公園通りでヌルい珈琲、福田屋のおかめ

朝の待ち合わせをカフェマメヒコで。
渋谷の街でのんびり人を待つのに適した、数少ない店のひとつがここで、特に朝の時間はのんびりできる。
体をすっかり預けても安心な頑丈にできた木の椅子と、磨き上げられた木のテーブル。
居心地いいのに自然とお行儀よくあれる店。そういうムードが好きな人しかやってこない場所というのがなによりゴチソウ。
牛乳珈琲がオキニイリ。
熱々に落としたドリップコーヒーに常温の牛乳を混ぜて仕上げるぬるいカフェオレ。ひと口目からやさしい温度で、飲みきる頃にはすっかり冷めているのだけれど、コーヒーの味や香りがずっと持続して最後のひと口分までおいしい。ゆっくり一杯飲みきる頃に、待ち人来たりておかわりす。

 

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昼食を福田屋。
再開発で必死にキレイを装う、けれど長年染み付いた猥雑が決して消えることなくむしろその猥雑こそが渋谷の街が魅力的な部分なんだけど、渋谷の大家さん、東急どのは決してそれを認めようとせぬ。
でも キレイな渋谷には魅力的な店はなく、猥雑な路地にはおいしい店がひしめいている。そんなおいしいお店のひとつ。
蕎麦の店です。老舗です。
にもかかわらずお店で働く人の半分ほどがアジア系の人たちで、礼儀もしっかりしているし働き者で、気持ちいいほど声が出る。日本の老舗の伝統的な日本の味を支えているのがアジアの人たち。今の日本の現実をしみじみ感じる。なやましい。

おかめそばをたのみました。
厨房の中から調理補助のインド系のおじさんが、ゆっくりゆっくり。
小さな歩幅でお盆を揺らさぬようにゆっくりやってきて、お待たせしましたってそっとテーブルの上に置いていく。
おかめの顔を壊さぬように…、といううれしい配慮。
件のおじさんの精一杯の心配りのかいあって、丼の中には見事な顔が微笑んでいる。
具材をおかめの顔に見立てるおかめそば。数あるおかめの中でもこれほどくっきりとして賑やかなおかめの顔は他にない。
海苔の眉毛の上に蒲鉾の目、ほっぺの一つは色黒椎茸、オレンジ色のニンジンの右頬に筋の通った竹の子の鼻。肌色のお麩、厚焼き卵の唇とどのパーツも大きくきっぱり。絵ならばゴーギャン。肉感的にウットリします。

そばをたぐって食べようと思うも、顔を壊してしまうのはいささか無粋と、壊さぬようにと注意する。
麺をたぐって具材を食べて、どこまでおかめの顔のようであるんだろうと思って食べる。
まず椎茸とお麩を食べる。
どちらも汁をたっぷり吸い込みみずみずしくてなんとも旨い。
ほっぺたもちょっと肉付きが悪くなりスリムになったような気はする。
かまぼこをひとつ、そしてニンジンを食べてなくした片目の代わりを麩にしてもらう。
ほっぺがなくても顔に見えるもんだねぇ…、と蕎麦をずるずるたぐって汁も飲む。細いけれどハリがあって、ザクザク歯切れる蕎麦はおいしく鰹節の酸味がキリッと後口ひきしめる汁も絶品。
鼻のたけのこを半分と、厚焼き玉子も半分食べる。
ちょっと困ったような表情になり、ごめんなさいねとそれでもパクパク食べ続ける。
卵焼きを全部食べると口がなくなり、かまぼこを代わりに場所替え。代わりにネギを目の場所に置く。鼻もなくして、けれどかまぼこが笑った口のように見せ、目と口だけがあればなんとか顔に見えるネ…、って思ってズルン。大好きなお麩だけ残して写真をパシャリ。たのしいお昼となりました。

 

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