大阪に来るとなぜか蕎麦

午前中の仕事をホテルの近所ですませ、次の移動に駅にゆく。
移動の前に小腹を満たしておきましょう…、と、駅ビルの中をウロウロします。
洋食、漬物、551の中華コーナー。
ラーメン店にお好み焼きと、どこもおいしげ。でも決め手に欠いて、それで結局美々卯を選ぶ。なぜだかよく来るお店です。
うどんすきで知られた名店。大阪の老舗のひとつで、だからうどんのメニューが多彩に揃うんだけど、不思議なコトにココでは大抵そばにする。
オモシロイことにこの店のショーケースをみると名物のうどんすきより目立つ位置にざるそばがある。それ以外の麺類単品のメニューも蝋細工をのぞきこむとそこにはうどんじゃなくて蕎麦が表現されている。

西日本は蕎麦じゃなくてうどんのエリア。
中でも大阪は讃岐にまけぬうどんの名池…、なんていわれているけれど、案外、蕎麦を看板に掲げたお店が多く感じる。
立喰いの店の大手の一つが「阪急そば」でうどんが看板じゃないお店。
うどんとなると値段が決まる。
それも決して高値じゃなくて大衆的な値段しかとれなくなるから、蕎麦を売る。
蕎麦に付く値段をつけて、「うどんに変えることもできます」って工夫の売り方なんかなぁ…、って思ったりする。
どうなんだろう。
人気の店です。にぎわっている。
ちょっと不思議な構造で、お店の真ん中に高さ違いのカウンターがあり、その両側にテーブル席。
カウンターの間をサービススタッフが行ったり来たりしながら世話焼き。ひとりでいてもさみしくないし、しかもサービススタッフのものごしやわらかなもてなし方がほどよく上品。はんなりしてる。
湯葉そばたのんで、上方寿司や小鉢、デザートがつくセットを併せて昼とした。

器の中には分厚い湯葉がギッシリ浮かぶ。
紅葉の形のお麩に分厚い甘辛しいたけ。茹でて搾ったほうれん草に柚子皮ひとかけ。
メインのそばをすっかり隠してしまう勢い。
蕎麦は若干色白で、汁も色白。蕎麦が入った丼脇には赤い塗りのお鉢にしゃもじ。
雅な感じがうつくしい。
寿司は穴子とキュウリの中巻と鯛の押し寿司。焼いた穴子の香ばしさとキュウリの歯ざわり、みずみずしさ。パキッとお酢がしっかりきいたシャリと相性なかなかに良い。甘く仕上げた昆布がシットリ、酢じめの鯛を包み込み口の中をみずみずしくする押し寿司も味わいやさしく、出汁のきいた汁をおねだり。茹でた蟹肉を添えたねぎぬた。缶詰みかんをゼリーで寄せたデザートが、家庭的にてクスッと笑う。

七味でもなく、一味でもなく、黒七味がテーブルの上に置かれているのが上方風というコトでしょう。出汁の風味を劇的にかえてしまう強者で、だから蕎麦と汁を塗りのお椀に移してそこにぱらりと散らす。途端に香りが華やかになり、ごまや柚子、山椒の香りでお椀の中がうどんすき的風味になってく。
ホタテの柱が一個入っておりました。その周りだけ若干白濁してみえるほど強い旨味が滲み出しただの蕎麦じゃなく「蕎麦の入った寄せ鍋」的な景色、味わい、風味になるのもオモシロイ。
分厚い湯葉が幾重にも重なり合って、出汁を飲みこみぽってり重たくなっていく。舌に乗せるとジュワリと出汁が染み出して、最後に豆の香りがふわり。体にやさしいゴチソウを食べているんだ…、ってニッコリしました。満ち足りる。

 

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