天ぷら油香ばしき大木戸の藪、プリンにカフェオレ

家の近所。四谷四丁目に蕎麦屋が一軒。
何度も店の前を通っていたのだけれど不思議なことにずっと目に入らなかった。
あるはずなのにあることになっていない店とか場所って結構あって、なのに突然、何かのきっかけで「こんなところにあったんだ」って気づくことがある。
そのきっかけにはいろいろあって、例えばそのとき、この店に気づいたきっかけがおいしい匂い。
天ぷらを揚げるごま油の香りに2人同時に気がついて、こんなところに蕎麦屋があった…、ってびっくりした。表のメニューをみると天丼とそばのセットがおいしげで近々来ようねって約束をした。
それが彼が逝く1週間ほど前のコト。結局、その約束は果たされず一人で来てみた。「四谷大木戸藪蕎麦」という店。

中に入ると靴脱ぎ、板間でデブにはキツい作りのお店(笑)。
嫌ったろうなぁ…、と思うボクに女将さんがこんなのありますといぐさで編んだスツール状の分厚い座布団もってくる。
快適、快適。
食べようね…、って言ってたミニ天丼と冷やしぶっかけ蕎麦のセットを選んでたのむ。
エビは入らぬキスと野菜の天丼に、緑色した蕎麦が冷たい出汁にとっぷり浸かった器。大根おろしをお供にもらってどさっとのっけて、七味唐辛子をたっぷりかける。
天丼の野菜は茄子とししとうで、茄子の天ぷらはタナカくんの大好物。油を吸ってタレも吸い込みしっとりしんなりしたのをいつもうれしそうに食べていた。タレの甘さもちょうどよく、好きだったろうなぁ…、って思う。

口が小さな丼だけど底が深くてご飯が案外ぎっしり詰まって、器を取った手に思い。底までしっかりタレが染み込みそのたっぷりを飽きず食べることができるのがいい感じ。
蕎麦はコリコリ、歯応え強く出汁は鰹節の軽い酸味と醤油の風味がほどよい相性。大根おろしの汁がしみだし、じゃっかんそれがピリピリとする。色は濃くともほどよい味わい。そのまま汁をゴクゴク飲める。ボクは好き。
食後の楽しみにフルーツの寒天寄せと冷やし汁粉がついてくる。どちらもしっかり甘くて食後のつめたい麦茶をねだる。
すべてのモノを食べて死ねるとは思わないけど、行きたかった店。しかも近所にあった店に来れずしまいになっちゃうって残念だなぁ…、ってしんみりしちゃう。もったいない。

 

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食後にちょっとお茶にする。
四谷三丁目のオールシーズンズコーヒーでアイスラテとクラシックプリン。
しばらくテイクアウト用の器で提供されてた飲み物が、グラスに変わっておりました。ただそれだけで気持ちがホッとおだやかになる。
酸味やさしい今日のブレンド。ミルクの風味と一緒になって、気持ちをスッと軽くする。クラシックプリンはどっしりとして硬めの仕上がり。苦いカラメルがたっぷりのっかり、これは本当に好きだった。最初の一口を食べたらチェリーを残して彼のもの。ニコニコしながら食べてたなぁ…。
ちょっと前のことなのにすごく昔のように感じる思い出。テイクイットイージーからインマイライフとBGMが涙を誘う。彼は何を思っていたんだろう…。

 

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