倒れ込むサンドイッチ。夜の坂内、冷たいラーメン
新宿に出たついでに朝と昼をかねてルノアール。
飲み物を選んで200円前後を追加するとついてくる、朝食セットと言いながら12時過ぎまで提供がある。お得なメニューでそれで昼食という人も多いのでしょう。お店の中は大にぎわい。
plus150円のオキニイリのハムタマゴトーストのセット。
「注文が立て込んでおりますので10分少々お時間を頂戴するかと思いますが…」と。熟年紳士のサービススタッフがうやうやしく言う。いつも若い女性がサービスしている店なのにどうしたんだろうと思うも、お客さまもシニアさんが多くて店の雰囲気にあっている。
のんびり待たせていただきます…、とのんびり待ちます。

アイスコーヒーと分厚いタオル生地のおしぼりがまずやってくる。
いつもの足高のグラスじゃなくて真鍮製のマグに入ってやってきたのにびっくりしました。
昭和な喫茶店的で悪くない。
10分経たずにメインのトーストサンドがやってくる。
急いだのでしょう。
サンドイッチが手前に倒れ込むように盛り付けられてて、パンもいつものよく焼きじゃない。なるべく早く提供しようって気持ちが伝わってくる状態でこれもサービス精神のあらわれと思うことにする。
焼き色は薄いけれどパンが薄切り。だからパンの水分がほどよく抜けてサクサクしてる。前歯をくすぐるような感じはないけど、これはこれでいい感じ。
焦げた小麦の香りがほのかな分、挟んだたまごサラダの香りが際立つ。ハムのむっちりした食感も力強くて悪くない。
コンソメスープは今日も残した。アイスコーヒーが入ったマグがひんやりしてて唇つけるとヒリっとするほど冷たいことにニッコリしながらコクリコクリとのんびり時間の無駄遣い。
四谷三丁目の駅から家に向かう途中、「喜多方ラーメン坂内」の提灯が風に吹かれて激しく揺れる。
食べに来てって手招きしているように見え、今日の晩ご飯はラーメンにした。
二軒隣に先日できたエビトマトラーメンのお店からエビのスープの匂いが溢れ出してて、この界隈に漂っている。
喜多方ラーメンのスープの匂いはおだやかで、匂い勝負じゃ負けちゃうからと、お昼の時間はご飯一膳無料なんてサービスをはじめていました。
小さなラーメン戦争勃発中。
とはいえここはファミリーでも落ち着く店で、夜もほどよくにぎやかです。
ここで一番のオキニイリの「和風冷やしラーメン」にする。大型タッチディスプレー式の券売機の使いづらいことに難儀しながら辛ネギと煮卵を追加。ラーメン店はボタン式の券売機に収まる程度の商品数が心地よい。
食券買って座るとお店の人が冷たいお茶のグラスを手にやってくる。そこで注文を確認するのはちょっと親切。悪くない。
しばらく待って料理が一気に揃う。
氷の浮かんだスープに揺れる中華麺。メンマに刻んだ白ネギ、トッピングした煮卵が乗せられ油がポツンポツンと浮かんでる。ラーメンはこういうシンプルなのがいいんだよな…、って思わせるいつもの景色。
昔は刻んだ玉ねぎがあった。あのシャリシャリしていてヒリリと辛い味わいはなにものにも代えがたく、代わりにたのむ辛ネギもおいしいのだけどいささか口を騒々しくする。軽く炙った焼豚にわさびをのせて冷たいスープに潜らせ食べる。ピリッと辛くなのに徐々に甘さを帯びるわさびの味わい、香りがステキなアクセント。
幅広でよじれて縮れた麺がチュルンと唇撫でて、シコシコ奥歯を叩く感じもたのしい夏のゴチソウ。オキニイリ。









