双葉のうな丼

双葉のうな丼

滋養に満ちた何か美味しいモノをと、それで「双葉」で鰻。

hutaba新宿西口中央改札から、南口に向かってつながる地下街。
JRを挟んで2つの私鉄がそれぞれ趣向を凝らした地下街づくりをしていてたのしい。

中央改札に近いところは小田急の街。
南口に近いところは京王モールと、ぼんやり歩いているとずっとひとつにつながってるようにみえつつまるで別物。
小田急サイドはSuicaが使えず、京王サイドは朝の営業時間が若干遅め。
コンビニやドラッグストアが混在している小田急サイドに比べて、京王サイドはほぼ飲食店というテナント構成。
個性があってオモシロイ。
若干大きめの専門店が多いのも京王サイドの特徴で、中でもこの店。
地下街の店と思えぬ民芸調のしっとりした風情が落ち着く、大人なしつらえ。厨房の中に凛々しい職人姿がみえるところも、またステキ。
お店に入ると鰻のおいしい匂いがするのもウキウキします。

huta kyurihuta natuちなみにこの店。夏には中居さんの衣装が変わる。
明るい萌黄の夏のよそおい。しっとり落ち着いた枯葉色した秋の装い。
こういうところにも季節感があるというのが、日本のステキ。おばさまならではのしっとりとしたもてなしも良い。

うまきと丼を選んでたのむ。
たのむとまずはやってくるのがキュウリの酢の物。釜揚げしらすと一緒にあえてて、甘み控え目のシャキッとすっぱい酢の物で、緑の香りが食欲さそう。食べると酸味でますますお腹がすいてくる。
それと一緒にキャベツの浅漬、タクワンがついてくる。
もしこの漬物が奈良漬だとか守口漬だったとしたら、ほぼ完璧なんだけれどなぁ…、といつも思ってうらめしくなる。でも完璧な夢がかなうのも面白くなく、これはこれでいいのだろうと思ったりする。

huta umakiほどなく卯巻きがやってくる。
ドッシリとした大きな陶器のお鉢の中に目に眩しいほどの黄金色の玉子焼き。
表面トロトロ。
艶っぽく、なのに芯の部分はカチッとキレイに固まっている。
横に倒して断面見ると、玉子の層ができているほど。

黄色い年輪の芯には鰻。
蒲焼き用のタレが別に添えられて、それをかけつつ食べると口に玉子の旨みと鰻のコクが手に手をとって襲ってくるよう。
コツンコツンと歯切れる玉子の層が終わると、ネットリ鰻の食感がくる。その食感の波状攻撃のごときたのしさがまたオゴチソウ。
それにしても分量バランスで考えるなら、これは玉子の料理のはずが、鰻の蒲焼きの存在感は強烈で、やっぱり鰻の料理なのです。
タレもどっしり、味わい深い。
あぁ、このタレで焼かれた鰻が間もなくここにやってくるんだ…、と。

ウキウキしながら卯巻きの一切れをほぼ食べおえるタイミングにて、うな丼、到着。

huta donhuta unadonやってくるのが漆の器の大きな丼。
ここは「お重」じゃなくてすべて「丼」。手に取り上げて味わうのには、お重よりも丼の方が食べやすい。
しかもそれが見事な漆器。
しかも蓋付き。
蓋にふれると、まず手のひらに伝わってくるそのなめらかと温かさ。
陶器にない手触りが、日本の誇りと背筋が伸びる。

中には鰻がどっしり三切れ。
ちょっと奮発いたします。
漆の丼を手にすると、ズッシリ重くてピトッと手のひらに張り付く食感。口をつけて飯をかきこむときにも唇撫でる感触なめらか。ウットリします。

しかも鰻がボク好み。
お江戸の鰻にしては表面パリッとこんがり焼けてて、深蒸しではないしっかりとした歯ごたえがある。
関東風と上方風のちょうど真ん中くらいの仕上がり。とは言えそれが決して名古屋風ではないのが鰻の世界のたのしいところ(笑)。

固めに炊けたご飯もパラリと、鰻の食感、味わいをひきたて旨い。

huta tamasuiそうだ!とお椀をひとつもらって、ご飯と鰻を半分移す。
空いたスペースに卯巻きをのっけて、卯巻き用にと用意されてたタレをタップリかけまわし、つゆだくうな玉丼を作った。
ご飯と玉子、そして鰻の蒲焼きのこの相性の憎らしいほどいいコトに、ウットリします。

汁は別売り…、というのがココのオモシロイとこ。
赤だし、肝吸い、味噌汁といろんな種類の汁が用意されていて、好みで選んでというコトだから。当然、汁をたのまず気軽な値段でたのしむという選択肢もあるのがいい感じ。

肝吸いもらって、元気をもらう。
塩の旨みと出汁の風味がキッパリとした汁がおいしく、肝をかじると渋みで体がビリッとなります。
器に映したウナ玉丼に、肝吸いの汁をかけてサラサラひつまぶし的なるたのしみ味わう。ちょっとお行儀わるいけど、おいしくってしょうがない。
すべてがほどよく、お腹を満たすに十分のボリューム感もありがたい。やっぱりココはオキニイリ。

 

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コメント

  1. 茶碗交番

    「奈良漬だとか守口漬だったら…」に「御意」
    車力門通りの「う」も「香の物」が……
    お通しの「かくや」は良いんですけどねー

  2. おすぎ

    鰻!この夏に初めて関東風でない鰻を
    高松でいただきました。(上方風?四国風かしら?)
    お店の最後のお客になれたので
    美味しさもひとしおでした!

    鰻一つとっても、地方によって違う美味しさ。
    日本文化の豊かさをしみじみ感じます。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      おすぎさん。
      関東風のふっくらとしてやわらかな鰻もおいしいのですけれど、関西風の力強い鰻も格別。
      どれがいい、どれが悪いではない料理の世界ってステキですよね。

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