五島うどんに焼き鯖寿司にシルエットロマンス
有楽町で昼を迎える。何を食べるかいささか迷い、交通会館に行けばなんとかなるだろう…、と思って来てみる。甘味のおかめの前には行列。向かい側のおむすび屋さんもいっぱいで、ならばと前から気になっていた「和食処五島」をためす。
長崎五島列島名物料理をうたいつつ、ランチメニューで五島列島をイメージさせるものは「あご出汁五島うどんと炙り〆サバ寿司定食」だけ。
お店はほどほどにぎやかで、近隣のオフィス勤めのスーツ姿の男性多数。多くの人がチキン南蛮を食べてらっしゃる。それもなかなかおいしげで、でもここはやっぱり五島うどんとサバ寿司でしょう…、とそれを選んでたのむことにする。
カウンターに座ってしばらく待ちます。
氷のたっぷり詰め込まれたお水のピッチャーと並んで柚子胡椒。
大橋純子の「シルエットロマンス」が流れていました。
もうゴキゲン。
５分足らずで料理完成。
このスピード感がなかなかによし。
大きな丼にうどん。汁はほぼ透明で透き通っていてあごだしのおいしい香りが鼻をくすぐる。かまぼこ３枚、わかめにネギだけというのが潔くっていい感じ。
サバ寿司は３貫。柚子胡椒をサイドに置いてさて食べる。ひと切れ分が分厚くて、こんがり焦げた皮目がキラキラうつくしいこと。断面をみるとサバの切り身の分厚いことにウットリ。これは当たりの予感がします。
そしてこのサバ寿司がこの上もなくおいしかった。
分厚くって箸で扱うともてあます。手づかみするとずっしり重く、シャリは硬めにしっかり押されて口に近づけると炙ったサバのおいしい香りがやってくる。
噛むでしょう…、前歯がサクッとサバを噛み切りジュワッと脂が溢れ出す。唇ひんやり、口の温度が下がるほど。ざっくり歯切れブルンと弾ける。惚れ惚れするような弾力感で、それがシャリと一緒になってとろけていくのネ。
柚子胡椒をつけて食べるとサバのうま味が引き立ち、脂の香りもさわやかにする。うどんもおいしい。細めの麺がスルスル、お腹の中に滑り込んでくるようななめらかさ。なにより汁がおいしくてウットリします。お腹も気持ちも満たされる。
