人と人とがつながるコトとつながるキッカケ

新大阪からちょっと北に位置する街。「高槻」という住宅街の「マウンテン」というお店を訪ねる。自家焙煎で挽き売りもする小さなお店で、コーヒー自体もおいしんだけどいつもゴキゲンに働いているお店の人が好きで無性に来たくなる店。
ひさしぶりに電車を降りて商店街に出たらなんとコメダ珈琲が新たにできてた。なんでワザワザ、こんなむつかしい場所にお店を出すんだろう…、ってビックリしながらお店の近くまでやってくると、平日ということもあるのでしょう。静かなコトにまたビックリ。こういう場所でする商売は、人と人とがつながらないと成立できない。おいしいコーヒーがあるだけの店ならやっていけないだろうって思いながらお店に入ると明るい笑顔に出会えるワケです。

豆を焙煎する甘い香りに、ときおり土砂降りの雨が降るようなにぎやかな音。
週末は喫茶店として昨日するカウンターに今日は特別に座らせてもらっておいしいコーヒーを飲む。
やさしい味わいのエチオピア。
フルーティーな後口で酸味やさしくお腹が重たくならないおいしさ。
それに続いて、どっしりとした苦味と旨みが特徴的なマンダリンと、趣異なるコーヒーたのしく飲み比べ。いろんな話をワイワイします。

旅のお供にお持ちしました…、と、主婦的立場で誰もが簡単に作れるパンをつくり続けるご近所さんも合流し、旅のお供をひとつだけコーヒーのお供に食べる。
竹輪とチーズを芯にして焼いたパンで、気持ちがほっこりするようなたのしい味にニッコリします。ムッチリとした噛みごたえ。いたずらに甘みや旨みをくわえるのでなく、顎を使って噛みしめるうち口の中でどんどんおいしくなる生地に、竹輪やチーズの旨み、風味が混じりあう。こういうパンが気軽に作れるんだったら、ボクも作ってみようかなぁ…、と思ったりする。

料理全般におそらくいえることなんだろうけど、「絶対的においしいなにか」があるわけじゃなく、人は「おいしく感じるモノ」をおいしいと思うようにできている。
特にコーヒーとかパンのような食べものはそういう要素がとても強くて、だからブランドや情報、ブームや値段をみんなは「おいしく感じるきっかけ」にしようとする。でも本当に大切なのは「誰が作って、誰と一緒にたのしむか」ということなんだと思うのだけど、それはなかなか伝わらない。そのコトにこだわっていると商売を大きくすることがむつかしくなる。だからそこから逃げる人が多くなっちゃうわけです。勿体無い。

今日はお土産にコーヒー豆を買って帰った。
飲食店の仕事をしていて、こういう「買って帰れるモノ」を扱っている店っていいなぁ…、って最近思う。
胃袋以上に食べることはできないけれど、財布の余裕いっぱいまで買おうと思えば買えるからって、最近、商売上のことで何か売れる「モノ」を作って揃えようって、そういうコトを言う人がいる。
でも売ってやろうと思って作った「モノ」は売れない。だってモノは溢れかえっているんだもの。
気持ちいい時間の思い出。
人と人とがふれあった確かな証を残したい。
その思い出を自分の大切な人と共有したいからと、「買って帰れるコト」を用意できるお店はステキだなぁ…、と。

手持ちのバッグにそっと収めたペーパーバッグ。ひとつはお年寄り用にとやわらかで、体に負担のかからぬ豆。もう一方は男ぶりのよい女子に、あなたの元気に負けない豆を選んできたよと手渡すために選んでもらって挽いたばかりの小さな包み。コーヒーのおいしい匂いがバッグの中からずっと漂う旅はステキ。お供のパンはすっかりお腹に収まりました…、九州上陸、いたします。

 

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コメント

  1. すうさん

    確かに美味しいものを頂くと、身内や友人に食べさせたいなあって思いますものね(^^♪

    • サカキシンイチロウ

      すうさんさん
      シアワセのおすそ分け…。言葉や表情だけでは伝えきれないコトを伝えることができるモノやコト。あるとうれしいですよね。

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