二度目の月命日と空

昨日とうってかわって晴れの火曜日。
朝はちょっと涼しかったけど午後に向けて気温もグングン上がってくる。冷たい飲み物がおいしゅうござる。
食後にドトールコーヒーに寄る。
今日みたいな日にありがたいのは、すっきりとした酸味おいしい冷たい飲み物。
梅グリーンティーなんぞがそれにピッタリ。
苦味さわやかな冷たい緑茶。
氷をぎっしり詰め込んだグラスに注ぎ、最後に梅のシロップを絞って浮かべで出来上がり。
太いストローでかき混ぜながら飲んでくださいという趣向。

最初は混ぜずにほぼストレートの緑茶をたのしむ。
徐々にそこに甘みと酸味がまじりはじめて、そこでグルッとかき混ぜる。
途端に梅の香りと酸味が広がって、香り華やか。お茶の渋みがずっしり重たくなっていくのがたのしい飲み物。汗がすっきり引きました。

駅に向かって歩く途中で、バンコーヒーバイロンベイを見つけてしまう。
好きな店です。
小さなまるで屋台みたいなお店。チャーミングな女性がエスプレッソをおとしてくれる。だからか真っ赤なエスプレッソマシンが一層大きく見えたりする。
すぐに帰らなくちゃいけない用事があるでなく、だからひととき。
マキアートを飲んでのんびり時間を過ごそう。そう思ってお店に入る。
通りに面したカウンター席にひさしの影が落ちてまるで大きな樹の下にできる日陰のように涼やか。ぽってりとしたミルクの泡に自然な甘み。そこにエスプレッソのビターで軽い酸味が混じる。伊勢丹により家に帰ってちょっとのんびりいたしましょう。

 

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彼の二度目の月命日です。
お供え物をいくつか買って、家に帰って空を見る。
マンションのボクのフロアにエレベーターで降り、その正面に広がる四角い空です。いつも彼が見ていた空が、今日はちょっとご機嫌斜め。
そういえば最近、空を見るのが怖くて足元ばかりを見て歩いてた。ひさしぶりに見た空も空。ずっとこうしてあったんだね…、ってしんみりしました。
和久傳の西湖と希水。
笹の葉で包まれたレンコンのデンプン菓子であんこの西湖とリンゴの希水。なめらかにして涼やかで、ストレスでこわばった心と体がやさしくほぐれる。笹の葉の香りさわやかで喉をとろんと撫で回しつつ、お腹にゆったり収まっていく。空をみながらトゥルンと食べた。やっぱり涙が流れます。

お供え物は辨松さんの甘煮。名前の通り甘く煮込んだ野菜につとぶ。これを肴に焼酎を飲むのが好きな人だった。
今日は煎茶で偲んで食べる。
カツレツを無性に作りたくなって、チキンカツレツ。
鶏胸肉をベチベチ叩いて叩いて繊維を壊し、薄く伸ばしてラップの上で四角く形成。しばらく冷蔵庫で休ませる。
パン粉をブレンダーで細かく粉砕。パルミジャーノもくわえて鶏むね肉に押し付けまとわす。オリーブオイルでカラッと揚げたら新聞紙にくるんで体重押し付け、余分な油を吐き出さす。
食べやすいように切り分けてお皿にのせて上にスーパースプラウトをたっぷりのっけて胡椒をカッカ!オリーブオイルを注いで完成。
薄くはあるけど鶏の胸肉はふっくらやわらか。パラパラに揚がったパン粉が口にちらかりチーズの香りとオリーブオイルの風味が鼻から抜ける。くしゃくしゃとしたスーパースプラウトのみずみずしさもまた旨い。
鶏むね肉の残りを挽いてトマトソースでラグーに仕立てる。ニンニク、赤唐辛子をたっぷり入れてガツンと味にしたので百合の花の形のジッリをあえて仕上げる。クニュクニュとした歯ごたえたのしくお腹も満ちる。今日の夜。

コメント

  1. よおぜふ

    宝石、というかまるでパワーストーンのように美しい空ですね。ラリマー、アマゾナイトかのような。
    くっきりと澄んだ貴石も良いですけど、こんな感じの垣間見える蒼を写したような石も素敵に思います。

    • サカキシンイチロウ

      よおぜふさん
      青い空も白い空も、灰色の空も空は空。昨日はぐっすり眠りました。

  2. ボルテイモアのおかず

    二度目の月命日なのですね—。
    「ほぼ日」の方の記事を読ませて頂きました。本当に大変だったのですね。お辛いでしょうね、としか言えないですが—。
    伴侶を亡くすのは(普通の老衰の場合でも)ストレスがとても高いそうですし、コロナもまだ続いていますし、先日ジューススタンドの方に「疲れている様ね」と言われたと書いていらっしゃいましたね。どうぞくれぐれも、お体御自愛下さいね—。

    • サカキシンイチロウ

      ボルテイモアのおかずさん
      今まで幾度も危機的状況に陥ったローラーコースターのような人生でした。
      その中でも今回の危機は最大級にして深刻な危機。どう対処すればいいのか未だイメージがつかずただただ毎日を丁寧に過ごし続けるだけという状況です。
      おそらく元に戻ることはないであろうことを覚悟をしてはいるのだすけれど果たしてどうすればいいものやら。
      そろそろ仕事がはじまりそうで、早く忙しくなってもらいたいと思っております。
      ご心配、ありがとうございます。

  3. いにしえ

    サカキ様
    以前、誰と食べるかが大切だというようなコメントのやり取りをさせていただいたことがありました。そんなことを思い出しながらこの投稿を読み、サカキさんのお気持ちに想いを馳せました。
    お供え物をいただくのは、一緒に食べることなんだなと思いました。お好きだったもの、喜んでくれそうなものを選んでお供えして一緒に食べる。そんな時間がとても大切なように思います。
    気候も体に堪える時期です。どうかご自愛ください。

    • サカキシンイチロウ

      いにしえさん
      彼の好きだったものを食べ歩くことをしています。でもやっぱりひとりで食べると物足りないんですよね。彼は最高のスパイスだったんだなぁ…、って。
      思い出というスパイスを上手に使う方法を身に着けなくちゃって思います。

  4. よおぜふ

    他の方のコメントで、ほぼ日拝見しました。
    サカキさんが私の身近な人だったらな、と思いました。
    何も力にならなくても、少しばかりご一緒したり、なんか出来ることがあるのに、と。
    実際、大事な友人でそのように突然パートナーを亡くされた方がいるのです。
    私が出来ているのは、時々会って、お食事したり旅行したり、たくさんお喋りしたり、そんなことばかりなんですけど。
    月命日とか、節目を重ねて行くことで、気持ちが少しずつ、というのがあるようです。(彼女の場合)
    おつらいなか、歩みを止めないで歩いて行かれるサカキさんをずっと応援していきたいと思います。

  5. サカキシンイチロウ

    よおぜふさん
    気づかってくれる友人が何人かいて、一緒に食事をしたりおしゃべりをしたり。たのしい気晴らしに協力してくれています。
    今、こうしてブログを書いていくのが気持ちをちょっとづつでも前に前にと進めていく助けになってくれているように思います。その日記に対してコメントをちょうだいするのがまたうれしくて、本当に感謝しております。
    まだまだ時間がかかりそうです。でも無理せず、自然に気持ちが落ち着きどころを見つけてくれるのをまとうと思っております。
    やさしいコメント、本当にありがとうございます。

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