優敗劣敗。外食産業は勝者なき戦いをしているのかも

新宿の西口側をちょっと歩いた。電気街をぶらぶらと。
個性的な飲食店がひしめく、ちょっと新橋みたいなムードのあるエリアで、そのほとんどが個人営業。あるいは小さな会社の経営で、規模も小さい。
だから個性的なお客様の個性的なニーズに素直に対応していれば繁盛できる、幸せな場所のひとつなんだと思って歩いていたのだけれど、そんな個性的なお店のひとつ、串揚げの「でめ金」の店のシャッターが降りたまま。
閉店したという告知はないけど、袖看板の店名がガムテで隠され、もうやってないんだということ伝える。近々、ランチでも食べに行こうかって思っていたのに肩透かし。やってた方が歳を召されてそれで勇退…、ってことであれば仕方がなくもしあわせなことと思ったりする。

地下に潜って駅前地下街の入り口近くのスイーツ店が閉まってた。
お客様が並んでいる景色も気配もなかったから売上不足でもたなかったのでありましょう。
箱寿司という名店を潰して入った店が潰れるってなんだかしみじみ勿体ない。
箱寿司がいなくなった理由は人手不足と高齢化。同じ理由で同じ会社のうなぎの専門店、双葉も閉店。
跡にはいったアップルパイの店にはずっと閑古鳥が鳴いてらっしゃる。
行列ができる店の人気商品というコンテンツだけ切り出して、期間限定で売れば売れるに違いないと思ったことが甘かったんでしょう。そんなコトは百貨店の得意のコトで、こんな場所でやっても差別化できないだろうことは誰にでもわかりそうなもの。それでもスイーツ系はまだまだ売れるとみんな必死に群がってくる。

食べログを開いて現在地で評価の高い店を表示させると上位に上がってくるのはラーメン店とスイーツショップ。あるいは客単価2万円超えの高級店というこの状況が、一旦リセットされない限り、日本の食の本当の豊かは遠いまま…、って思いもします。
ちょっと歩くと、かつて天金という朝食のおいしい愛すべき天ぷら専門店の跡地に寿司屋。隣にあったのは箱寿司の支店。どちらも結局チェーン店におきかわる。古色蒼然なインテリアを引き継いでできた喫茶店で一服しようと行けば店はなくなっていて、メガネチェーンに変わってた。
商売というのは「優勝劣敗」。すぐれたものが劣ったものを負かすことで新陳代謝が生まれる。それは当然。
けれど最近の日本を見てると、優れた料理を出す店がそうでもない料理の店に負けていく。ただ勝ったお店が大成功かというと現場は苦しく利益がなかなかでないで困る。つまり「優敗劣敗」。誰も勝てない産業って、どこかが絶対間違っている。雨も冷たい今日の昼。

移動の途中にちょっと気になり、ディーンアンドデルーカによって見る。
商業施設の入り口近くで不特定多数の人が集まる通路に面して、ペストリーの売り場がある。そのあまりに行きすぎた野晒しっぷりに先日すごく心配になり、そのあと対策とったんだろうかと思ってきてみた。
そしたら平台に置かれたパンの上に透明シートがかけられていて、一応、対応してみました…、って感じではある。でもシートが当たると商品価値が損なわれるものは野晒し。とりあえず感にがっかりします。
イチゴとトマトのフレッシュジュースを飲みながらしばらく見てたら、お客様がシートを触る。剥がして中のパンをとり、また手につかんで元に戻すを繰り返す。
今度の事件の悩ましいところが、何が危険なことなのかハッキリしないで不安ばかりが膨らむところ。飛沫よりも手を媒体にして広がることなら、不特定多数の人が触れる覆いというこの対応は最悪なのかもしれないのに…、って思ったりした。わからない。

 

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コメント

  1. すうさん

    ご存知かもですが、スイーツマニアの手前のお茶やさんの抹茶ソフトクリームが美味しいです。他にも、持参したペットボトルに冷たいお茶を売っていたり。。面白いお店です。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      すうさんさん
      池田やさんですよね。ペットボトルに冷たい抹茶を入れてもらってよく買って帰ってます。粉を買われて家で作られるとお得ですよって勧められるのですが、お店で作ったものの方がなんだかおいしく感じます。

  2. いにしえ

    でめ金さんも閉められたのですね。数回しか行ったことはないのですが、ご主人の佇まいが粋な感じてお店の雰囲気も好きでした。自分がなかなか行けない分、新宿拠点の人にお勧めしたりしていました。残念です。
    個人で営んでいるお店は、ご主人の人となりが感じられ、それで贔屓になったりするものです。飲食店はお料理だけじゃないですね。
    箱寿司さんの跡地は、あのようなお店になったのを見るのが辛くて、目を背けて歩いていました。
    しかし、好きなお店の閉店が本当にこれでもかと続き、寂しいのを通り越してやりきれない気持ちになります。
    応援してできるだけ伺うことしかできませんが、この先、楽しみがどんどん減っていくのでしょうね。。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      いにしえさん
      仏頂面で強面。けれどときおり見せる苦み走った笑顔がこれぞ職人…、ってしみじみ思わせるステキなご主人でしたね。近所の飲食店の人たちと声をかけあって気遣い合って、この界隈を盛り上げようと一生懸命がんばっていらっしゃったようにもうかがいます。
      個人営業のお店がひとつ、またひとつと姿を消す。それぞれに事情はあろうかと思いながらも、勿体ないなぁ…、としみじみ思う。当たり前の頑張りが、当たり前に報われるようになるにはどうすればいいんだろうと考える毎日です。

  3. いにしえ

    幸せなご引退であっても、勝手な贔屓客としては寂しいものです。そうでない理由ならば、なおさらやるせない気持ちになります。
    仕事で行く神谷町から、飯倉の交差点までの片側、日本一高いビルができるとかで根こそぎお店が失くなりました。味気ない街になっていくのを見るのが辛いです。個性のないそんな場所がそこらじゅうにありますね。
    サカキさん、頑張ってくださいませ。陰ながら応援しております。
    少ししんみりし過ぎました。美味しいものでも食べて気持ちを変えなくちゃ。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      いにしえさん
      再開発という行為。超高層ビルという器。どちらも食の世界を平坦でつまらないものにしてしまう無粋なもの…、と最近しみじみ感じるようになりました。
      路地のある街の小さなお店が、生き生きと健全に生き残ってもらえる社会。なんとかせねばですね。

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