個性を削ぎ落として特徴となす…、喜多方らーめん

家の近所でチャチャッと夕食。喜多方ラーメンの「坂内」にくる。
一人客用のカウンターもあるのだけれど、店のほとんどはテーブル席。カウンターはガラガラなのにテーブル席は一杯なんてことがよくある。つまり何人かがつれだってやってくる店っていうことになる。
家族客や仲間連れのお客様がたしかに多くて今日もテーブル席はほぼ一杯。
個性を競うのがラーメンという競合激しい世界での生き残り方。
…、というのが常識と言われているけど、個性が強いと人を誘ってやってくるのがむつかしくない。それでもグループ客に来てほしければ、異なる個性の商品を何種類も用意するようなことになり、結果、一体どの個性を売りたいのかわからなくなってしまったりする。その点、喜多方らーめんは個性を削りに削ってこれ以上なくしてしまったら特徴までもなくしちゃう、そのギリギリまで個性を削ってここにある。そんな感覚。

メニューに書かれた「くせになる毎日たべたくなるラーメン」というキャッチフレーズこそが、「個性と凡庸の絶妙なバランス」を表現している。ラーメンにあまり個性を求めぬボクにはありがたい。
家の中でぬくぬくしていたからでしょう。寒い夜なのになぜだか「和風冷やしラーメン」を食べたくなった。冷やし中華ではなく冷やしラーメン。ラーメンどんぶりに入ってやってくる姿はラーメン。チャーシューは炙って別添え。シャリシャリ玉ねぎと味付け玉子、それに今日は茹であげワンタンも追加しました。どれも別皿でお願いします…、ってお願いをして最初に無垢なスープをごくりと味わい、たのしむ。

醤油風味の透明スープ。
鶏ガラがベースだから冷たくすると脂が浮いてきそうなモノ。
スープに氷が浮かんでいるからこれは冷たいラーメンなんだとわかるほどに見事に透明。
麺は太め、平打ちでゆったり縮れていかにも喜多方的なる姿。
チュルンとたぐるとスルンと口に飛び込んでくる。
スベスベで、噛むとムチムチ。
縮れのおかげでスープをたっぷり持ち上げ口の中が潤ってくる。冷たくなっているのに強い旨味がくっきりしていてしかも醤油の風味が濃厚。脂の力を借りずともおいしいスープができるんだって感心します。
刻んだ玉ねぎ、味玉をのせ茹でたてワンタンも冷たいスープの上に浮かべる。やわらかだったワンタンの皮がキュキュッと縮まりコシが出る。味付け卵の白身がプルン。黄身はむっちり、ほどよき半熟。口に含むとたちまちとろける。頑丈な麺の食感を引き立ておいしくしてくれる。

炙ったチャーシューはまだ熱々の脂のとろけを味わいたくて、スープに浮かべずそのまま食べる。わさびをたっぷりつけても辛さが甘みに変わる。それほど脂がネットリ、煮込んだ醤油の風味もおいしい。
刻んだ玉ねぎの上に胡椒をたっぷりふりかけ、れんげでスープと一緒にすくってパクっと食べる。シャリシャリシャリシャリ、口の中で細かく壊れ辛味と甘みが口に広がる。騒々しさがたのしくて、いわゆるネギと違った食感がたのしくなによりオキニイリ。
ゆっくり、ゆっくり味わいながら食べてくと氷がとけて自然とスープが薄まっていく。最初、飲むには少々濃かったスープがほどよき味になってゴクゴク飲めるようになる。お酢を注いでゴクゴク飲んだ。満ち足りました。おゴチソウ。

 

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