中華麺に冷やした和出汁でぶっかけ中華

白河そばで朝ご飯。
新宿区の牛込柳町という町にある立ち食いそば店。かつて近所に住んでいたことがあり、当時は最寄り駅がない交通の便の極めて悪い町だった。
いまでは大江戸線の駅ができたけど、移動手段のメインはやはり車やバスという場所で、そんなところの繁盛店。
タクシーや営業車の運転手さんが次々やってきてはお腹を満たして帰ってく。
この店を目指してわざわざやってくる常連さんもかなりいて、ボクもときたま無性に食べたくなってくる。
品揃えは豊富で独特。商品名をみただけではどんな料理がイメージできないものもあるのがおもしろく、券売機はなし。注文をご主人に伝えると暗算で値段を計算。商品とひきかえに支払う仕組み。オキニイリはぶっかけ中華。

かつては夏限定の商品だった。中華麺を茹でて氷水でザブザブしめて蕎麦出汁をかけて仕上げる独特の料理で、中華麺がなくなるとおしまいという売り切れじまいの商品でもある。
貼り出されたメニュー板に「本日もできます」と貼り紙があるように今では年中。朝の時間は売り切れることもないから安心です。
味をつけない油揚げを細切りにした「きざみ」を追加でトッピング。細切りの海苔とワカメ、ネギと胡麻。そして天かす。ここの出汁は醤油を使わず鰹節や昆布で味を整えた透明な出汁。それだけ飲むと確かに和風の汁なんだけど、麺が中華麺だというだけで気持ちがちょっとラーメン寄りになっていくのがなんだか不思議。

「ダチ油」っていうピリ辛のラー油のような調味油が用意されてる。
それをかけるとあらあら不思議。
中華スープのように感じるのです。
舌が感じる味の印象よりも、鼻が受け取る印象が強烈なんだとよく言われるけど、その通りなのかもしれない。
オモシロイ。

ふかふかとした刻んだ油揚げ独特の食感。
ワカメは分厚くキュッキュと奥歯を撫でるおいしさ。それぞれ出汁を含んで味が整う。
それにしても冷たい。麺が芯まで冷たい上に汁も冷たく、その冷たさに負けぬ出汁の旨味や風味につくづく感心します。お供にカレーをもらいます。

大中小ミニの「小」サイズ。お椀の中にご飯を入れてカレーをたっぷり。煮玉子をトッピングして紅生姜。ここのカレーはスパイシー。辛くて香辛料がたっぷり効いてて、そば屋さんのカレーというよりカレー専門店のカレーのようで、ヒリヒリ舌がつねられるよう。冷たいぶっかけ中華を食べてお腹を冷やし、熱いカレーであったまる。なんとシアワセ。
カウンターには刻んだタクワン、出汁をとった後の昆布を佃煮にしたものが自由にとれるようになっていて、この佃煮がまたおいしい。
汁を含んだ天かすが膨らみまるでポタージュのように汁にとろみがついていく。麺にからむ天かすポタージュのぽってりとした食感、喉越し。あっという間にお腹に収まり、お名残おしや。また来ます。

 

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