ヤキハムタマゴで朝を迎えるはまの屋パーラー
東京駅から移動の一日。
ちょっと早めに家を出て、ひさしぶりにはまの屋パーラー。
サンドイッチで朝をはじめる。
丸の内と日比谷の境目にあるビルの地下一階の喫茶店。
飲食店の事業継承にはいろんなやり方があるけれど、ココは縁もゆかりもないない人同士が、意気に感じて事業を繋いだ。
この店のこの雰囲気と商品をずっとつなぎ続けたいからと若い人たちがお店を買って、ずっと昔のほぼやり方で営業している。
変えたいところもあるだろうにほとんど変えず、大きく変わったところといえばお店にかかる音楽がアナログレコードに変わったくらい。そこで流れる音は70年代、80年代のアメリカンポップスで、他の変わらぬ部分にむしろピッタリするのがオモシロイ。
今朝はダイアナ・ロスのアルバムでした。
アップサイドダウンを聴きながら、これで昔はよく踊ったなぁ…、ってぼんやり思う。
ところでこの店。
サンドイッチを「サンドゥイッチ」と表記する。
サンドウィッチと書く店は結構あるけど、サンドゥイッチとは珍しい。
でも「Sandwich」を一番最初の音節にアクセントつけて発音すると、たしかにサンドゥイッチと聞こえるところがまたオモシロイ。
いつもたのむのは、ハムと玉子のサンドイッチ。
パンはトーストにしてもらったのが定番で、今朝は思い切って「ハムと玉子のサンドゥイッチを焼いてください」と注文した。
なのに「ハムと玉子のサンドイッチを焼いてですね」と切り返されてちょっと凹んだ。まぁ、しょうがない(笑)。
ちなみに厨房には「焼きハムタマゴ」と注文が飛ぶ。「ヤキハムタマゴ」。おいしい呪文のようでたのしい。
薄切り食パンをこんがり焼いて、ハムの方にはハム、レタス。玉子の方はふっくら焼いた卵焼き。
この注文をするとシャカシャカ、玉子をよくまぜジャジャっと焼いてく音がしてきてお腹を鳴らす。玉子が焼ける甘い香りもよき前菜で、ウキウキしながら出来上がるのを待てるのがいい。
食パン2枚でひとセット。それをキレイに4つに切り分け並べるのです。こんなに薄くて、特にハムとレタスのサンドイッチは剥がれやすいのに見事にスクッと自立する。
口に含むと前歯をカサッとくすぐって、ムチュンと歯切れて口で散らかる。食感軽やかで、焼けた小麦の香りがおいしい。焼けた玉子はふっくらやわらか。そのやわらかをトーストが壊れる食感が引き立てて、なんともおいしいオゴチソウ。
焼いた玉子のサンドイッチはいろんなところで最近流行り。焼かないパンで出汁やバターをたっぷり含ませポッテリ焼いた分厚い玉子の塊を挟んで作るのが主流のようで、たしかにそれもおいしいけれど、ココのそっけないほどに普通な食感、そして味わい。玉子とパンが対等なサンドイッチらしさがボクは好き。
スッキリとした苦味がやさしいここのコーヒー。ミルクを注ぐと不思議と酸味が目を覚ます。ミルクがコーヒーを優しくさせず、力強くする不思議にウットリ。描く模様もまたオゴチソウ。ユックリ移動といたします。
つい最近、こちらとトリバコーヒーさんの繋がりを知ってびっくりしました。最近純喫茶やスナックが流行っているようですね!お店のハード面だけでなく、サービスやスタッフの雰囲気も含めて安心できるダサさがある方が、若者に受けるのでしょうか?トリバコーヒーさんの上のバーも音が良く、かっこいい空間です!是非榊さんの感想をうかがいたいです!
ぱんだちゃんさん
コーヒーは儲かる…。
新しいコンセプトや儲けどころが見えない外食産業の中にあって、そういう風潮があるのは確かです。
コメダ珈琲「のような」お店に、大手チェーン店が次々参入したり、スターバックス「のような」お店がまだまだ増えていったりする。
いささか面倒な風潮だなぁ…、って思うことがあります。
トリバコーヒーは、志高くいいお店だなぁ…、と思うのですが、そういうお店がビジネスモデルの中に埋没する。もったいなさも感じます。
貴重なご感想、早速ありがとうございます!志高かったお店が、流行りを取り入れて、本心を見失うご心配でしょうか?コーヒーって、まだ儲かる分野なのでしょうかね〜?
深い洞察、いつもブログで拝見しております。今後も楽しみにしております。
ぱんだちゃんさん
儲かると思って手を出したら、儲からないので諦めちゃう。
そんな事例が最も多いのがコーヒー関連業種じゃないかと思います。儲けよう…、ではない志で気長にやり続けることがどんな商売でも大切なんだろうと思うのですが。