夏の名残と秋の予感の雅味近どう

ひさしぶりに「雅味近どう」。夏の名残と秋の予感を一緒に味わう。
竹籠で覆ったお皿に前菜。小さな隙間から見え隠れする料理がおいしげ。イワシの梅煮、焼いたいちじくに胡麻ダレ。味噌に漬け込んだ卵の黄身はねっとりなめらか。トマトをあしらった枝豆豆腐に豆腐のジュレかけ、ヒラメの小袖寿司でひとそろえ。
今日のお椀は五目真丈。しっかりとした出汁に浮かんだじゅんさいがプルプルトゥルトゥル。口の中を逃げ回るのを捕まえ噛むとザクッと歯切れる。
マグロの赤身にヒラメ、イカ。刺身に添えた紅芯大根までもがおいしい。

鮎が続きます。
じっくり時間をかけて、焼き上げた鮎。
そこに田楽味噌をまとわせるのは地方の食べ方。
田楽味噌の甘酸っぱさにぽってりとした舌触り。
ザクザク壊れる鮎を捕まえ、混じってとろかす不思議な食感。
陶器の器の中にはゼリー寄せにした蓼酢に刻んだ山芋。
ザクザクシャキシャキ、奥歯で壊れてゆっくりとろける。蓼酢の苦みが田楽味噌で疲れた舌をキリッとさせる。
酢漬けのみょうが。
甘いとうもろこしに蜜煮のさつまいもと付け合せまでもがごちそう。
続いて鮎の塩焼きまでくる。竹筒に炭を入れ、串を取り上げた瞬間、炭の香りがしてくる。塩焼きの鮎もバリッと歯ざわりがよく、お腹の苦みに往く夏感じてウットリします。

かぼちゃのまんじゅう。中にかにのほぐし身を入れ、ぽってりさせた銀餡まとわせ匙ですくってあったまる。
この店でいつもかならず出てくる料理がこのまんじゅう。季節季節で素材が代わり、けれど中にはカニが必ずはいってる。なにより銀餡がおいしくて口の中で出汁に戻っていくのがたのしい。
鱧と茄子の煮浸しがくる。衣をつけて揚げた鱧。ざっくり衣が砕けて中からねっとりとした鱧が姿を表すステキ。ししとうの青い香りが食欲誘う。
いつものように湯葉のあんかけご飯でお腹においしい蓋をする。

 

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