唐揚げの天才は金儲けの天才になれるのか…。

ワタミがはじめた唐揚げ屋さんに興味があるんですよね…、と地方のお客様から連絡がある。
機動力のある人たちで、いつもだったらすぐに見にくるところだけれどさすがに今はむつかしい。それで代わりに見てくれませんかと言われて来てみる。
埼京線で新宿から三駅北側。
十条という小さな駅の駅前商店街の中に「唐揚げの天才」という名前で店はありました。
居酒屋業態は、外飲みという習慣が今世紀に入って急速になくなりはじめて業績悪化が続いてた。そこにコロナが追い討ちかけてチェーンストアはどこも壊滅的な状態にある。それでここ数年、勢いのある唐揚げ専門店に活路を見出そう…、ということなんでしょう。少ない投資で仕組み化し易く数を作れる。さっそく加盟店開発をはじめていたりするのがなんとも用意周到。さすがです(笑)。

ただ唐揚げ専門店は競合激しい市場でもありどこも差別化に必死になってる。それででしょうネ…、卵焼きももう一つのキラーコンテンツにしようとしてる。テリー伊藤を担ぎ出してらっしゃった。
テリー伊藤といえば実家が築地で玉子焼きの店をやってる。その玉子焼きと唐揚げを一緒にたのしむことができるというコンセプト。
メニューは看板、チラシにテリー伊藤の写真やイラストが描かれているだけでなく店頭に人形までもが置かれてました。バブルの頃の北野印度会社における北野たけし人形と同じ末路を今から感じる。それにしてもテリー伊藤をイラスト化するとタイムボカンのボヤッキーになるというのに笑っちゃう。

厨房はかなり大きい。
客席の数にくらべて充実した設備が用意されていて、テイクアウトの売上をかなり狙っているんだろうなぁと推察されます。
スタッフは女性だけ。
若いです。
お弁当、イートイン共に売りの「からたま」を選んで食べる。
唐揚げ3個。
醤油味に塩麹味、辛味噌味と3種類でどれも大きい。最近、こういう大きな唐揚げを特徴にする店が多いけど歳をとると前歯がゆるくなっちゃって噛み切る料理は面倒くさくなる。若い人向けの店なんだろうと、それはそれで良しとする。
二度揚げで衣のバリバリ感を売り物にしているようで、けれどそのため肉が締まって硬くてバサバサ、ジューシーでもない。もったいない。

もうひとつの売り物の玉子焼きはだからてっきり店で焼き上げているのかと思ったら、できあいのものを仕入れて切り分け使ってる。砂糖が保湿剤と防腐剤の代わりをなしている、江戸前の厚焼き玉子。テリー伊藤のお兄さんがやってる店で売ってるようなものであります。
ちなみにウェブサイトには「テリー伊藤が出汁にも卵にもこだわり抜き1本ずつ丁寧に焼き上げたこの店だけで味わえる名物」と説明されているけれど、テリー伊藤が一本一本焼き上げたわけじゃないよねと、「こだわり抜き」と「1本づつ」の間に句点を打って欲しいと思ったりする(笑)。テリー伊藤の名前がなければまるで価値ないさみしい一品。
それにしてもテリー伊藤と渡邉美樹ってどこか似ている。自分が好きで目立ちたがりでマスコミを使うことが大好きだけどたまにやらかす愛すべき人。どう転ぶでしょう…、オモシロイ。

 

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コメント

  1. GW

    いつも楽しく読ませていただいています。
    今回の記事に目を疑いました。近所の商店街じゃないですか!

    十条銀座って惣菜激戦区で、特に焼き鳥屋や唐揚げ屋はできてはつぶれできてはつぶれしてるんです。
    新規出店ではなかなかいい線いってるなあ、と思ってたんですが、周りの価格帯と比べると1個99円でも少し高いんですよね(からあげ100g121円とかがあるので)。
    イートイン(持ち帰りもですが)はごはんがあまりおいしくないので、ごはんがおいしければもっと使うのにな、といった感じです。
    すぐ近くの東十条にも支店ができていたので(早いなぁ)とは思ってましたが、なるほど、ワタミだったんですね。

    あ~というか、私も昨日十条銀座に行っていたので…サカキさんいらしてたんですね~。うれしいなぁ。
    これからも記事の更新楽しみにしてます!

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      GWさん
      おっしゃるようにご飯のおいしくないことは絶望的。味噌汁もボタン一つで出来上がるものですし、これでは唐揚げがどんなにおいしくてもお腹いっぱいにすることが貧しく感じられてしまいますよね。
      この商店街。はじめて伺ったのですが地元のお店が一生懸命なことに、ここの近所に住んだら日常が充実するに違いないって思いました。この店の向かい側にあるオリジン弁当がやっている中華料理の食堂とか日常使いにいいかなぁ…、って思ったりもしました。

  2. EIKO ISHIKAWA

    か、唐揚げと玉子焼きしか出すものないのに出来合いとは…この厨房が泣く…
    っていうか、火は無くてフライヤーだけなんでしょうか。

    もう、「飲食店」って思わなければ納得できるのかも、という業態が増えてますよね。
    悲しいけれど、先日バーミヤンにって「もう大手の飲食店に飲食‘サービス’って概念は無理なんだ」と思ったりしました。それにしてもひどかったけど。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      EIKO ISHIKAWAさん
      すかいらーくグループは外食産業が荒れ果てる中にあって、それでも必死にサービス業としての飲食店にとどまろうと努力を感じましたが去年の後半あたりから、ひどい状態になっちゃったように感じます。
      バーミヤンも火鍋食べ放題とかにうつつを抜かさず本来の食堂としての魅力を発揮してもらいたいなぁって思います。

  3. kiko

    地元です。びっくりしました!
    同級生の多くが、~屋の息子、~店の娘でした。若いころは庶民臭い商店街が好きではなかったのに、出産して里帰りする頃には雑多で楽しい発見がある商店街が大好きになりました。
    ただ、最近はほとんどがチェーン店に入れ替わってしまい、帰省するたび切なくなります。
    十条のおすすめは、味の大番という定食屋の「からし焼き」、おじちゃんおばちゃんが元気なうちにいかなくっちゃと思ってます。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      kikoさん
      ボクも、◯◯屋の娘息子が通う小学校に通っていた商店街の子でした。
      数年前に生まれ育った商店街に行ってどこも大手のカラオケボックスやチェーンの居酒屋、ファストフードばかりが目立つ景色をみて、あぁ、こんなになっちゃったんだってがっかりしました。
      地元でらっしゃるんですね。
      確かに大手が目立ちはしましたが、それでも地元のお店ががんばってるなぁ…、という印象を受けました。「味の大番」…、気になります。

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