「中華本田」母と2人で上等料理を堪能す

月に一度の高松の夜。
おいしいものを食べながらつのる話をたのしむ夜。
母と一緒に来てみたいなぁ…、と前からずっと狙ってた店。
何度か予約の電話をしたけど、そのたび満席。それが先日、やっと今日の予約がとれてそれでめでたくやってきました。

「中華本田」というお店。
高松の中心地にあり、飲食店が何軒か集まる地域ではあるけれど、歓楽街というほどでもない。
つまりワザワザ来なくちゃいけないエリアで、それでも人気があるというのは実力派の証でしょうネ。

個性的な飲食店がテナントとして集まる古いビルの中二階。
お店は小さい白い箱。一番奥には厨房があり、椅子、テーブルがキチンと並ぶ。端正にして清潔な箱。座り心地の良い椅子と料理を並べてキレイに生える素材、大きさのテーブルがおいしい時間の予感を作る。厨房の中にはご主人ひとり。奥さんかなぁ…、笑顔のステキな女性スタッフがサービスをする。なんだか応援したくなるような初々しさに思わずニッコリ。
コース料理をお願いし、母と2人で何がでてくるのかワクワクしながらまつたのしみもまたオゴチソウ。

まずは前菜。丸いお皿に丸い皿。
小さな皿には、よだれ鶏。
鶏胸肉を茹でてむしった胸肉はふっくら、ジューシー。
そこにぽってりとしたタレがたっぷり。赤唐辛子と山椒の辛さに痺れがずっしり舌にのっかり、舌からよだれが滲み出す。
小さな皿の周りに料理。茹でたキャベツと生のザーサイを塩もみしたもの。パリパリとした食感がキャベツのものかザーサイ由来のものなのか、奥歯がたのしく勘違いするたのしい一品。
ピータン、それから甘エビの老酒漬けはどちらもネットリとした奥歯にからむ感じがおいしい。クラゲはコリコリ。味だけじゃなく歯ざわり、歯ごたえが多彩でたのしい。お腹が本格的に空く。

ホタテとコーンの塩炒め。
お皿の縁に胡椒をパラリとちらして、まるでフランス料理のような装い。
その黒胡椒の役割は見た目だけではなくて、鼻をくすぐる役目も果たしてて、砕いたばかりの黒胡椒の、甘くて切ない香りに頭がハッとする。
塩と油、スープの旨みと風味が素材にまとわり口の中へとやってくる。

ホタテはレア。
焼いたコーンはサクサク、これもレア。
レアのホタテはネットリで、同じレアでも素材違いの異なる食感がなんともたのしい。

熱の加え方の見事なること、ウットリします。しかも焦げたコーンが香ばしく、焼きとうもろこしをかじっているような感じがときおりしてくるとこもまたたのしい。パプリカ、ピーマンの香りがまるでハーブのようで味わい華やか。幸先がよい。

牛肉の炒め物がやってくる。四角いお皿がモダンな印象。しかも焼いた牛肉の下にはなにやら白い物体。それがまるでポレンタみたいで、そう見えちゃうと周りのソースもバルサミコ?って、イタリア料理に思えてきます。
ちなみに白いモノは山芋で、おろしたモノに玉子の黄身をまぜてジックリ焼いたもの。甘みがあって、ほどよく焼けた牛ヒレ肉を包み込んでなめらかにする。脂をあまり持たぬ肉。それだけ食べると若干バサッとするのだけれど、山芋と一緒に食べるとトロミがまるで脂のように口が感じてなんとも旨い。オイスターソースにラー油、それから牛肉の出汁。ソースもどっしり。充実の味。

これだけは食べたいので…、とお願いしていたフカヒレ煮込み。

大抵、フカヒレの煮込みはオイスターソースや醤油で味をととのえる。
フカヒレ自体は味があるものではないから、煮込むソースで味をしっかりつけなきゃいけない。
だからオイスターソースのような風味や味わいはわかりやすくて便利なモノ。
なのだけれど、ココは塩味。
煮込んだスープそのものの味を引き出し、香りも自然。
鶏ガラスープを煮詰めて煮詰めて、濃厚味にしたモノで、ジックリ煮込んだフカヒレはムッチリはりをもって口の中でとろける。
ベースのスープそのものも、鶏のコラーゲン分で十分トロミがついているのでしょう。そこにフカヒレのゼラチン質が加わってぽってりとろける。
黙々と食べるとあっという間になくなっちゃいそう。
だから2人で、おいしいねぇ…、たのしいねぇ…、っていいつつ、話をしながら一口、また一口。ユックリソースがさめていき、スプーンが触った唇同士が貼り付くようにネットリしてくる。それにしてもココの料理はとても上品。もう一味、足してみたくなるほどにやさしい味で、けれどその優しさ故に素材の持ち味や食べ続けても舌が負担に感じない。いい料理だなぁ…、ってウットリします。

酸味豊かなエビチリソース。
ニンニクがたっぷりはいって、味もさることながら香りがとても印象的。
そう言えば、香川県はニンニクの生産量が全国2位という生産地。中国料理の名店ができて当然…?、かもしれない。
エビはムッチリ。
歯ごたえよくてたくましく、しかも甘くてエビそのものに味わいがあるのがまたオゴチソウ。お皿に残ったソースは揚げたせんべいですくい取ってキレイに食べる。

黒酢の酢豚が最後の料理。酢豚と言っても、ちょっと変わった状態の豚。
脂ののった三段腹をトロトロになるまで蒸して、脂の部分を焼き上げたモノ。トンポーロウの表面だけがサクサクしているような食感。それを黒酢で包み込む。黒酢の中に山椒が加えられててちょっと痺れる。蒸し饅頭で挟んで食べるという提案も、お腹がそろそろ苦しくて饅頭、半分残してしまう。勿体無いけど、〆をおいしくたべるため。

中国醤油で黒く仕上げた炒飯がココの名物の一つなんだというのでたのむ。
パラパラとして、けれどシットリした炒飯。脂の香りがフワッと漂いカラコロ転がるお米の粒のひとつひとつに旨みが染み込む。噛むとフカッと奥歯が沈み、このパラパラが乾いてできたパラパラじゃなく、脂をまとって芯まで熱が入ったことで手にしたパラパラ…、ってコトがわかってウットリします。
食後のたのしみは杏仁豆腐。なめらか。そしてやさしい甘み。イチゴは酸味が強いモノで、甘さを引き立て、口をスッキリしてくれる。
2時間ほどがあっという間に。お供にもらった工芸茶のお花もすっかりきれいに開き、4煎目にしてなおも味わい深くてたのしい食事の彩りとなる。食べて笑って、おしゃべりし、そしてお開き。また来ましょ。

 

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コメント

  1. ボルテイモアのおかず

    月に一度の高松の夜、こちらも楽しませて頂いてます。
    お母様今回はカジュアルなシャネル、四つ葉のクローバーがハッピーですね!薄いカーデガンからボーダーが透けて見えて、それもお洒落—!
    その少し上にシェフのご主人が。まだお若いんですね、新進気鋭でいて優しいお料理の様子が、伝わってきます。私は牛肉の炒め物が中華風に見えず、珍しくて美味しそうだなあ。山芋とどんなお味でしょう、楽しいですね。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      ボルティモアのおかずさん
      ボクももっとお年を召した方がやっているお店なのかと思っていました。
      若い人ながら、熟練の手わざと抑制のきいたよき料理を作る…、地方都市にもこういうお店があって、こういうシェフがいるんだなぁ…、と感心しました。
      母も今度は昼に友だちを連れてくるわ…、とさっそくお店の人と仲良くなっていました。その社交性ゆえに元気でいてくれるんでしょうね。

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