土用の丑の双葉の鰻

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土用の丑です。鰻を食べよう。
昨日の夜から気持ちがすっかりうなぎの蒲焼。ワクワクしながら目を覚まし、朝ご飯も我慢していそいそ新宿。オキニイリの鰻のお店「双葉」に来ます。
民芸調の店作り。カウンターの中の焼き場に職人さんがズラリ並んで鰻を焼き、和服のおねえさんがニコヤカに料理を運ぶ。飾り気はないけれど、これが鰻屋!って感じの風情がいい感じ。
うさぎの模様が描かれた小さな取り皿。同じ「う」からはじまる生き物…、卯とウつながりの粋なもてなし。遊び心にニッコリします。

huta uzakuさすがに土用の丑の日。
開店と同時に次々お客様がやってきてたちまちニギワウ。韓国からの観光客に香港訛りの中国系の人たちと土用の丑も国際的。

ほうじ茶と一緒に漬物ときゅうりの酢物がまずやってくる。
きゅうりの青い香りが食卓の上の空気を明るく、軽くする。なんだか夏の香りだなぁ…。
シャクシャク味わい口からお腹を潤し目覚ます。きゅうりに混じった釜揚げしらすがしっとりしてて、噛むたび軽い塩味と海の香りがくれるのもいい。食欲できる。

せっかくだからうざくをたのんだ。
いつもは「う巻」をたのむんだけど、今日はさっぱり、お腹の中を整えようとそれでうざく。
ざく切りにした蒲焼とお酢であらった蛇腹のきゅうりを一緒に食べる。
メインの鰻の蒲焼ができるまでを、お酒のあてにしてたのしく待つための工夫の料理。ネットリ、口の中でとろける鰻とザクザク、奥歯で壊れるきゅうりのまるで正反対の食感が互い違いにやってくるのがオモシロたのしいオゴチソウ。

huta unadonさて今日のメインの丼がくる。
漆のお椀。
塗りが分厚く、ほどよく重たくけれどほどよく軽くて手になじむ。
なめらかで、しかもひたっと手のひらに吸い付くような手触りの良さ。最近、家でもご飯は塗りのお椀に入れて食べることにしているけれど、ご飯の味が数段良くなる気がするのです。オキニイリ。

深い茶色の蓋を開くと、中は一転、朱色をしていてそこに白きご飯と鰻の蒲焼。
その色鮮やかなコントラストにハッとして、それと同時に焦げたタレと脂の香りがフワリと漂い鼻をくすぐる。
ボクにとってのおいしい鰻丼はこういう姿であってほしいとしみじみ思う。

脂ののった鰻を、表面カリッと焼きあげる。江戸前的に蒸しはするけれど、深蒸しではなく軽く蒸し、だから若干のカリッと感が残っている。
脂はとろける。
口の中で身がバッサリとほぐれてご飯と混じって消える。
このご飯の炊け加減がまた絶妙で、少々固め。ご飯の粒のひとつひとつを舌が感じるようで、鰻のとろける感じを見事に受け止め、よき相性。

鰻丼、あるいは蒲焼。
日本全国でこれほどお国柄が出る料理も少ないんじゃないかと思う。
お国柄の違いは、「おいしい鰻」に対する解釈の違いで生まれる。
鰻はやわらかく口どけのよいモノと思う江戸前。
バリッと焼けて噛むと脂がジュワリとにじむものでなくては鰻ではないと感じる名古屋や上方趣味。
九州に行けば、甘いタレと一体化したネットリ感を味わう料理になっていく。

hutabahuta owanどれが好きかと言われても、どれもが好きでしょうがない。
いつか土用の丑の日に、東京をふりだしに名古屋、柳川と鰻行脚をしてみたく、それが小さな野望だったりするわけです(笑)。

今日は江戸前鰻に舌鼓。
ちなみにここのタレは甘み控えめのサラサラタイプ。追加でもらってご飯に注いで汁だくにする。

汁は肝吸い。鰻の肝をこんがり焼いてポトリとひとつ。噛むと軽い渋みがあって、クニュっと潰れる。命を食べた…、って感じがするのがありがたい。
大根の葉っぱをつけた浅漬けと、薄切りにした沢庵。その沢庵でお椀をキレイに拭って食べる。これが沢庵じゃなくて、奈良漬、あるいは守口漬だったらほぼ完璧な昼だったのに…、って思ってニッコリ。堪能しました。丑の昼。

 

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