名曲喫茶に安芸路の閉店、夜のスプラウト冷やし中華
池袋から新宿三丁目に移動する。
仕事で軽く打ち合わせ。場所をどうしようかと迷って、そうだ。
ひさしぶりに「らんぶる」にしようと待ち合わせ。
200席を超える大箱喫茶店です。だから座れないことはまずなくて待ち合わせには安心できる。
昔ながらの名曲喫茶。コロナのせいでちょっと休業してらっしゃった。その間に改装をしていたようで、どんなふうになったんだろうとワクワクしながらやってきてみた。
まず看板がキレイになってた。黄色い看板は色あせやすくそれがキレイに鮮やかに。
店に入ると1階部分は今は使わず、地下1階と2階で営業。どちらも大きな空間で、しかも天井が高くて「密」な感じはまるでない。
長らく喫煙天国だった。そのせいで壁がくすんでいたけれど、キレイに塗られてしかも禁煙。空気がキレイでホッとする。
天井からぶら下がるゴージャスなシャンデリアもキレイに磨かれキラキラしてる。ビロード生地の張り地きれいな椅子も鮮やか。なんだか違ったお店のように感じるほどに真新しい。
レモンスカッシュを選んでたのむ。
プチプチ強めの炭酸が氷の間からはぜて沸き立つ爽やかさ。グラスの底にはチェリーが一個。大きな氷も泡をまとって涼しそう。
酸っぱく、甘く、喉越しさわやかな夏の飲み物。今日は雷雨になるんだと家のアレクサくんは言っていたけど暑くて蒸して、だからうれしい涼やかさ。BGMはラフマニノフのピアノコンチェルト。まもなく待ち人きたるはず。
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家に帰る前に伊勢丹によっておこうと丸ノ内線を乗り過ごし、新宿三丁目をぶらぶらしてみる。伊勢丹会館にふらっと入ったら、なんだか暗い。見慣れたショーケースの中も空っぽ。
広島料理の「安芸路」が閉店してました。
決して不人気な店ではなかった。伊勢丹を好む裕福なシニアに人気のお店でいつも流行っていたのに閉店。老舗でしかも経営基盤もしっかりした会社の経営していた店…、なのに閉店。コロナの今をしのいでもその先のことを考えると不安ばかりが膨らんで、今が潮目と感じて手仕舞いにしたのでしょう。こういうお店が無くなってしまう新宿って本当にかっこ悪い。こういうお店が逃げ出したのだとしたら伊勢丹という場所はいよいよ重力を失いはじめたと思わざるをえなくなっちゃう。
もうあの「こいわし重」を食べることもできないんだなぁ…、しみじみさみしい。もったいない。
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夜は冷やし中華を作って食べた。
仙台にある冷やし中華の発祥をなのるお店の袋麺。
タレにラー油をくわえて香りをたのしむというのが特徴のよう。
麺を硬めに茹でてゴシゴシ、冷たい水で洗ってしめる。
具材は細切りにしたロースハム。
錦糸卵に千切りキュウリ。それからスーパースプラウト。
麺よりたっぷりでまるでサラダのようにみえる姿が涼しげで、よくかき混ぜてライムを搾る。
ツルツルの麺にからむ甘酸っぱくってラー油の香りと辛味がおいしい確かに冷やし中華の味で、けれどスーパースプラウトがモサモサ麺にからんで野菜を食べてる感じがするのがたのしい。健康的にお腹が満ちる。いい感じ。
なんと、安芸路が閉店とは!とても残念で寂しいです。
新宿で美味しくてちゃんとした食事をしたいと思ったときに、真っ先に思い浮かんだお店。上等で、でも気軽でもあり、お腹に余裕がある時は定食のご飯を釜飯に替えて、軽く済ませたい時には鯛素麺をいただいたりと、色んなチョイスがあって、そして何を食べてもしっかり美味しい。お茶も頻繁におかわりを気にかけていただいたりと、サービスも申し分ありませんでした。
こういった、ちゃんと「食事」をすることができるお店がなくなっていくのはなぜなんでしょうか。しかも繁盛しているように見えたのに。。。銀座の吉宗のことも思い出しました(再開を引き続き探っていらっしゃるようですが)。どちらも本拠地ではしっかりと続けていらっしゃる。東京が見限られているような気にもなります。
お客様はシニアの方々が多くて、私はどちらかというとこちらでは若輩者。新宿をホームとする者として、これからも末永くお世話になろうと思っておりました。書いていたらどんどん寂しさが増してきてしまいました。
いにしえさん
いつも元気で働いてらっしゃったスタッフの方々はどうされるんだろうって思いもします。
新宿という街にどっしりと腰を据えてがんばっていたお店がこうしてなくなっていく。街全体が根っこをなくしてふわふわと漂流していかなきゃいいがと心配したりいたします。
サカキ様
ホールをビシッと仕切っていらっしゃったお姉さまをはじめ、的確なサービスの皆さん、厨房の皆さん。本当に皆さんどうしていらっしゃるのでしょう。
そういえば、安芸路は客席に居てもなんとなく厨房を感じるお店でした。きっと、ホールと厨房の連携が密接だったのでしょう。
スタッフの皆さんがいる空間にお邪魔するのが外食。お店の閉店は、それらがまるごと失くなってしまうので、何かが食べられなくなるというものだけではなくて、体験や想い出、詰まるところ、人生の時間に虫食いができてしまったような気持ちになります。寂しいですね。ここ数年こんなことが続いています。
いにしえさん
料理だけでは飲食店にならず、働く人があってこその名店。しかもその働く人が働きがいあるようにふるまうことができるお客様の三位一体が飲食店を作り上げるものなのだろうと思います。
日本の今。何かが欠けているように思います。
榊さんのブログを読んで、行きたいお店のかなりトップにあったお店、安芸路が、閉店!かなりショックです。
こいわし重食べられないんだ。。。
Leocco…さん
さみしいですよね。これからの季節の鯛そうめんの涼やかさも格別でした。残念です。
「安芸路」閉店ですか…
昨年、念願の「こいわし重」を初めて頂いて、今夏も楽しみにしていたのですが。
お世話になってる方を夜の食事にお誘いした時も大好評だったので、とても残念です。
タカハシケムヂさん
自然なサービス、上等な料理。そしてなにより使い勝手のいいお店。無くなってしまうのがもったいなくてしょうがないですね。
サカキ様
小ネギと針生姜たっぷりの小イワシ丼
(自分だったら手間がかかりすぎて
1000円で出すなんてできません)、
牡蠣フライ、フグのお刺身と唐揚げ、
釜飯…
サカキさまのブログ、いつもすっごく美味しそうで、
丁寧なサービスとともに、いつか楽しんでみたいと
思っておりました。
自粛明けで閉店・撤退してしまうのが
もったいないです。スキルや人材、素敵な雰囲気のお店も
一朝一夕に作ることはできない、
でも早めに撤退した方が痛手が少ないというのも、現状はわかるだけに
切なく、何も出来なかった我が身が
もどかしいです。
しろはなげさん
こういう名店が撤退を決意してしまう。そうならないように何ができるんだろう…、と思えば思うほど無力感に苛まれます。
馴染みのお店。
大切にしたいお店をせいぜい一生懸命応援しようと思いますネ。
閉店のお話ついでに。
キッチン南海、26日で閉店なんですね…のれん分けの店を出すという不思議なニュース記事を見かけましたが、どうなるんですかね??
めるばさん
建物の老朽化で閉店というお話ですね…、キッチン南海。働いていた方々が独立するという形で、味とのれんは残るようです。飲食店の世代交代のちょうどラッシュという今のこと。こういう事例がまだまだ続くと思われます。