夜の志な乃で鍋焼きそばに合盛りのざる

夜、蕎麦を無性に食べたくなって、家の近所の「志な乃」に来ます。
新宿通りに面してポツンと…。この通りは5ブロックから6ブロックごとにちょっとした飲食店の集積地が姿を表す生活幹線道路でココは、その端境部分。
周りにほとんど飲食店がなくて夜になると静かな界隈の、古いオフィスビルの一階部分。昼にはご婦人方の手伝いがきて、明るくニギヤカ。夜になると一転、職人さんたちだけで切り盛りしている男ぶりのよい店になる。
さすがに夜をそばやうどんで済ませる人は少なくて、かと言って酒の肴のような料理もやってはいない。そばとうどんで勝負をしている店でだから今日も静かな貸切状態。
注文するとテキパキ器がはこばれてきて、テーブルの上がニギヤカになり準備整う。

まずはけんちん汁でお腹をあっためる。
醤油風味の熱い汁。
ごま油の香りがフワッと鼻をくすぐりお腹の中をあったかくする。
崩れた豆腐に大根、ニンジン、ごぼうにこんにゃく、ほうれん草。
全てに出汁が染み込んでいて、中でも大根のクチュっと潰れてみずみずしいコト。

崩れた豆腐と一緒に汁が口の中へと流れ込む。ちょっと強めの味わいで、ココに何かを浸したくなる。
そこに相盛。冷たいそばとうどんが肩を並べてやってくる。ここの蕎麦は太くて頑丈。水をたっぷりまとって、ツヤツヤしてる。ためしにけんちん汁にトプっと浸して味わうと、ほどよき味がまとわりついて蕎麦の香りが鼻からぬける。

うどんは若干細めながらも、そのコシ、ハリは驚くべきモノ。ツルンと口の中に入ってやってきて噛めば噛むほど小麦の甘みを感じるごちそう。

少々強気の値付けなんだけど、すべてがタップリ。
そばもうどんも分量タップリ。それぞれが既に気取った店の一人前くらいの量があって、それの合盛り。
しかも上にあしらわれた海苔もタップリ。
薬味は薄い輪切りに刻んだネギ。大葉に煎って刻んだ白ごま、大根おろし。そばにはワサビ、うどんにはすりおろした生姜でそれぞれのためにそば猪口が一つづつというのがなんとも贅沢。
徳利になみなみ注がれたツユもタップリ。
しかもこのタレ。色が明るく薄いようにみえるのだけど、味はかなりしっかりしてる。塩がバシッときいていて、昆布の出汁がメインでだから後から後から甘みがおいかけやってくる。強めのツユではあるけれど、そばもうどんも麺が頑丈。だからとっぷり、ツユに浸してしばらく休ませ、空気と一緒に一気に啜る。ズズズズズズッとタレも一緒に口の中へとやってきて味が整う。オゴチソウ。

友人は鍋焼きそばをたのんで食べる。大きな鉄鍋がクツクツしながらやってくる。鍋の両端をまたいでまるで端のようによこたわるエビのてんぷらの融資にまずはウットリします。
頑丈な蕎麦も汁の中でグツグツずっと煮込まれると、若干やわらかになっていく。けれどしっかり麺の形は残ってネットリ。伸びるのでなく汁を飲みこみ膨れておいしくなっていくのがオモシロイ。玉子に鶏肉、甘辛しいたけ。野菜がタップリはいってて、中でも金時人参がニンジンらしい香りと味で野菜を食べた…、って実感が湧く。天ぷらのエビも加水をしない正直なモノ。甘くてとろける、オゴチソウ。
蕎麦湯をもらってタレを割る。塩の強さが不思議なほどになくなって、出汁の甘みが引き出されてトロリと喉とお腹をあっためる。
オキニイリなり、また来よう。

 

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コメント

  1. keiko

    高田純次さん似?😅のご主人、お元気そうで何よりです。
    たまに、無性にここのけんちん汁が、食べたくなります。
    家で再現しようとしても、なかなか難しいんです😅

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      keikoさん
      声がいいんですよね…、ここのご主人。仕事も確実で、ますますお元気。
      おっしゃるようにココのけんちん汁の力強い味って本当に独特。真似しようにもできないから、やっぱり来て食べなくちゃいけなくなるんですよね。

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