四谷三金、しんころロースに牡蠣フライ

四谷の三金。とんかつの専門店。
昔は何軒かお店があった。四ツ谷駅の前に本店。今ではそこはサンマルク。新宿にもお店があって、そこは大人向けのビデオショップになってて観る影もなし。どちらも好きなお店でした。けれどいろんな事情があったのでしょう…、お店は閉まり、そのまますべては思い出になっちゃうと思ってた。
ところがそれを残念と思う人がたくさんいたのでしょうネ…、さまざまな支援の果に場所を移して再開業。かつての立派で大きなお店のことを思うと、ずいぶんこじんまりしちゃったけれどいかにもとんかつ専門店というムードは決して悪くない。
カウンターの上にはドレッシングにとんかつソース、ウスターソース。豚汁用の一味に芥子、塩に醤油と調味料がズラリ並んで、お腹をすかす。お店の中には軽いラードの匂いが漂い厨房からはカラコロ、カツが揚がる音。

しんころロースカツというここの名物。
昔からのオキニイリ料理をメインにたのんだ。
分厚いロースから脂をキレイに取り除き、細かなパン粉をぎっしりつける。
コクと旨味がドッシリとして歯ごたえたくましいロースカツ。
繊細な旨味とスッキリとした後味がおいしいヒレカツ。
その両方の良さを兼ね備え、とりのぞいた脂で失せた甘みを揚げ油に溶かしたラードでおぎなう工夫。肉を食べてるって実感のあるオゴチソウ。
はじめてこれに出会ったときにはビックリしました。おそらく20代の後半くらいだったんじゃないかしら…、とんかつの店でヒレにしようかロースにしようかという悩みから開放される、大人の店ってなんてステキで贅沢なんだろうって思ったときを思い出す。

カキフライの季節です。
うれしいコトにカキフライ3貫のミニカキフライっていうアラカルトがあって、それを追加でトッピング。
小ぶりの牡蠣に細かなパン粉がみっちりついてカラッと揚がる。
牡蠣の奥にはタルタルソース。千切りキャベツが山盛りで、上に紫キャベツの千切りが彩り添える。
キャベツはあまりさらさない。超千切りでもなくザクザクとした歯ごたえが残ったままでキャベツ自体の甘みや香りが感じられるのがここらしい。

お椀の蓋にソースに芥子。とんかつソース3に対してウスターソース1で風味をスッキリさせる。
大根の葉っぱも一緒につけた漬物。汁は豚汁でひと揃え。汁はこの豚汁かしじみ汁を選べるのだけど、どちらも注文ごとに手鍋に出汁をとって味噌をとき一杯一杯仕上げてくれるところがやさしい。目立たぬ場所のビルの二階ということもあり、忙しくない。だからできるこういう仕事がありがたい。

さて、しんころロース。噛んだときのざっくりとした歯ごたえはやはり健在。雑に扱うと衣が剥げてしまうほど薄付き、しかもカサカサしてて揚げ物を食べているって感じは希薄。口の中にあるのはジューシーさを残して加熱させられた豚肉なんだ…、とウットリします。
下味の塩と胡椒がしっかりしていて、そのまま食べても味は整う。ねった芥子をのせて食べると、豚の旨味とパン粉衣の甘みが広がる。ご飯は若干やわらかめ。口の中がしっとりとなる。
牡蠣は小さい。けれど味や風味は強くて、あぁ、冬が間もなくやってくるんだとしみじみ思う、滋養に満ちたオゴチソウ。満たされました、さぁ、歩く。

 

関連ランキング:とんかつ | 四ツ谷駅四谷三丁目駅麹町駅

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。