内藤とうがらしで蕎麦を味わう、秋の大庵

昼、蕎麦を食べようと「大庵」にくる。
新宿のオキニイリの蕎麦の店。大阪から九州をグルリと回る旅をしてきた。ひさしぶりのお江戸で何を食べようか…、と思ってそれで蕎麦を選んだワケでござんす。
実は、寿司にしようかと最初は思った。
ところが今日の新宿は不思議とインバウンドの人たち多く、目当てのお店はどこも行列。3軒ほども覗いてそれであきらめココへ。ココもいつも混雑している店ではあるけど、行列するほどではない店で、今日もすんなり。お客様の入れ替わりタイミングにてカウンターに座って食事をスタートします。
それにしても大人の店です。カウンターのほぼ真ん中に座って左手をみるとシニアなご夫妻。反対側には母娘仲良く食事をする姿。新宿という街でこれほど大人なお店は数少なくて、蕎麦という料理がなせる技なのか。それとも何か結界めいたものが張られているんだろうか…、オモシロイ。

週末のランチタイムには蕎麦前料理が多彩に揃う。
お酒をたのしむ人も多くて、昼からのんびりした空気がお店に満ちているのはそのせいなんでしょう。
蕎麦をたのむと小鉢がまず来る。
ひじきを加えたおからの炊いたん。
食感しっとり。味がしっかり整っていて、思わず「酒!」って言っちゃいそうになるのがウレシイ。

だし巻き卵をたのんでお腹の準備をすることにする。蕎麦屋の玉子焼き。関東風の厚焼き玉子であれ、出汁をタップリふくませ作っただし巻き卵であれ蕎麦屋の命の出汁を一足先に味わえるのがいいところ。ふっくらしあがり、食感軽やか。出汁をタップリ飲みこみ焼けてて舌にのせると、自分の重みに耐えかねて出汁をジュワッとにじませながら壊れてく。その儚さにウットリします。蕎麦が来る。

辛味大根そばをたのんだ。
細かい大根おろしの中に、ザクザクと粗くおろした鬼おろしが混じってやってくる。
辛味と食感、みずみずしさを同時味わうことができる粋なスタイル。
十割で若干、ボッソリした蕎麦が辛み大根と一緒になってネットリとろける。
タレはスッキリしたやさしい仕上がり。
甘みよりも旨みが強く、鰹節の出汁の特徴…、香りと酸味がとても華やか。蕎麦の甘みが酸味でひきたって旨みをキリリと引きしまる。

せいろは小腹満たし程度の分量。
お腹いっぱいになるためには別の一品をとるか、追加でせいろをたのむかするのがココの流儀で、追加せいろが安い値段で用意されているのがうれしい。
しかも普通のせいろだけじゃなく季節の変わりせいろが選べる。
今の季節は「内藤新宿唐辛子」。
江戸時代の新宿界隈は唐辛子の産地として有名で、江戸野菜を復活させようってプロジェクトの一貫で、最近、ちらほら見るようになった。
その唐辛子を打ち込み作った蕎麦で色もオレンジ色。赤唐辛子の色なんでしょう。香り明るく噛むとジンワリ辛味が広がる。しかも辛味が後から後から襲ってやってくるのがおもしろく、一口ごとにお腹が空いてくるような気持ちがたのしい。オモシロイ。

友人は小さなサイズのソースカツ丼がセットについた定食選ぶ。
他に天丼、親子丼が蕎麦のお供に選べる定食。玉子とじのかつ丼じゃなくソースカツ丼というのが粋。卵でとじた丼は親子丼があればいいってことなんでしょう。
ご飯の上に千切りキャベツ。細く切り出したロースに細かなパン粉をぎっしり。
見た目は新潟のタレカツ丼のようにみえ、ウスターソースに鰹節の出汁をくわえて伸ばしたソースが新潟タレカツと福井のソースカツ丼の間の子みたいな感じがするのがオモシロイ。
定食につく味噌汁の出汁に煮干しの香りを感じる。しかも頭や腸をワザワザ除かず作ってエグみをたのしむ趣向の出汁。ボクの田舎の出汁ににていて、甘めの白味噌も田舎的。なつかしくってもらってゴクゴク。〆に蕎麦湯を蕎麦ダレに注いでコクリ。タレの中に閉じこもっていた出汁の風味や香りが一気に花開き、お腹もやさしくあったまる。あぁ、東京に帰ってきたんだと一日遅れで思う昼。

 

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