冷風直下のおもてなし

ひさしぶりのねぎしのお昼。
新宿三丁目の商業ビルの中の店で、向かい側にはサントリー系列の外食会社が経営しているバイキングの店。そちらは開店前からスゴイ行列。ここも人気でぼやぼやしてると並ばなくちゃいけなくなっちゃう。
それでエレベーターの中でも足踏みするような気持ちで急いで到着。
カウンターが空いているのに二人がけのテーブルに案内される。ボクのあとから来た二人連れはカウンターに案内されて、なんでボクが特別扱い?って不思議に思う。お茶が運ばれメニューをみようと開いたら頭の上から風がブーンっと吹いてくる。天井をみるとなるほど‥、頭の上にエアコンの吹出口がドンとある。女性にとっては寒い席。だからおじさんを座らせたのに違いない。
たしかに今日みたいな日に冷たい風はオゴチソウ。ふくよか紳士にぴったりな席です、ありがたい。

来るたびメニューが増えます。牛タンの専門店として新宿の路地裏ではじめたときにはメニューは至ってシンプルだった。牛タン焼きがあって麦飯があってとろろがあって定食にすればテールスープがついてきて。それに和風シチューがあったくらい。夜にいけばその日、その日の仕入れで作った酒の肴がいくつかあって、でも〆は牛たん焼きに麦とろ、テールスープというのが定番。
今でもその組み合わせの定食が昼も夜もメインの商品。ただ牛タンの種類が増えた。先っぽの部分、芯の部分や根っこのところと食感、味わい異なる部位に名前をつけて別々に売る。それにしたがって値段の幅も随分広がり、それで広い層のお客様を取ろうということなのでしょう。

しろたんという舌の芯の部分の焼いたのの定食。
厚切りということになっているけれど、驚きのない厚さです。
昔、東京でも珍しかった仙台風の牛タン焼きの店も随分増えた。
なにしろ仙台から本物が次々やってくる業態です。
かつてタン焼きの店に比べて、焼肉店の牛タンはペラペラで薄いと言われていたその焼肉店の牛タンも厚くなった。
だから「これが厚切りかぁ」とちょっとガッカリしてしまう。ただ味はおいしい。炭で焼かれて焦げた香りもおいしくて、脂がひんやり唇濡らす感じもステキ。一味唐辛子をたっぷりつけて食べても辛さを感じぬほどに脂がうまくてニッコリします。

牛タンだけでなく網の上で炙って食べることができるものを積極的に導入しているのがここの特徴。きっかけはBSEのときのコト。牛タンの供給が逼迫して、それで牛カルビと豚肉の味噌漬けなんか焼いて提供して、経営の危機をしのいだという料理。
ただこれがおいしい。特に豚肉の麹漬けなんてご飯のおかずのために生まれてきたような料理で、だから牛タンなんかなくても大丈夫…、ってなっちゃうんじゃないかって心配しちゃうほどの完成度。今日もご飯がすすみます。山芋とろろもテールスープも漬物も、ちょこんとついた青唐辛子の南蛮漬けもほどよきおいしさ。創意工夫とサービス精神でずっとこうしてやっている。悪くないな…、と思う昼。

 

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