メトロの永坂更科布屋太兵衛、天生粉一丁!

新宿で蕎麦。「永坂更科布屋太兵衛」にやって来る。
丸ノ内線とJRの新宿駅の改札をつなぐ通路の上のフロア。天井裏のようなムードのある場所に、食堂街があってその中、小さなお店。
町場のそば屋が引っ越してきて、ぽつんと営業している…。
店そのもののしつらえもさることながら、働いている人ものんびり。おばちゃんたちが自分のペースで仕事をしている自然な空気がいい感じ。
贔屓にしてきたけれどまもなく再開発で営業終了。再開発の足音がひたひた近づき、お店の中には浮足立って営業状態が良くなくなったところもある。
けれどこういう状況にあってもいつも通りにのんびりと、明るくほがらかに営業続けてくれているのにニッコリします。ありがたい。

特別変わったメニューはない。
全部で30商品ほどの、メニュー構成。
なのにどれにしようかいつも迷う。
何を食べても間違いなくて、あれもこれも食べたくなるから、ひとりで来ると注文決めるのに難儀するのです。
生粉打ちそばのせいろに天ぷらをつけてもらうことにした。
すかさず「テンギコ一丁!」と厨房に向かって注文が飛ぶ。
なるほど。
天せいろのせいろの蕎麦が生粉打ちそば。だから略して「テンキゴ」かぁ…、ってしたたか納得。ずっと来てたのに知らなかった。今更ながら勉強です。
四角い箱が並んで登場。朱色の御膳に朱色の長方形の箱ふたつ。手前の箱には生粉打ちのそば。奥の箱には揚げたて天ぷら。

エビにキス、茄子にかぼちゃにししとうに白くてさっくり揚がった衣。チリチリ花が咲いたようでうつくしい。
生粉打ちそばは太くてキリッと角張っている。水をたっぷりまとってみるからみずみずしくて、試しに一本。タレにもつけずそのままツルンと食べてみる。ザラッと舌がそば粉を感じ、噛むとネットリ、歯にからみつく。ほのかに甘くて蕎麦の香りが鼻から抜ける。蕎麦って肉感的で色っぽい食べ物なんだ…、ってしみじみ思う。
ココの特徴、タレが2種類。から汁、あま汁が並んで揃い刻んだネギにわさびにそば猪口。ひとそろえ。

二種類のタレが揃っているけどいつも使うのはから汁の方。
どちらも鰹だしがしっかりきいた江戸前のタレ。あま汁の方は口当たりがよく、から汁の方は辛さなめらか、コクがある。生粉打ちの太い麺にはドッシリとしたから汁の方。それでから汁。
タップリひたしてわさびをのっけ、ズルンとたぐると口いっぱいに広がる旨味。そばの香りにとろけに粘り。体全体が潤うゴチソウ。
それにしてもエビの天ぷらのおいしいコト。
大きく、しかもしっかりとした肉質で香り豊かで甘いこと。しっぽもパリッと味わって、汁までおいしくしてくれる。
天ぷらも蕎麦もキレイに食べて、最後のそば湯。サラッとしていて、けれど蕎麦の風味はしっかり溶け込んでいる。そば湯を足すと汁の旨味も強くなる。体もあったか、満ち足りた。

 

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コメント

  1. すうさん

    更科と万世は残るそうです。どのように残るのかはわかりませんが、地下鉄ビルのH.P.に記載されていました。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      すうさんさん
      それはうれしい。とは言え、この場所ではなく別の場所なんでしょうネ。同じような雰囲気のお店になってくれればいいがなぁ…、と思います。近々、万世に行ってきます。

  2. うりぼう

    新宿メトロ食堂街があと数日で閉館してしまうのが本当に寂しいですよね…

    サカキさんのブログのコメント欄で、
    こちらの更科と万世はリニューアル後も残ると知って、丸々全部のお店がなくなるわけではない事に少し安堵しましたが、私はあの独特なレトロな雰囲気が好きだったのでとっても寂しいです。
    そして、閉館する前にもう一回行って、お気に入りだったあそこのタカノフルーツパーラー(他のタカノフルーツパーラーより、より昔ながらの感じがして特に好きでした)や墨絵にもう一度行きたいなと思っています。

    時代の流れとともに古いものがリニューアルされる時、
    頭では仕方ない事とわかっていても、もう二度とあそこの空間に行けないんだと思うと、なんだかとっても寂しいですね。

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      うりぼうさん
      どこか特定の店がいいのでなく、あの場所そのものの空気感がいいのですよね。だから一部店舗だけが営業を継続しても、やっぱり違う場所になってしまうことに変わりない。
      墨絵は大人気で、移転することがわかっていても今の場所で食べておきたいという方が多いのでしょう。本当に残念で仕方ありません。

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