因幡うどん(改)お食事処ニュー因幡

博多うどんの老舗のひとつ。
「因幡うどん」の博多駅の地下街にある店が先日リニューアル。
店の名前も因幡うどんから「ニュー因幡」へと変更になった。
因幡うどんの創業当初の名前が実はニュー因幡。
長い歴史の中でうどん専業の店になり、名前は通った。
けれど店の数は年々減っていき、経年劣化のために業績も悪化の一途を辿っていたのを、事業売却。
新しい体制のもとで再建中…、のその1店舗がこのお店。

店の外壁のすりガラスに「自慢のうどんとだし煮込み料理」とキャッチフレーズがかかれてる。
縄のれんをくぐって店の中に入ると、イメージ一新。
店の半分ほどの面積をさきカウンターが新設されて、その後ろ側にテーブル席がズラリとならぶ。
カウンターの両端には惣菜が入ったガラスの棚が作りつけられ、食堂風の景色を作る。
明るくなった。
一人客でも入りやすくなり、酒でも飲もうか…、ってムードが出来た。メニューだけを変えただけでは伝わらないコトがあるんだなぁ…、って店の改装の必要性をしみじみ感じる。

うどん屋さんの課題のひとつが「夜の売上をどうとるか?」というコトでこういう改装は生き残るために必要なコトだったんだろうなぁ…、って思う。夜のメニューは「だし」で煮込んだ料理がメイン。博多うどんは出汁が命。その命の出汁を使って煮込んだ料理を売るって、なかなかに粋。悪くない。

大根の煮込みと玉子焼きの煮込みをたのんだ。どちらもメニューで「おすすめマーク」付きでおすすめされてた料理。大根は大きくとろろ昆布を頂き、卵焼きには明太子。これを「おでん」と呼ばず「だし煮込み料理」と言い張るところが博多っ子的?(笑)。
料理の状態はまだまだです。大根は筋張っていて卵焼きはバッサバサ。煮汁を飲むと塩辛く、この出汁で作るうどんは大丈夫か?って心配になる。
例えばうどんの出汁で割った卵で焼いただし巻き卵の方がおいしかないか?って思うも、それでは手間がかかるから焼き置き卵焼きを出汁で煮ることを選んだんだな…、って気持ち意地悪になっちゃった。
鉄板料理にも力を入れてて、ハムエッグをたのむとジュウジュウ小さな鉄板でやってくる。実際みてるとこういう料理を2つ、3つとたのんで飲んで、うどんで〆る人が多くて業態としては受け入れられているんだなぁ…、って感心はする。

ただ「うどんがメインのお食事処」というこの店。
酒も飲めるうどん屋としての試行錯誤の真っ只中なのでありましょう。
チグハグなところがあったりもする。
カウンターやテーブルの上に水が入ったピッチャーがある。
うどん屋としては当たり前のコトで、けれど居酒屋としては都合が悪い。喉が渇かぬ感じがするから。
しかもピッチャーの中の水には氷が入らず(あるいは溶けていて)生ぬるいから、うどん屋としては心配りができてない。
居酒屋料理をおかずに、ご飯と汁にお新香で定食にして食べて帰ってって提案もある。食堂的な気軽なたのしみを表現しようとしているのだろうけど、このセットという考え方がいかにも不合理。だって120円+120円+100円=200円という価格体系。
なんで値引きをしちゃうんだろう。
原価も手間も同じで、タダの安売り。日本的な飲食店のぬるさの象徴…、これが当たり前と思ってやってるうちは生産性はあがらない。

うどんはさすがにおいしいです。肉ごぼう天をたのんだのだけど、やわらかでヌメヌメ、唇から口の隅々、喉をやさしく撫で回しつつトゥルンとお腹の中に収まる。あったか、そしてなめらかで一口ゴトに気持ちまでもがやさしくゆったりあったまる。
出汁も上等。そもそも甘く、そこに甘辛煮込みの牛肉、玉ねぎが混じって一層甘みを増してく。因幡うどん独特の丸いかき揚げみたいなごぼう天が汁をすいこみ膨らんで、汁と混じって一体化。それがやわいうどんと一緒に口の中へとやってくる。ハフハフスルスル、食べはじめると止まらずあっという間に丼空っぽ。このうどんを守るために、さらなる工夫をしてほしいなぁ…、って思って帰る。また来よう。

 

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コメント

  1. comfort

    榊様、「ニュー因幡」を試されたのですね。

    私も店の前まで行ったのですが、外観でアウト、入口から内部を覗いて止めました。
    改装前は白木風?で素敵だったのに、壁の色やすりガラスが好きになれません。
    他の「因幡うどん」は触らないで欲しいです。(それとも全店舗リニューアル予定?)

    「うどんは無事」との事ですが「食事処」としては品揃えが偏っているかも。
    改装前のスッキリしたメニューも改装後はゴチャゴチャしていて見難いし、、、

    「因幡うどん」、心配です。

    • サカキシンイチロウ

      comfortさん
      一風堂の運営会社が救済、再生というプロセスの中での業態変更。実は因幡うどんの創業当初の名前がニュー因幡だからというコトらしいです。
      が…。
      やっぱりいろいろ不自然ですよね。渡辺通のあの風情ある因幡うどんは、もしかしたら建物の老朽化でなくなる可能性もある…、なんて話を聞くと、こういう「再生」でなく「保存」を例えば公の機関でできるような枠組みが必要なのかしら…、なんて思います。
      日本料理が世界文化遺産になったように、こういうローカルブランドを「地域食文化遺産に」…。がんばろうかしらって思ったりします。

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