坂の途中のフラットホワイト。エビを食べるドリア
市ヶ谷の駅から一直線に登る坂道昔、日本テレビの本社が先にあったから今でも日テレ通りって呼ばれる通りの入り口部分。
割と急な坂道で、昔近所に住んでたときはいい運動になっていた。
とはいえこの坂道はまだ緩い方。住んでたマンションへの近道は「帯坂」という坂で、そこは本当に急だった。怪談「番町皿屋敷」のお菊さんが、髪をふり乱し帯をひきずりながらここを通ったという伝説からついた名前で、ボクも短い髪を振り乱しながら上がり降りしたものでした(笑)。
江戸と今がシームレスにつながっているのが東京の町の中心部のたのしいところ。
考えてみれば、番町皿屋敷の町から四谷怪談の町に移り住んだということになる。今の近所にお岩稲荷がございますもの。オモシロイ。
日テレ通りに面して「バイロンベイコーヒー」がある。
ビルの一角、一階部分。小さな店でカウンターに5人も座ればいっぱいになる。
コーヒーがおいしくってネ。
それにお店の人のムードが明るい。
だから好き。
それにしてもこの店の入った建物に限らず坂道に建ってる建物を見るとプロの仕事ってすごいよなぁ…、って感心しちゃう。
どうやって垂直や水平を測って建てていくんだろう。
しかも一軒だけじゃなく並んだ建物みんな同じように建つんだもんなぁ…、神の手のようなものを感じてしまう。オモシロイ。
さて、フラットホワイトを選んで飲んだ。ここではずっとマキアートを煽ってササっと帰るのだけど、今日は30分ほどの時間調整。それでフラットホワイトにした。オーストラリア出身のブランドですから、フラットホワイトが売りということもあってそれ。
大きなカップにたっぷりと。ラテアートはひかえめで、表面なめらか。横からみると表面張力が目に見えるよう。
ぽってりとして喉越しなめらか。まめは浅煎り、深煎りの2種類あって、深煎りを選んで作ってもらったから苦味の中にも甘みを感じる。
ほどよくあったか、ほどよくぬるく、エスプレッソの風味や苦味、コクを思う存分あじわえる。
どっしりとした充実感とお腹をやさしくあっためる、その飲み心地はまるで味噌汁を飲んでるようで一気にゴクゴク飲んじゃいそうになるところ、30分をたのしまなくちゃとゆっくり、ゆっくり味わいながら飲んでいく。
そしてランチをひさしぶりの「ラ・タベルナ」。
近所に住んでた頃にはいつ行ってもすんなり座れるのんびりとした店だった。
それが孤独のグルメに出ちゃったことでにぎやかすぎるお店になった。昼は開店と同時にいかないとすぐに満席。最近では開店時間前からお店を開けてるようで、開店前にすべりこむ。
ひさしぶりに来たら好きだったエビドリアのランチセットがなくなっちゃった。
ハーフサイズのドリアにラージサイズのサラダが付くセットで今のお腹にちょうど良かった。しょうがないからフルサイズのエビドリアにラージサラダを注文します。オニオンスープにまずサラダ。キンキンに冷えた野菜がバリバリ壊れ、クラシックなフレンチドレッシングがお腹の入り口開いてくれる。
次々お客さまがやってくる。前回来たときは孤独のグルメで紹介されたミートローフばかりが出てた。今日のミートローフは少数派。番組効果もほどほどに…、って感じなんでしょう。ホッとする。
メインのエビドリアがやってくる。大きな器から溢れ出しそうにたっぷりと表面のチーズ、ベシャメルソースがふつふつ沸騰するさまのおいしげなコト。焦げたチーズの香りがおいしい。
チーズたっぷりのドリアはスプーンに張り付く。フォークをスッと差し込んで持ち上げるとずっしり重たく、ソースの下にはサフランライス。パラッと硬めでブイヨンの味、軽い塩味、刻んだ玉ねぎ、マッシュルームがたっぷりはいってこれそのものがすでにおいしい。
ベシャメルソースはポッテリ上等。タバスコバシャッとほどこして味をキリッと引き締める。
それにしても海老がゴロゴロ。10尾までは数えたけれどそこからさきは面倒くさてやめちゃった。しかもむっちり、甘くておいしくこれほど海老がたっぷり入ったドリアをボクは他に知らない。おゴチソウ。