動きが取れぬチェーン店

岩手から再び宮城に向かう途中で遅めの昼食。
「南部家敷」という店にくる。
東北一帯に40軒ほどの店があるチェーンストアです。もともと南部曲り家を改築した田舎屋で蕎麦を売っていた店で、本格的にチェーン展開をするようになったのが40年ほど前のコト。
そのきっかけになったお店がこの店で、実はボクの父がまだ駆け出しのコンサルタントだった頃の、東北におけるデビュー作のひとつでもある。当時、父に連れてこられて仕事ぶりをみたりもした。その当時と変わらぬ姿に、いいものは長持ちするんだと思う気半分。でももうところどころが古ぼけていて、例えば看板の縁が錆びてしまっているのをみるとなんとも切なくなっちゃう。

蕎麦に天ぷら、巻物に丼とさまざまな料理を組み合わせ、一度に提供する。
一人前を一度だけじゃなく、ひとテーブル分を一度に提供できる仕組みはそれまでの日本料理の飲食店はあまりなかった。
それを導入したのがこの店。
ファミリーでやってきて、みんなの料理がバラバラにきてしまったときの気まずさを解消するこどで人気を博した。
今日も10人位上で一度にやってきて、あれこれ勝手にたのんだ料理がほぼ同時にキチンと揃った。感心します。
試食をかねてボクもあれこれ。天ぷら紫蘇おろしそばという冷たいぶっかけスタイルの蕎麦。ミニカツ丼に鉄火巻。ミニの丼が8種類ほど揃ってて、どれも麺類のお供という位置づけだからでしょう…、汁はつかない。代わりに漬物。種類豊富でタップリついてくるのがさすが、東北らしい。

ただ料理自体はどうなんだろう…、昔の感動をすっかりなくした。他にも同じようなスタイルの店が沢山できたということもある。けれどそれ以上に、味がどこか「普通」になった。どういう普通科というと「今の普通」に近づいている。
甘いのです。たとえば蕎麦にかけるタレがみりん甘くて、出汁そのものの旨味はひ弱。かえしが甘くなってるのでしょう…、だから丼のタレも甘くて例えば「かつや」のようなファストフードのような味。甘みを旨味に変えるやり方は今のブームでもあるから「普通」。
かつては蕎麦屋としての特別が随所にあったのにもったいないなぁ…、チェーン店になるというのが「普通になる」こと。特徴をなくしてしまうことだとしたら本当にさみしい。もったいない。

 

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東京に帰って家に帰る前に人に会う。ガストにしました。ドリンクバーがあるからガスト。ついでにいくつか料理を食べてみましょうか…、とコーンポタージュをまずたのむ。甘くて薄い。スープじゃなくてコーン味のホットミルクを飲んでみたいな味。しかも器ごと電子レンジで温めのたのでしょう。お皿が熱くてびっくりします。
ほうれん草のソテも凍っていたのでしょう。繊維はズタズタ。ハンバーグとエビフライのコンビネーションはコンビの弁当の方がおいしいかなぁ…、中落ち丼に至ってはどうやったらこれほど貧しい料理を作ることができるんだろうって感心させられるほどの粗末さ。
お店を一杯作れば強くなれるんだ…、と思って作ったチェーン店。沢山あるということが手かせ足かせになってどうにも動きがとれない。中途半端に強いから壊れないでずっと醜態さらさなくちゃいけないコトがあまりに辛くてなやましい。

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