台風前のヒルトンのバフェ

西新宿のヒルトンホテルのバフェではじめる金曜日。街にはすでに台風を予感させる湿っぽい風が吹いていて、ホテルの様子はどうかなぁ…、と思ってきたらいつもと違ったにぎわいでした。体の大きな白人男性の一団がスゴい勢いで料理をとって食べている。
なじみのホテルスタッフ曰く。
イングランドのサポーターが何百組と泊まってて、試合がキャンセルされたってことで意気消沈。元気づけてあげられるよう、スタッフみんなで考え中。明日はホテルから出なくても一日退屈しないでたのしんでいただけるようにと、今から準備で忙しいんです…、って。

遠く離れた異国にあって頼りにできるものは少なく、そういうときに果たすホテルの役割って大きいものなんだろうなぁ…、って思う。
そう思ってバフェの状態を見るといつも以上に力が入っているように思えたりする。さぁ、朝ご飯。まず卵白だけで仕上げるホワイトオムレツを作ってもらう。
「全部入れでいいですね」っていつものシェフに確認されてお願いしますってニッコリ答える。
時間がかかる。白身の水分をしっかり蒸発させて作るから5分近くもかかりましょうか…、その間にアルファルファやベーコン、焼売、ハッシュブラウンをお皿に盛ってスタンバイ。そこにできたばかりのホワイトオムレツをのせてもらって「好きなものだけプレート」完成。
ピーマンやパプリカと言った緑の香りを発する野菜の風味おいしく、ふっかりとしたやさしい食感がホワイトオムレツの持ち味で、朝にぴったり。ここのホワイトオムレツは世界一かなぁ…、オキニイリ。

揚がったように仕上がってサクサク壊れる薄切りベーコン。
ザクザク壊れるハッシュブラウンにクシュっと口をみずみずしくするアルファルファ。
味わい、食感にぎやかで一口ごとに目が覚めていくオゴチソウ。

サンドイッチを作ります。
薄切りにした全粒胚芽パン。
エメンタールチーズにジャンボンブラン。
乾いて焼けるベルトコンベア式のトースターと、おいしいサンドイッチを作るにぴったりの食材、装置が整っている。
しかも今日のコンベアの速度がいつもよりもちょっと遅めで、その分パンがこんがり焼けた。
表面撫でるとくすぐったくなるような仕上がり。素材を重ねてパンをパカンと折り畳み、手のひら添えてしばらく押さえナイフで3つに切り分ける。
パンの香りと軽い歯触り。ハムがむっちり歯切れてチーズの渋みとコクが混じって味が整っていく。良い素材を程よい分量組み合わせれば、サンドイッチはおいしくできる…、ということでしょう。堪能す。

小さなボウルにご飯を貼り付け、味噌汁を張る。ネギと中国粥用の揚げパンを浮かべサラサラ、朝のスープ代わりにしてあったまる。
甘いもので朝のお腹に蓋をする。
小さなパンケーキにホイップクリームをたっぷりのせてラズベリーソースをタラリとかける。ここのラズベリーソースは容赦ないほど酸っぱくて、ふっくらとしたホイップクリームの甘味と酸味の間で気持ちが行ったり来たり。グレープフルーツの苦味に甘いパイナップルにプレインヨーグルトでお腹にたのしく蓋をする。ポットでもらったコーヒーをのんびり飲んで、今日1日の作戦立てる。金曜日。

 

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コメント

  1. いにしえ

    サカキさま
    台風の一夜無事に過ごされましたでしょうか。落ち着かない一日でした。
    海外で、ましてや言葉も分からない国で災害やトラブルに遭ったら頼れるのはホテルの人ですよね。働いている方もご自分の生活があるのにお客様に楽しんでいただくことを考えるなんて頭が下がります。
    試合の中止は残念でしたでしょうが、ホテルの計らいに忘れ得ぬ日本滞在になっていればいいですね。

  2. サカキシンイチロウ

    いにしえさん
    今回のように大きな台風ですと、目の前に危険がなくともどこかで何かが起こって当然。ボクの街はありがたいことに問題はなく、今朝から徐々に通常モードになりつつあります。
    かつてその街を代表するホテルの中だけは、戦時下にあっても平和を感じることができる別世界であるべきであり、あるように努力していた…、と言われています。
    非常事態にあってこそ発揮される本物のホテルの力量。すばらしいことだと思いますネ。

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