大庵で初の鴨南、晴れの昼

ひさしぶりの「大庵」。昼の蕎麦。
大人ムードのテーブル席や厨房を眺めながら食事ができるカウンター席。個室もあって使い多彩な使い勝手に対応できる懐深さのあるお店。
ボクが好きなのは表の街路樹を眺めることができるカウンター席。
端から端まで18席。とはいえひとり客は二席分を使わせてもらえるので隣の人が気にならない。お店の外を向いて座るから、当然、背中は客席側を向く。けれど背中の後ろは網代の壁で目が気にならない。
にぎやかなお店の空気を感じつつ、ここだけ違ったのんびりとした空気が流れているようで、蕎麦を楽しむことに集中できるところがオキニイリ。
ランチサービスの小鉢にそば茶。小鉢の中身はホタルイカ。そろそろ季節も終わりでしょうか…、プルンと食べてお腹の準備をつつがなく。

お蕎麦のお供はそばいなり。
そば寿司だとか、そば稲荷とかを食べるようになったのもここ数年かなぁ…。それまではどうにも感心できない料理で敬遠してた。だって寿司なんだから素直にご飯で作れればいいのに…って思ってたのに食べるとおいしい。
米で作る寿司とは違った解け感とでもいいのか、散らかり感とでも言えばいいのか。口の中を騒々しくする食感たのしく、蕎麦でなくては出せない味わいがあるんだなぁと感心ばかり。おそらく若い頃においしいそれらに出会わなかったからずっと嫌いでいたんでしょうね。今となってはもったいない。

メインは鴨南蛮そばにした。
去年あたりから気になるようになった料理で、ここの鴨南蛮は食べてなかった。
鴨南蛮と一口でいってもお店、お店で姿は異なる。
そのほとんどが鴨扱い方で一番多いのはほど良き厚さの鴨胸肉を脂も一緒にこんがりと焼き、薄くそぎ切り並べたスタイル。
レアの鴨肉の肉感的なボルドー色に思わず喉を鳴らす一品。
ところがここの鴨は細切り。しかもももや胸とパーツさまざま。ネギと一緒にフライパンで転がしながら焼いてるようで、肉の表面に脂がツヤツヤ光って見える。ゴリゴリ歯ごたえたのしめるのもあれば、むっちりとろける部分もあって、ネギには鴨の風味と旨味がまとう。もしこの鴨とネギを平皿にキレイに飾れば鴨の料理が一品できそうな、そんな味わい、食感、たのしい。

相変わらず蕎麦はねっとり粘って歯切れる。どっしりとした醤油の風味の汁に浸かって、徐々にやわさを増していきけれどバッサリ、歯切れる感じは失わないのが上等な汁そばのたのしいところ。
汁の表面がいつも以上にキラキラしてる。天ぷらそばの汁の表面もキラキラします。それは衣から滲んででてくる植物性の「油」の光。ところがこれは「脂」です。それでかキラキラの粒は頑丈。ふっくら膨れてひとつ、そしてまたひとつと脂の粒がまとまり徐々に大きくなってく。
木匙で器に汁をすくって、蕎麦湯を注いでごくっと飲みます。
まったりしている。濃厚な味。口の隅々を脂が覆ってツユと一緒に剥がれてスルンとお腹の中に流れ込む。大人のゴチソウ…、甘露なり。

 

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コメント

  1. にゃおにゃん

    うわ、早速行かれてるのが羨ましいところ。
    東京いた頃ランチは入れたことがないのでまた宿題にしておきます。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      にゃおにゃんさん
      休日の昼にお酒を傾けながらゆっくりしたくなるお店ですね。

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