夏のボガマリ・クチーナ・マリナーラ

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夜、勉強をかねて「ボガマリ・クチーナ・マリナーラ」。千駄ヶ谷の町外れ。静かな住宅地の中にひっそりたたずむ小さなお店。
厨房の前に新鮮な魚介類が並べられ、お店の人と相談しながら献立を決めていくのがたのしいお店。さまざまな素材が並んでいるさまに、最初は何を食べようかと迷って右往左往するけど、お店の人と話していると自然とメニューが決まっていく。
お店の人には当然、自分の売りたいモノがあるのだろうけど、それをあからさまにすすめるのでなく、いろんな提案を繰返しお客様の好みも聞きつつ、あたかもお客様が「それを食べたかったんだよ」と思わせる、見事なコミュニケーション能力にいつも感心させられる。

boga zensaiboga pan自分の都合や知識を押し付けるのでなく、相手の気持ちを聞き出すことで答えを見いだす。
人とつきあい、人にはたらきかけるというのはこういうコト…、っていつも勉強。
おいしいモノを食べながら勉強できるなんてシアワセ。
今日もしっかり。
たまらない。

今日はうれしいことにファーストゲスト。
今日の仕入れのすべてをみながら思う存分話し合い、思いの通りの注文をした。
まずは冷たい前菜ふたつ。

呼子のイカのピチピチ活きたのを生のまま。
食感残るように切り分け、茹でた白いんげんと一緒にオリーブオイルとすりおろしたニンニク、塩と一緒にあえる。
最後に、からすみをタップリふりかけ出来上がり。
ネットリとしたイカの食感、甘さが旨い。固めに茹でた白いんげんがホツホツ砕け、口の中でゆっくりとろける。その食感のコントラストがなんともたのしい。
そこにからすみ独特の濃厚な旨みと風味がおいかけてくる。キリッと冷えた白いワインがなんとおいしい。
イカにコチにタイ、ヒラメに貝をタップリ使ったカルパッチョ。酸味がすっきりした桃と一緒に味わう。それぞれ魚は一切れずつ。イカだけ二切れ。一つは塩、一つはジェノベゼ。気が利いている。

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温かい前菜がやってくる。貝の黒胡椒黒胡椒蒸し。
モンサンミッシェルの少々小ぶりで、けれど中にみっちり詰まったムール貝。プリプリしていて旨みも強い。大はまぐりやアサリにサザエ。クルンクルンと手首を使って殻からキレイに取り出し食べる。
プルルン弾けて、軽い苦味が口に広がる。力強きかな、磯の旨みと風味にウットリ。
お皿に残る汁がおいしくバゲットちぎって浸して味わう。貝とワインでこんなにおいしく味が整う。タップリ使った黒胡椒が深い香りに甘みを作る。チリンチリンとテーブルの上にみるみるうちに貝塚できる。オゴチソウ。

boga pboga pastaパスタをはさむ。ショートパスタとスパゲッティ。
ショートパスタはジェノバソース。大きなお皿に人数分。
タップリ緑のパスタがやってくる。
途端にテーブルの上がバジルの香りで明るくなる。
それをテキパキ、一人分づつ取り分ける。見事な手際。しかもソースを一滴たりとも残さぬように、スプーンで何度も何度もこそげとるようにしてお皿に移す。
その入念にニッコリします。
バジルの香りにペーストにした松の実のネットリとした味わい深さ。
見た目は鮮やか。なのにコッテリとした濃厚味で、クニュクニュ、口の中で暴れるパスタの力にウットリとなる。

スパゲティーはトマト味。イワシとフェンネル、ココにも少々松の実を入れ、ホツホツ奥歯で潰れる食感でたのします。
トマトの酸味とイワシの旨み。
ちょっと太めのパスタにネットリ、ソース、具材がからみつき口の中がどんどんニギヤカになっていく。

こうして食事をしている間も、次々、お客様がカウンターにやってきては魚を見、説明を受け献立次々組み立てていく。
人に合わせて話し方やたちいふるまい、すすめる魚に調理法。それらがすべて臨機応変に変化していく。対応力はやっぱり見事。しかも出来てく料理がみんなおいしげ。全部味見をしたくなったりするのに困る(笑)。

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メインの魚。太ったホウボウが入荷していて、それをローストしてもらう。一緒に二枚貝も一人一個と贅沢をする。
たくましい肉。魚というのに歯ごたえがあり、しかも強い旨みにほんの一口で満足感におそわれる。オリーブオイルにハーブの香り。塩の風味に炭の香りでソースもいらぬ。
じゃがいも、トマトも一緒にローストされていて、それらに魚の旨みやオリーブオイルの風味がついて、なんとおいしい。豊かな味わい。
それにしても不細工な顔。オコゼにしてもこういう顔をした魚って、味わい上品。しかも濃厚。男は顔じゃないんだよ…、って変に納得。笑っちゃう。

boga wineboga dolci静かだったお店の中も、お客様がどんどん増えてほぼ満席。
厨房の中も大忙し。
暑い季節というコトもあるのでしょう。
いつもは人気の煮込み料理より、グリルやローストに中もが集まるようで、ホールの方まで魚がやける煙が流れてやってくる。
窓がほとんどない店だから、換気が大変なんだねぇ…、って言っていたら「もうしわけありません、煙でご迷惑をかけてませんか?」とお店の人がやってくる。
このタイミングでこの一言に、みんなホっと救われて「ボクらもおいしくスモークされちゃうかもしれませんね」って言って笑った。スゴくウレシイ。

メインに合わせてワインを変えた。白いワインをずっと飲んでて、ドッシリとしたローストでもある。だから赤いワインでスキっと酸味がおいしいものを…、とお願いしたら、グラスにタップリ氷を入れて赤いワインが供される。
白いワインにつきものの甘みを持たぬすっきりとした赤をこうして冷たく飲む。口もスッキリするのです。
おいしければタブーなし…、ってこういう姿勢もオキニイリ。
ラムレーズンとキャラメルクッキーを砕いてタップリ混ぜて作ったセミフレードにエスプレッソでお腹に蓋した。幸せな夜。また来よう。

 

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