元祖のエビバーガー、散歩する侵略者

ロッテリアのエビバーガー。
無性にときおり食べたくってしょうがなくなる料理のひとつで、それで今日もひさしぶり。
ちなみにもし「Shrimp Burger」あるいは「Shrimp Sandwich」とメニューに書かれていたらどういう料理を思い浮かべるかといえば、まず間違いなく茹でた小エビのマヨネーズあえがパンの間にはさまっているとっころを思い浮かべるに違いない。
そのシュリンプを固めてパン粉をつけて揚げてしまう。しかもそのパン粉まみれの物体をバンズで挟んでしまうなんて発想はアメリカ人にはとんと無い。あくまで日本的ななんでもありな探究心が作り出した名作であるに違いない。

そしてその元祖がロッテリアのこれであって、やっぱりおいしい。
すべてにほどよくなによりパン粉がザックリ壊れて散らかっていく。それにあわせて焦げたパン粉の香ばしさがまるでバンズ自体を炭で焼き上げ香ばしくしたんじゃないかと勘違いさせるほどに風味豊かで味わい深い。
エビがときおりプリッと弾力もってはじける。千切りキャベツのシャキシャキ感とみずみずしさがパン粉油で疲れた口をリセットさせて甘味控えめのすっきりとした酸味がおいしいソースも絶妙。
混ぜれば混ぜるほどおいしくなっていくのが不思議なコーンポタージュお供に小腹が満たされる。

家にこもって仕事するようになってすでに2週間ほど。
相変わらずNetflixにHulu、アマゾンプライムとストリーミング配信サービスにほぼ完璧に依存する日々。
昔の日本の映画のすばらしき出来に関心しながら、最近の日本の映画はつまらんなぁ…、とか思うも中には佳作もあります。
特に今のこの時期に観て、感慨を新たにしたのが「散歩する侵略者」。

2017年の公開作品。
宇宙人が地球を侵略しにくるという物語。
もともと舞台が原作。だから派手な戦闘シーンがあるでなく日常にひたひたと忍び寄ってくる違和感と恐怖を淡々と丁寧に描く不思議な作品。
破綻しそうでいて最後の最後まできっちりと物語を描ききっていて、上手いなぁ…、って程度に当時は思ってた。

ところが今見返すと、今こそ見るべき作品なのかもってちょっと思った。
宇宙人と言っても人間の姿を借りてやってくるから、ある意味、見えない敵。しかも正体不明で最初は誰もそれを敵だと思わない。敵かもしれないと気づきながらも、どの対処していていいのかわからずただただ手をこまねいて見ているしかないのですネ。
しかもその宇宙人は、人間が大切にしている「概念」をひとつ、そしてまたひとつと奪い取っていく。
例えば「家族」であるとか「仲間」であるとか「仕事」であるとか。
まるで今、ボクたちを悩ませている正体不明の敵がひとつ、そしてまたひとつ社会の大切なものを奪い取っているように。
実はテレビドラマ版もあって、その結末はかなり悲劇的で乱暴。けれどこの映画の結末は救いに満ちたものになってて、理由は人に「愛」という概念があったから。今という大変を凌ぐ唯一の糧は愛に違いない…、ってちょっと思った。がんばろう。

コメント

  1. Leocco

    本当だ!見えない敵で、人の中にいて現れるという面では、ウィルスも同じですね。愛という概念はウィルスには効かないだろうけど、困っているところに助けを差し伸べるということで、愛がやっぱり地球を救うかもしれませんね。

    東京も非常事態宣言がでて、これからは閉まるレストランも多いことでしょう。みんなの笑顔を、また見れる日が早くきますように。

  2. Leocco

    申し訳ない、間違えていました。
    緊急事態宣言でしたね。

    • サカキシンイチロウ

      Leoccoさん
      ずっと飲食店を応援するということを生活、仕事両面のテーマのように生きてきたボクとしては緊急事態宣言をどう受け留めるか、かなり悩んでおります。
      移動の範囲を小さくし、頻度も減らして応援の仕方そのものも変えていかなくてはと背筋を伸ばしております。

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