大衆のゴチソウに徹する商売

岡山駅から東北東に向かって移動。「山陽町」という小さな街にやってくる。
「かつ陣」というとんかつの繁盛店が一軒あって、突如、そこで試食をすることになったのでした!
早めの昼をとんかつで食した直後の試食であります。とは言え、とんかつと言ってもひとくくりできないほどに多様な世界。人気の店にはそれぞれ流儀や工夫があって、だからお店が変われば別の食べもの…、って思えば思える。思うことにする(笑)。
地方都市の郊外にあるココ。気軽なゴチソウとしてのとんかつに特徴がある。ランチタイムはすでに終わった時間なのにかなりのニギワイ。お腹を空かせた作業服の若い人たちがうれしそうに食事をしている。とんかつという料理を心から求める人が食べるべきものをたのしんでいる。いいなと思った。

植物油を使ってさっぱりとした仕上がりのカツ。
ロースカツをたのんでみれば、ほどよく厚く、パン粉は香ばし色で香りも甘い。
一切れ事前に断面見せてやってくる。
その断面のみずみずしくてツヤツヤしていることにウットリ。
軽いロゼ色で、しかも断面がプクッとかすかに盛り上がっている。
中がジューシーに仕上がっているという証拠。

なにも使わずそのままパクリ。カサッと衣が口にちらかり、肉がザクッと歯切れてジュワリ。おいしい肉汁が広がっていく。
固いのではない。でも噛みごたえがある。前歯に軽く抵抗し、顎に少々力を入れるとスパンと歯切れる。あとはパン粉と一緒になってとろけて消えてく。塩と胡椒がしっかりほどこされ肉の甘みや脂の甘みを引き立てる。
なにより脂のおいしいコト。クチャっと潰れて瞬間口がひんやりとする。
脂がとろけて口いっぱいを甘くして、あぁ、脂だなぁ…、と思うのだけど不思議なほどに後口さっぱり。揚げている。パン粉も揚がって仕上がって、にもかかわらず脂がすっきり口の中から失せるシアワセ。あぁ、旨い。
小さなすりこぎに胡麻を入れ、それを好みの状態にすりつぶしソースと混ぜて食べるスタイル。胡麻の香りとソースの軽い酸味とスパイス。そのまま食べてもおいしいとんかつをご飯のお供にしてくれる。

千切りキャベツで口ととのえて、カキフライとヒレカツの季節の盛り合わせを食べてみる。
ロースと違って肉そのものの旨味の強いヒレの肉。
口溶けもよく、これはソースと相性が良い。
カキフライの牡蠣は岡山県産品で、広島の隣にあって一生懸命ブランド作りをしている人たち。
応援したくて今年から…、と。
地産地消にこだわるわけじゃない。
目に見えるところをお金が循環していく…、地域の人とつながることで出来上がっていく商売がいいなと思って、仕入れや仕事の依頼をしていく。
やさしい商売って、そういう気持ちから生まれていくんだ…、って思ったりした。とんかつ専門店って季節感が希薄になる。だから牡蠣の季節はとても大切。このカキフライをたのしみにして「冬になったねぇ…」ってうれしそうにやってくる人がたくさんいるというのもステキ。

ご飯の上にカキフライを置き、自家製のタルタルソースをたっぷりのっけてご飯と一緒にハフリと頬張る。ジュワリと口で牡蠣が潰れて、おいしいジュースがご飯にまじる。
冬だなぁ…、いい冬だ。いろんな牡蠣の食べ方があり、それぞれどれもおいしいけれどカキフライは3本の指に入るであろう食べ方。堪能します。
気軽な値段でお腹いっぱいになってもらうため、ここは自家製麺のうどんを売る。うどんだけじゃなく丼ものにも力を入れてて、例えばランチ専用のかつ丼には千切りキャベツもたっぷりついてやってくる。うどんがおいしい店ならでは出汁がしっかりしているからの、とじた玉子のおいしいことにもうっとりします。これから人手が足りなくなってく…、だから小手先じゃなく根本的な解決策を考えなくちゃねといろいろみんなでアイディアを出す。話のお供のコーヒーのカップがなんともクラシックにて、写真をパチリ。仕事中。

 

関連ランキング:とんかつ | 瀬戸駅

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。