分厚い冬の鰻に辛味大根と冷たいせいろ

登亭と言えば最近ずっと銀座のお店に行っていたけどひさしぶりに新宿の店。
勇んで来たら開店ちょっと前に到着。腹ペコくんに見えたからでしょうか…、開店前にどうぞとお店に案内された。ありがたや。
ここではいつも同じ注文。うな丼に白焼き半分、それから肝焼き。勝手に鰻三昧丼と呼んでるオキニイリ。
今日もメニューもみないでそう注文したら、今の時期だからこその脂ののった太った鰻を使ったうな丼があるという。夏の土用の丑が鰻のおいしい時期と思いがちだけど、鰻も夏はバテて痩せ気味。寒い冬こそ脂を蓄えおいしくなるんだ…、という人もいる。
通常のうな丼よりも100円安い1700円。にもかかわらず肝吸い付きで塗りの蓋付き丼でやってくるという。迷わずそれを選んで注文。白焼き半尾に肝焼きも忘れずに…。

確かにうな丼の鰻の蒲焼きの分厚いコト。
自分の脂とタレが含んだ糖分で、テカテカツヤツヤおいしそうに光って食欲誘う。
別皿できた白焼きを横に並べると厚さの違いが歴然。
尤も蒲焼きはお腹の部分、白焼きは尻尾側だからもともと脂ののりは違うけど、それにしても蒲焼きの分厚さは柏手打ちたくなるほど見事。
箸を入れるとホロリと崩れる。
ふっくらしていてやわらかで口に含むとジュワッと脂が滲み出し、けれど陸の動物の脂と違ってすっきりとして後口さわやか。あぁ、滋養が染み出し体の痛みを修復してる…、って力強さを感じるおいしさ。
一方白焼きは脂を落としてさっぱりとした味わいで、ワサビをたっぷり乗せて食べると鰻本来の甘みやうま味がひきたちおいしい。

肝焼きはコリコリしたとこもあればむっちりとろけるところもあって食感にぎやか。こんがり焦がされ苦味、風味が心地よい。
特別に骨せんべいをサービスしますネ…、と小さなお皿に骨が三本。
こんなのあったら飲んじゃうよぉ…、って空の上から甘えた声が聞こえてきそう(笑)。鰻の途中にパリポリかじれば、ねっとりとした鰻の食感を引き立ておいしい。飲まなくたってたのしめるんだよ…、って宙に向かって声かける。
ちょっと硬めに炊けたご飯。甘みよりも醤油の風味が印象的なサラサラのタレ。さっぱりとした浅漬けに塩がキリリときいた肝吸い。いつものように満たされれて、いつものようになつかしむ。

 

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今日はお腹の調子がよくて鰻の〆に蕎麦を食べたくなっちゃった。
大庵に寄る。
緊急事態宣言が解除されたからか、入店時の検温はあったけれど連絡先を記入してお店の人に手渡す手間がなくなった。
街はにぎわいみんなコロナから目を背けてる…、って感じがするけどしょうがない。
辛味大根そばをたのんだ。
せいろにそばだれ。鬼おろしにした辛味大根がたっぷり大きな器に入ってやってきて、そのシャキシャキとドッシリとした辛みにお腹がグーッとなる。
ワサビのツーンっと突き刺すような辛みよりも、どっしりうねるようでいて切れ味のよい辛味大根の辛みはそばにピッタリかもな…、と思ってズルリ。蕎麦湯でお腹をあっためて今日のお昼の幕を引く。

 

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コメント

  1. to22by

    サービスの鰻の骨せんべい、西洋人だったら、このお店の雰囲気の中でこれを出されたら、戸惑ったり、怒ったりするかなあと思いました。

    • サカキシンイチロウ

      to22byさん
      こりゃなんじゃ…、ってことになるでしょうね。
      鰻の骨せんべいをみておいしいと感じる…、これこそ文化なのかもしれません。

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