土用の丑の「う」のつくゴチソウ

今日は今年2度目の土用の丑の日。「う」のつくお店で朝をはじめようと銀座ウエストにやってくる。
いつもながらに心地よい店。丸ノ内線の銀座の駅から5分もあるかぬところにあって、にもかかわらずその距離にして汗をかく。ひんやりしていて、けれどひんやりしすぎてはないお店の中はとても快適。
テーブルにつきハーフサイズのサンドイッチとブレンドコーヒーを注文し、テーブルの上が華やかに整っていくのをながめてニッコリします。
おしぼりの袋あけると薄荷の香り。今朝のBGMはヴィヴァルディの四季から「夏」でした。
ヴィヴァルディの夏はなぜだか暗い。うだるような暑さにうんざりするような日本の夏になぜか合う。

暑い夏の日にもかかわらずあたたかいコーヒーを選んだのは、テーブルの上が一際華やかになってくれるから。
シュガーポットにミルクのピッチャー。
塩が入ったガラスの容器。
それらが銀のトレーに乗せられてくる。
お冷グラスにも箔押し天使。
コーヒーをコクリコクリと味わいながらのんびり待ってメイン到着。
薄切りの食パン。
こんがりトーストされていて、挟んでいるのはハム数枚とレタスが一枚。
ほどよき厚さのハムが何層にも重ねられたその断面はなんともゴージャス。ステンレスのスクイーザーに挟まれたレモンの皮がいつものようにきれいに削がれてる。皮の渋みまで搾らぬようにという心遣いにニッコリします。

噛むとカサッとパンが前歯をくすぐってハムが歯切れる。焼かないハムはひんやり感じ口の温度で脂がゆっくりとろけていくのが肉感的。むっちりとしたハムがパンと混じり合い奥歯を叩いてとろけて消える。
レモンを搾る。レモンの香りがパッと目覚めてテーブルの上が華やかになる。
調味料といえばパンに軽く塗られたほんの少しのマヨネーズ。ハムが主役でシャキッと歯切れるレタスの見事な名脇役。焼けた食パンの香ばしさや小麦の甘みもハムのおいしさをひきたてる。
食事を終えたところでBGMがヘルメスベルガー2世の「悪魔の踊り」に変わります。コーヒーおかわり。砂糖とミルク多めで朝のお腹を甘やかす。

 

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土用の丑にはやっぱり「う」のつく鰻も食べなきゃと上野の「伊豆栄本店」。
不忍池のほとりにあって、池を見下ろすような立派なビルが丸ごと一棟このお店。
江戸時代の上野は鰻の産地として有名だったらしいのです。
沼地が多く、自生している鰻をさばき蒲焼にして食べさせる店が立ち並ぶ鰻料理店のメッカでもあったのだそう。
その当時から続く300年を超える歴史を誇る店。こういう立派なビルが建つのもさもありなん。
呉服を着こなす仲居さんたち。一際凛々しい女将がにこやかにテーブルの間を回ってテキパキ料理を運んでく。この人たちにまかせておけば上等な時間を確実にすごせるんだという安心感も老舗ならでは。
鰻だけでなく日本料理全般を作れる調理場。そういうお店ならではのお弁当を選んでたのむ。ここではずっとそれと決めてるオキニイリ。

「姫重」という名前もかわゆうございます。
二段重ねの丸い重箱。
一段目にはうな重。
二段目には吹き寄せ仕立ての季節の料理が盛り付けられる。
吸い物を肝吸いにアップグレードしてもらう。

うな重は蒲焼半尾という控えめサイズではあるけれど、今のお腹にはほどよいボリューム。
吹き寄せ料理の種類が多彩で、しかも料理のひとつひとつが丁寧。
エビの煮たのに鮭の焼いたの。鴨胸肉の炙りにだし巻きたまご。野菜の煮物に練り物、がんも。大葉で味噌を包んで焼いた宮城名物のしそ巻きがついているのがかつて東北の玄関口と言われた上野のお店ならでわ。
食紅で色鮮やかに整えた酢蓮が彩り添えるご馳走。上野の姫は大食漢!サービス精神旺盛ぶりにニッコリします。

鰻はこんがり焼かれて香ばしい。お江戸の鰻としては蒸し加減が若干浅め。だから噛むとパリッと前歯で歯切れてじゅわっと脂が染み出してくる。焦げた香りもボク好み。
甘み控えめのスッキリとしたタレ。そのタレをご飯にまんべんなくまぶして、だからどこを食べても味がある。鰻のタレが絡んだご飯で吹き寄せ料理を食べるというのも乙なもの。しかもご飯の炊き加減が硬めで、鰻がとろける食感を引き立ておいしく感じるステキ。
上等な漬物、出汁がおいしく塩控えめの肝吸いも上等な味。おかずもご飯も鰻もきれいにお腹に収め、満腹、満足、オキニイリ。土用の丑のおゴチソウ。

 

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