ホルモンをすき焼きにする牛禅の夜
夜も肉だなぁ…、と、昼にステーキを食べたにもかかわらず思って近所の「牛禅」にくる。
肉食くんでございます(笑)。
四谷三丁目の角にあるビルの地下。
飲食店ばかりが入ったビルでテナントの入れ替わりがとても少ない、つまり人気のお店ばかりが集まる場所にあっても、おそらく一番人気の店でしょう。
予約をしないといけないほどにいつもニギヤカ。今日も、予約をしないで断られている人たち多数。決して安い店ではないのに立派なコト。
すき焼き、しゃぶしゃぶを食べ放題で…、というので人気のお店で、けれど鍋だけじゃなく焼肉も食べ放題でたのしめる。今では鍋より焼肉の方が人気で今日もお店のあちらこちらから煙があがる。
ボクらはすき焼きとしゃぶしゃぶを同時に楽しむことができる鍋をたのんだ。
一つの鍋を真ん中で仕切って二種類の鍋を食べることができるお店は結構ある。
けれどココの鍋は一風変わってて、半分浅くて半分深い。
浅い方には割り下。
深い方にはスープをはって、すき焼き、しゃぶしゃぶを同時に調理でいるというのがオモシロイ。
使い込まれたこの鍋。
ひとつあると便利だろうなぁ…、といつも思うもおそらくココのオリジナル。
鍋の周りにはポン酢の入った鉢やごまダレ。
すき焼き用の割り下や、煮詰まった割り下を薄めるための水が入ったピッチャーとにぎにぎしくてワクワクします。
薄切りの牛肉、豚肉。どちらもしゃぶしゃぶにしてもすき焼き鍋で煮てもおいしく同じ肉でも味が変わると違った食材。
オモシロイのが鍋野菜。同じ豆腐もすき焼き用には焼き豆腐。しゃぶしゃぶ用には絹ごし豆腐と種類を変えてやってくる。器の中には白菜メインでネギとしらたきはすき焼きに、水菜と葛はしゃぶしゃぶ用にとほんのちょっと違って盛られているのがオモシロイ。
しゃぶしゃぶやすき焼き用の肉だけじゃなく、牛タン、ホルモン。
あるいはレバーと焼肉も売ってる店だからこその具材が揃う。
このホルモンのすき焼きがおいしいんです。
ホルモンの脂がとろけて甘くなる。
しかも脂が割り下に脂が混じってすき焼き鍋の中そのものがおいしくなってく。
ブリブリとした食感も焼いて食べるより一層強く感じて旨い。
レバーはブリッと歯ごたえがよく、割り下の甘みが染み込みとろけるおいしさ。
隣のテーブルでは学生君たちが焼肉焼いてモリモリ食べる。焼ける肉、焦げるタレの匂いがこちらにも漂ってきて、それでご飯が食べられるほど。
しゃぶしゃぶの店の雰囲気はやさしくおだやか。けれど焼肉の店はニギヤカで活気を感じる。にぎやかな店でしっぽり鍋をするのもたのしい。
ホタテにイカ、エビ。
タラバ蟹が具材で用意されているのもうれしいところ。
しゃぶしゃぶスープの中に蟹を入れた途端に、スープが白濁するのにウットリします。
アクをキレイにとって次々、蟹を放り込み殻から外してハフハフ食べる。冷凍だけど身は痩せてなくお値打ちだねぇ…、っていいつつハフハフ。
お店の人に言わせると、けれどそんなに人気がないと。
理由は食べるのに手間がかかって、2時間限定の食べ放題に蟹は不向きと嫌う人が多いんだって。
なるほど確かに蟹を食べると肉のお替わりに気持ちがいかない。すき焼き鍋では白菜、ネギがクタクタ飴色になりはじめている。
そろそろ〆をとネギご飯。白いご飯に焼肉のタレをまずして、塩ダレで和えたネギをタップリのっける。それに韓国のりをもみちらしたところにカニの旨みが溶け出したしゃぶしゃぶスープをかけてザブザブ。
汁かけご飯にして味わった。カニの風味にネギがシャキシャキ。焼肉のタレの旨みが溶け出しなんとも旨い。途中でちょっとポン酢をくわえて食べるとスキッとお腹が軽く満たされる。最近、食べ放題に来てもあんまりお替わりしなくなったなぁ…、食べ放題というよりも選びたい放題って言ったほうがピッタリするかも。歳だから(笑)。