冷や汁を食べにいってなんばしよったとと聞かれる
暑い暑い。しみじみ暑い。なのに食欲が失せることなくお腹が空きます。生まれてこの方、夏バテという言葉に無縁で夏太りしてしまう体質。
散歩は欠かさずと新宿御苑の周りをぶらり。
「べっぴんしゃん」にしようかしらと思ってきてみる。
鉄板料理。九州の食材、料理をメインにした気軽な店でメニュー看板を見てたらお店の人と目が合った。
「こんにちは」ってニコッとされた。笑顔に惹かれてお店に入る。
大きな鉄板が主役の厨房。手元が見える席に座った。好きな席。具沢山で主菜としても十分な豚汁が名物で、しゃぶしゃぶ用の豚バラ肉を鉄板で焼いて汁に乗せるというのが特徴の店。今日も豚汁と思ってきたのだけれど豚汁の代わりに冷や汁が選べるというのでそれにした。
料理を生姜焼きやチキン南蛮など5種類からひとつ選べるシステムで、阿波ポークの角煮を選ぶ。九州料理がテーマなのに阿波ポーク。チキン南蛮も阿波とりというところになにやら大人の事情を感じる(笑)。
そういえばチキン南蛮がおいしかったんだと思い出し、追加でチキン南蛮もたのんで待ちます。
お客さまが次々やってきてお店はにぎやか。昼からグループ客が多いことにちょっとびっくり。夜のお客さまが昼にもやってきている…、って感じがするのね。お店の人も忙しく手を動かしながらも笑顔を忘れず気持ちいい。

料理もテキパキ揃います。
大きな丼にたっぷり冷や汁。
プカプカ浮かぶ氷の上に魚粉をちらし海の香りが食欲さそう。
きゅうりに豆腐、せせった焼き鯖。
甘さ控えめの麦味噌がご飯をねだる夏のご馳走。
豚の角煮がなかなかの出来。
分厚くしかも脂がのった豚肉にしっかり味が染み込んで、箸を当てると自ら進んで崩れていくほどのやわらかさ。
豚の脂は夏のご馳走。
甘くてクチャっと潰れてとろける。とろけながら旨みをじんわり吐き出して口の中をひんやりさせる。煮卵も味がしみしみ、ぷるんとなめらか。
チキン南蛮の本体がみえないほどにたっぷり乗せたタルタルソースがまるでたまごサラダのようで、これもご飯のおかずになるのね。
筋を切った鶏もも肉に、分厚い衣をぽってりつけて揚げた揚げたてを甘酢に漬けて台無しにする。そこにタルタルソースをたっぷり乗せて食べるチキン南蛮のおいしいことにもうっとりしちゃう。
衣がふっかり崩れるように壊れてクチュッと肉が潰れる。
ひたすらやわくて、なのにしっかり噛みごたえもある。冷や汁をかけたご飯をサラサラお腹に流し込み、お腹がたのしく満たされる。
お冷の入ったグラスに「なんばしよったと、待っとったとよ」って書かれてる。長崎出身のタナカくんがときどきお国言葉を使ったけれど、やはり「なんばしよったと」って言っていた。ボクは元気でやってます。









