初夏のゴチソウ、鱧カツ鍋の卵とじ
荒木町の車力門通りの入り口近くの「さわ野」でお昼。
はじめて入ってみたのが3年前の春がはじまる頃のこと。
ふたりともいたく気に入って、それからタナカくんが逝く1ヶ月近くの間に数回来てる。当時、浮世絵をモチーフにした絵のシリーズを描き始めていて、この店のご主人の凛々しい顔立ちに惚れ込み、「武者絵を描かせてください」って写真を撮らせてもらって途中まで描いていた。描き上がったら作品を手に、夜に伺い酒盛りしよう…、っていってた矢先に逝った。
心残りだったろうなぁ。今でもくるとタナカくんがいるような気がする。
カウンターの後ろの棚にはお酒の瓶がズラリと並ぶ。生きてたらボトルキープをしたかもしれないなんて思った。
お昼はにぎやか。ご主人、今日も大忙しです。今日の一番人気は鯖の塩焼き。おじさんのグループ客が「サバ、サバ」って注文するのがフランス語のご挨拶「Ça va」に聞こえてちょっと笑った。ワタクシ、今日も元気です。
「鱧カツ鍋卵とじ」を選んでたのむ。
6月、7月は鱧がおいしくなる季節。
冬には牡蠣の卵とじ鍋があった。
季節を感じる料理はゴチソウ。
卵硬めでお願いしました。
お膳の上に料理がぎっしり。
メインの平鍋、4種類の季節の料理がのせられた皿。炊き込みご飯にわかめの味噌汁。
炊き込みご飯の具はとうもろこしに枝豆に油揚げ。その油揚げが小さな正方形に几帳面に切り分けられてて、仕事の好きな料理を感じる。オゴチソウ。
出汁を吸い込んで膨らみながら固まった溶き卵。細かな穴がたくさんあいてて沸騰した出汁の名残がみてとれる。
細かなパン粉をまとわせ揚げたひと口大の鱧がゴロゴロ。絹ごし豆腐にハスに切った長ネギが卵でとじられおいしい香りが噴き出している。
汁を吸い込んでぽってり膨れているけれどパン粉衣は歯ざわりがよい。
包丁を丁寧に入れた鱧はふっくら。独特の香りを吐き出し噛むととろける。そこに出汁を吸い込んだ卵がふっくらからんで口が潤うおいしさ。
ご飯のおかずに容易されていたのがポテトサラダに野菜のおひたし、だし巻き卵、タコの炒め物。
ポテトサラダの上にカレーパウダーがあしらわれていてこれがおいしい…、いい工夫。おひたしの野菜はセロリというのもおもしろく、タコの炒め物はごま油の香りが力強くてご飯がすすむ。だし巻き卵にそえられていた釜揚げしらすをご飯にのっけてハフハフ食べてお腹も満ちる。また来よう。
食後にドトール。ヨーグルンを目当てに来ます。
メロン味のヨーグルンが売り出されていたけど、ヨーグルンはプレーンに限ると心に決めた。
それで今日もヨーグルンのソース抜き。
サイズはMで、ほどよく体をさます所存の昼休み。
ブレンダーでガラガラゴトゴトジャジャッと氷を砕いてできる。容器をポンポン叩いてグラスに移すとこんもり、氷の小山がグラスにできる。姿が涼しい。
ソースを入れないと素の味わいで、なに味といえばいいんだろう…、ヨーグルトっぽくもあるけれど乳の香りがするわけじゃない。ほのかに酸っぱくほのかに甘く、しいて言えば限界まで薄めたカルピスみたいな味かなぁ…。つまりこれがヨーグルン味。好きな味です、オキニイリ。
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鱧を食べたことがない、と今更ながらに気がつきました。どこかで見つけたらチャレンジしてみます。どんな味かな。楽しみです。
限界まで薄めたカルピスに吹き出してしまいました(笑)
カルピスはかき氷にかけるのが好きでした。
ちいさん
鰻でもなく穴子でもなく、白身魚の繊細な食感をもちつつも力強い旨み川魚っぽい香りがある鱧。
、と一生懸命説明を試みるもののなかなか核心を突けないのにもやもやしちゃいます(笑)。
湯引き、蒲焼、天ぷらと調理方法によって食感がまるで変わってしまうのも不思議なところ。機会があればぜひ、その不思議世界を堪能されてください。
製氷機で作った氷をビニール袋にいれて木槌で叩いて砕いたところにほんのちょっとだけカルピスを注いでガリガリ食べるのが好きでした。ひさしぶりにやってみようかなぁ…。