夢飯の海南鶏飯にカレー煮卵。抹茶プリン深蒸し煎茶
ひさしぶりに西荻窪の「夢飯」に来てみる。
海南鶏飯の専門店で、まだ東京で扱うお店が少なかった頃からあった。
シンガポールでタナカくんと一緒にホーカーセンターにいったのネ。ボクは雲呑麺を食べるのが目的だったんだけど、鶏好きのタナカくんは海南鶏飯を食べた。
それがいたく気に入って、東京でも食べられないかと探した。
これが結構難儀で、見つかったのがこのお店。行ってたちまち気に入った。
それから何度か来たのだけれど、駅の反対側にキッチンキャロットを見つけてしまう。以来、西荻窪に来るとキャロット。それでご無沙汰。海南鶏飯のお店が他にも増えたこともあってもう10年近くも来ていなかった。
記憶をたよりに探したけれどちょっと迷って、開店時間を5分近く過ぎちゃった。
そしたらほとんど満席という人気のお店。お店の中はジャスミンライスの匂い。あぁ、この匂いだったなぁって思ってなつかしむ。
海南鶏飯がやはり人気。
茹でたチキン、フライドチキン、それぞれ半分ずつのハーフハーフの海南鶏飯が用意されてる。
フライドチキンの海南鶏飯に揚げた卵のカレー煮とフライドオニオンを追加しました。
10分ちょっとでやってくる。
茹でた鶏もも肉を素揚げしたフライドチキン。
皮がバリッとなってて、ぶよぶよの皮が苦手なボクにはうれしい仕上がり。
大きなお皿の真ん中にジャスミンライス。フライドオニオンを入れた器にたまごカレーが入った器。中国醤油にチリソース、レモン果汁の器が並び、表面を飾り切りしたきゅうりのスライス。パクチー飾ってひと揃え。まずはフライドチキンに中国醤油とチリソースをちょっとほどこし食べてみる。
皮はパリッと歯ざわりがよく肉はふっくら、揚がっているのにジューシーで噛みごたえがよい。
ハーブやスパイスのおかげでしょう…、鶏臭くなく脂までもが甘くておいしい。
粉をはたいて表面をこんがり揚げたゆで卵。白身がちょっと小さくなって穴が無数にあいて、そこからカレーが染み込んでいる。一緒に煮込んだ玉ねぎはとろとろになって甘みも上等。
クミンシードの香りが漂うカレーはトマト由来の酸味とほどよい甘みがあって、後からじんわり辛さがおいかけやってくる。
おいしいなぁ…、なによりジャスミンライスがおいしい。
パラッと口でちらかって、チキンスープの旨味が噛めば滲み出す。フライドオニオンの甘み、それから香ばしさが風味をそえて口の中をにぎやかにする。
キャベツのスープもおいしくて、好きだったよなぁ…、ってしみじみ思う。おゴチソウ。
食後に「Saten」。オキニイリのお茶のカフェ。
ビルの一階なのに民家のような設えで、入ったところが土間造り。
大きなカウンターが置かれて中は厨房。カウンターの上には茶器に茶筅、茶碗に茶筒。ちょうど抹茶プリンの仕込みの最中。
抹茶プリンに、しっかりとした苦味がおいしいという深蒸し煎茶を選ぶ。
お店の奥には居心地の良いテーブル席があるのだけれど、今日はいっぱい。カウンターに初めて座る。
お茶を入れる様子が間近に見られる臨場感がなかなかによい。
デミタスカップにガラスのピッチャー。
お待たせしましたって、ちょっと高いとこからお茶を注ぐ。カップの中で空気とお茶が混じり合いつつカップがお茶で満たされる。
途端にお茶の香りがふわりと立ち上がる。気持ちがパッと明るくなるようなおいしい香り。お茶の香りをたのしみながら、食べる抹茶プリンはまた格別。
薄いガラスの器に入ったプリン。緑と白の二層に見える。
けれどよく見ると、白の部分がまた二層になっていてつまり3層構造なのネ。一番下にはミルクプリン。真ん中の層はミルクソースで一番上に抹茶ソースが重なっている。
どれもなめらか。スプーンを置くと吸い込まれるように自分の重みで沈んでく。抹茶ソースはどっしりとした苦味に豊かな香り。ほんの少しの粉っぽさを感じるところが独特で、ミルクプリンもとてもなめらか。抹茶ソースと混じって、抹茶オレのような味わいになっていく。
深蒸し煎茶との相性もいい。旨味を強く感じるぬるめの仕上がり。渋みや香りもとても鮮やか。コクリ、コクリとちょっとづつゆっくり時間をかけてのんびり食事の時間をたのしむ。オキニイリ。