利久の極みで朝を極める

利久で朝。東京駅のグランスタの店。ランチ以降はずっと満席。順番待ちの番号が機械で発行されるようになり、行列こそ目立たなくなったけれどフラッとやってきてフラッと食べるにはハードル高い。
朝は必ず入れます。
世の中にはいろんな贅沢があるけれど、普通ならば並ばないといけないところに、並ばずすんなり入れるということも贅沢。海外セレブがブランドショップに、開店前とか閉店後とかに入って貸切ショッピングする。そんな感じのここの朝。朝食用の手軽な値段の商品もある。麦とろ定食や朝カレーとか、牛たん焼きはつかない料理。けれど朝から通常メニューも注文できて、かなりの人が朝からタンを焼いてもらって食べている。

ボクも牛たん。普通の牛たん焼きの店に比べて、普通のタンでも十分分厚い利久において、ひときわ分厚いとこだけ集めて焼く「極み焼き」。3枚6切れを選んで注文。
分厚いタンの芯はレア。しっとり濡れて箸で軽く押すとジュワッと汁で潤う。切り目はめくれて、端はこんがり揚がったように仕上がって、泡かと思ってみると無数に開いた小さな穴。脂が焼けた証拠です。

菜っ葉の漬物がどっさりと、南蛮味噌もたっぷりつく。一味唐辛子をお皿の上にまたたっぷりと。脂がおいしい牛たんに疲れた口をスッキリさせる相棒揃い。ガンガン食べる。

スパッと歯切れて口が一瞬脂でひんやり。
噛み切った分が口の中でザクザク砕けて、肉汁吐き出しネットリとろける。
炭の香りをまとったタンがご飯をねだる。
オゴチソウ。
一味をパラパラ、たっぷりお皿の縁に盛る。
焼けた牛たんに貼り付けるようにして食べるも辛さをほとんど感じない。
牛たんがたっぷり含んだ脂のおかげ。
あるいは牛たんから染み出す強烈な甘味のせいで、唐辛子の辛さが旨味や甘みに変化してしまったから。
同じように南蛮味噌をのっけて食べて、牛たんの旨味がひときわ強烈になっていくような感じがするだけ。オモシロイなぁ…、料理と料理の組み合わせが驚くような効果を生み出す。
切って搾った塩漬け白菜。シャキシャキ歯切れて口の中をみずみずしくする。牛たんの旨味をこれも引き立てる。
追加でとろろ。出汁で割った出汁かけとろろで、麦のご飯の乾いた感じをおいしくさせる。

定食には麦飯とテールスープがついてくる。実はテールスープはコストがかかる。だからお店としてはあんまり売りたくないほどだ…、っていうほどで、テールの旨みとネギの風味がなんともおいしい。
特に朝の体にこういう熱々で、スッキリとした味わいなのに滋養を感じるスープはおいしい。
ためしに麦ご飯を一口食べてスープを飲むと、ご飯の表面がすべすべしてくる。スープの中にテールのコラーゲン分が混じって、それがご飯をコーティングするからで、即効性のあるエネルギーにお腹ニッコリ。満たされる。

 

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