マークロスコな虎屋の川島

伊勢丹の地下の虎屋菓寮でひと休み。
すっかりかき氷の季節でお店の中には宇治金時をたのしむマダムでニギヤカだった。ボクが着席してしばらくして次々マダムが席をたち、お店がすっかり静かになった。
おじさんがこの場のムードを壊しましたか…、といささか恐縮。何にしようとメニューを開き、かき氷を食べるほどには体が火照っていないからと、それで季節の生菓子にする。
「川島」という琥珀菓子。上白糖と寒天で作った琥珀のごとき涼やかな菓子。
ガラスのお皿の上に四角い一片。なんとモダンでうつくしい。夕暮れ時の川の中洲の島をイメージしたという、たしかにお菓子の向こうに沈む夕日が見えるよう。その造形がまるでマーク・ロスコの絵を見るようでウットリまず見る。目においしい。

黒文字をあてて下ろすとムチュンと粘る。黒文字の軸に絡みつくようにしながらそれでスパッと切れる。突き刺し持ち上げようとするもお皿に貼り付き持ち上がらない。指をそえプチュンと皿から剥いて舌にそっとのっける。
甘い。琥珀の部分はハリがあり、川に浮かんだ島の部分はあんこでそこはとろけるようでプルンスルンと滑るようにしてお腹の中へと消えていく。
冷たくはない。けれど涼しい。今がまさにおいしい季節。茶筅でたてた抹茶を氷の上に流してさましたグラッセ。深い渋みとほのかな甘み。香り豊かを味わいながら一口、そしてまた一口と体と気持ちを甘くする。

 

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夜、家の近所で軽食べをする。居酒屋紅とん。
今も昔も元気で気軽なムードは同じ。けれど今では日本人スタッフがいることはとても稀で、今日は全員外国人。ひとりは日本語が堪能で、厨房スタッフ、ホールのスタッフひとりはまるで日本語が駄目。コミュニケーションをとるのにかなり難儀するけど、今やそんなことでくじけていてはこういうお店をたのしむことはできやしません。パスポートを持たずに来た東南アジアと思えばたのし。
マカロニサラダとオニオンスライス。それから串焼き。ハラミとツラミ、うずらの玉子にししとうそれぞれ一本ずつ。じっくり時間をかけて焼いたうずらの玉子は白身が縮んで黄身がとろける。

わんぱくハムってメニューがあって、焼いたハムを千切りキャベツに乗せただけ。ハムでキャベツをくるんで食べるとこれがおいしい。ひんやりした脂とシャキシャキのキャベツ。罪悪感と安堵感の間を行ったり来たりしながらたのしむ。
アジのフライをたのむと案外分厚く衣は薄め。サクッと揚がって美味しげで醤油をかけてパクっと食べる。おいしい魚のフライはソースよりも醤油があうネ。堪能します。
ここのフレンチフライは不思議とおいしい。たっぷりの油。しかも多分、それほど頻繁に交換していないのでしょう…、ザクザクガリガリ、こってり味に揚げ上がる。味は塩とケチャップだけと、余計なことをしないと料理はおいしくなるもんだなぁ…、って思って食べる。月曜日。

 

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コメント

  1. nt

    マークロスコに思わず反応してしまいました!
    サカキさんもロスコがお好きなんですね。
    (と勝手に決めちゃう。笑)
    川村記念美術館のロスコだけの特別な部屋は
    素晴らしいですよね。
    あんな部屋で寝食出来たら…夢ですよね。

  2. サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

    ntさん
    ロスコがお好きでらっしゃるんですね…、ボクも好きでしょうがない。
    川村記念美術館にはまだ伺ったことがなく是非にと思っております。ニューヨーク近代美術館のロスコ展示室に入ると1時間なんてあっという間に過ぎてしまう。部屋の空気自体がなにか特別なもののように感じられて、去りがたい感覚に包まれるのです。
    そう言えば、池袋のおむすび屋さんの「美松はなれ」の方々もロスコが好きでらっしゃるようで、店にロスコ的な自作作品が飾られています。ステキです。

  3. ボルテイモアのおかず

    ntさん、サカキさん失礼します。
    ずっと前に、サカキさんがロスコがお好きだと書いていらした直後に、ワシントンの美術館でロスコの部屋に遭遇しました。その時、きれいだなーサカキさんの作るサンドイッチみたいだなー、と思ったのを覚えています(以来サカキさんのサンドイッチは、立体絵に見える(^_^;)

    • サカキシンイチロウ サカキシンイチロウ

      ボルティモアのおかずさん
      おひさしぶりです。
      しかもボクのサンドイッチがロスコの絵的なんて、ステキなお言葉。ひさしぶりにロスコを作ってみようと思いました。ありがとうございます。

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