食べてるような食感がある。
けれど旨味は一層強く、骨の周りのゼラチン質がプルプル、唇貼りつかす。
この世の中で一番おいしい唐揚げが、ふぐの唐揚げじゃないかと思う…、そんなおいしさ。
これにもすだちを豪快に搾ってかけて、味わい食べる。

それから「牡蠣のたたき」。
広島料理の専門店。今の季節に牡蠣といえば生の牡蠣を出したくなるとこ。けれど、いろんなことを鑑みてそうはいかなかったのでしょう。
軽く表面に粉をはたいて焼き上げる。もみじおろしにポン酢をかけてどうぞというもの。工夫を感じる。
生の牡蠣もおいしいけれそ熱の入った牡蠣のとろりととろける感じもまた乙なもの。食べてる間に今日のメインの準備がはじまる。

牡蠣鍋か土手焼きのどちらか一つを選べるコース。土手焼きにした。
鉄鍋の内側の壁にぺっとり味噌を塗りつけて、具材をぎっしり。
焼いた豆腐にニンジン、ささがきゴボウ。
セリに三つ葉に斜にザクザク切り分けた白い太ネギ。
分厚い椎茸、茹でたたけのこ、そして牡蠣。
一番底には短く切ったしらたきタップリ。
水や出汁ははらずにそのまま弱火でコトコト…、器は土鍋でだから鍋料理のようにみえるけれども名前は土手焼き。つまり焼き物。
焼いてるうちに徐々に素材が水を出し、それが味噌を溶かしておいしい香りが漂ってくる。
焦げ付かないよう、何度も何度もお店の人がやってきて、菜箸つかって底をきれいにこそげつつ、鍋の具材をひっくり返して味をなじませ仕上げてく。
その度、軽く世間話をしたりしてなんだか気持ちがほっこりしてくる。
オモシロイほど水が湧いてでてきて、気づけばフツフツ、味噌が沸騰しながら具材が仕上がっていく。
最後の仕上げに柚子の皮と胡麻をパラリをふりかけて、あとはお好きにどうぞ…。箸でつついてハフハフ食べる。

軽い酸味と渋味がおいしい赤味噌に、素材の旨みが混じってなんとも味わい深い。色は濃くって香りも濃厚。けれど味は案外さっぱり。煮込んだのじゃなく焼き上げる過程で煮物のように結果なったからなんでしょう。表面に味は入っているけど素材の持ち味は壊れていない。

何より主役の牡蠣がシットリ、おいしく仕上がる。味噌と牡蠣の相性のよきことウットリ。ビールがおいしく感じるゴチソウ。冷たいビールと泡の喉越し。渋みに苦味が味噌の旨みを引き立てる。
〆は雑炊。梅の酸味と香りで仕上がるサラッとやさしい味わいのモノ。これが土手焼きの味とよくあい、しかも口をスッキリさせる。お腹が芯からあったまり、気持ちのやさしく満たされる。
食後のたのしみ…、水菓子がなんと柿。牡蠣の〆に柿とはなんともオモシロイ。しかも柿はあまり得意じゃないのです。よく熟れグズグズになってしまった柿は好き。けれどまだ固い柿の渋みが苦手で今日も食べずに終えました。
とは言えお店の人のサービスもあたたかく、好きな店です。オキニイリ。

 

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コメント

  1. にゃおにゃん

    お土産に買った風雅堂のひろ柿。まさに、干し柿を上品にした感じです。広島そごうで買えました。次回来広の際にお試しくださいませ。私のメインはANAクラウンプラザのクラブラウンジに泊まりに行き、サカキ様のプランを楽しむ旅でした。広島修学旅行第二弾、楽しみにしております。またおっかけいたします。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      にゃおにゃんさん
      風雅堂さんの創作和菓子は一流です。
      カリカリの柿は苦手なのに、なぜだか干し柿は大好き。それが上品になった感じとは聞き捨てなりません(笑)。
      次回の広島がたのしみでしょうがなくなりました。

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