噛んで味わうシャリがおいしい「きむら丼」

今、東京の商業施設はテナント入れ替えが大々的に行われている。
コロナがひとつのきっかけになり、今までなんとなくやっていた店は次々撤退。これからの時代にあわせた業態に置き換わっていく。
外食産業とはたおやかにしてしぶとい産業。今日やってきた「きむら丼」ってお店もそんな店。
新宿高島屋の食堂街にあった料亭系の日本料理店が撤退して、その跡に一昨日開業したばかり。
二子玉川に「すし喜邑」という寿司屋があって、その大将がプロデュースした丼の専門店。
今も含めてこれからの時代にはいろんな料理がある店よりも、メイン商品がきちんと決まった専門店が強いと言われる。目的をもって来てくれる。注文も迷わずすぐに決まるというのがお店の新しい楽しみ方にあっているからなんでしょう。

イワシや中トロ、赤身にカツオ、ローストビーフと5種類の丼が用意されていて、そこからひとつ、あるいは小さなサイズの丼を2種類選んで定食にする。一種類だと3500円、2種類たのめばb3600円というなかなかに挑戦的な価格。
すし喜邑のご主人はシャリの食感、味わいにこだわる人。
シャリをこころおきなく味わうために握りではなく丼の専門店にしたというのがオモシロイとこ。
提供時間が少々かかる。握りは勢いと技術が作る。けれどちらし寿司とか丼はセンスが作る料理で思った以上に手間がかかる。15分ほども待ちましたか…、やってきた丼の姿うつくしいことにウットリします。

選んだ小丼は「かつお手こね丼」と「中とろ燻し丼」。
サイドに出汁がおいしくなめらかることこの上のない茶碗蒸し。
麹で漬けたきゅうりと茄子の浅漬にじゃがいもとビーツの揚出し、そして赤だし。
ビーツのコリッと歯ごたえのある食感がなんとも上等。
料理の基本がしっかりしていて、メインの丼に期待が膨らむ。
煙の香りをまとわせた燻し中とろは脂よりもマグロそのもののひんやりとして酸味を感じる味がおいしい。カツオは力強くて荒々しい風味がおいしくどちらも上等。
なによりシャリが独特です。まず硬い。奥歯をコツコツ叩くような炊き加減で、もしアルデンテのシャリがあるとするならおそらくこういう状態になるんでしょう。自然で噛んで味わうことになるんだけど、最初は鮮やかなほどに酸っぱくて、それがどんどん米の甘みに置き換わっていく。

このシャリだけでもおいしくお腹いっぱいになれるんだろうなぁ…、って思う。
なのにそこにねっちりとしたマグロであったり、むっちりとしたカツオがまじる。特にかつおの手こね丼は味を入れて細かく切ったカツオがシャリに混ぜ込まれていて、シャリとカツオが一緒に潰れて混ざり合うのがたのしくおいしい。刻んだ小ねぎや大葉に芽ネギ。青い香りとみずみずしさが良きアクセント。しかも食べすすめると茶碗に芥子が塗られてて、それがビリリと味を引き締め一層おいしい。
食後のじゃがいもアイスっていうのが、思った以上にじゃがいもでなのにおいしくオモシロイ。いい店だって思うんだけど、小丼ふたつではお腹がいささかさみしくて3個セットがあるといいのに…、って思ったりもする。食いしん坊。

 

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