マルシチ遠藤鮮魚店

仙台から電車を乗り継ぎ山形県の南陽市。仙台の昼は案外蒸して半袖シャツでも心地よく、ところが山を越えて南陽市につくとひんやり肌寒い。
昼はここも蒸したんですよ…、となるほどこの寒暖の差がおいしい果物を産むんだなぁと思ったりする。打ち合わせをして晩ごはん。
へんてこりんな魚屋があるんですと、連れて行かれたのが「マルシチ遠藤鮮魚店」。もう100年以上もこの地で魚屋を営んでいるという老舗。…、なんだけれど最近、レストラン併設の不思議な魚屋に移転、開業したという。
店に入るとすぐに魚屋。ショーケースの中に魚が並べられてる。ところが魚のショーケースの裏にキッチン。隣にバーのカウンター。そしてテーブル席が2つと小さいながらしっかりとしたレストランになっている。若い人のお店です。

困ったことに酒の種類が豊富で見事。ワインに洋酒もたくさん揃うけど日本酒のセレクションはかなりのものです。しかもコースをたのむとこの日本酒が飲み放題。飲み手の好みを見ながら次々、瓶ごと持ってきては説明をしておいていく。
キレイなお酒。癖のあるもの。同じ蔵元の異なるテイストの酒の一度に飲み比べと小さなグラスにトクトク注いで飲んでいく。
どれもキリッと冷やされていて、それに合わせたチェイサーが常温という、酒の冷たさを引き立てる粋なもてなし。惚れちゃいますネ。
その日本酒に合わせて料理が次々やってくるのがたのしい。5皿のコース。どれもが日本酒にあうようで、しかもどれもが魚屋らしい新鮮な魚の持ち味を活かしたモノでワクワクします。

例えば前菜料理の盛り合わせ。
サワラの幽庵焼きにエビの酢の物、湯引きにしたとらふぐ。真いかを使った手作り塩辛とどれをとっても酒の肴にぴったりなもの。もって菊のおひたしがちょこんとサイドを飾っているのが山形的でニッコリします。
新鮮なまひかりをエビスビールで溶いた衣で揚げたもの。カリッでサクッでバリッとしててなのに揚げたまひかりはホクホク、ふっくら、これまたおいしい。冷たい茶碗蒸しにはウニと白エビ、モロヘイヤ。とろみおいしくしかも塩が強めにきいてて茶碗蒸しすらお酒をねだる。
脂ののった刺身を食べて、醤油漬けにしたイクラと本マグロの赤身を酢飯にのっけた丼。それで〆。シアワセな夜にウットリしました。おごちそう。

南陽市のお蚕さんを飼ってた大きなお屋敷をそのまま使ったお宿「いとや」で一夜。窓の外から虫の声。隣の部屋からざらつく床を重い荷物を引きずるような微かないびき。風情でござる…、よく眠る。
明けて大きなお風呂で昨日のお酒の汗をかき、脱衣所にポスター。あらあら、家の近所の荒木町で来週末にあるお酒のイベント。ご縁を感じてお腹を鳴らす。
なじみのおばちゃんが世話を焼いてくれる朝の時間がいつもたのしみ。
鮭に納豆、葉っぱの煮付けにおかひじき。ネギと豆腐がたっぷり入った味噌汁、ご飯。普通のものが普通においしく、なによりおしゃべり好きなおばちゃんのお国言葉がおごちそう。素足であるく床が冷たい北国の朝。今日も一日ニッコリと。

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