ホルモンの見る夢、餃子の見る夢

熊本を出発。南に向かって2時間ほど。「国分」という鹿児島県の中核都市のひとつに到着。この街でずっとラーメン店として頑張っていたお店が改装。ホルモン焼肉の店になったというので訪ねる。「しちりんや」という店で、お店の建物はそのまま。
けれど中に入ると元の店を思い出すのに難儀するほど見事に変わって、焼肉店の顔になってる。
ラーメン店としても十分、繁盛していた店です。20年近い営業で子供を育て家族みんながシアワセになるだけの売上、利益をあげていた。店がなくなるというコトを悲しむお客様もたくさんいたけど、苦渋の選択。

理由はラーメン店の競合が激しくなったコトと、働く人のシアワセを考えるとなるべく短い営業時間で売上高を作るということが必要になると判断したから。開業したのが2週間ほど前のこと。ラーメン店は昼から夜までずっと営業していたけれど、改装してからは夜だけ営業。それでも同じくらいの売上になるからとてもありがたい…、って、たしかに働く人の表情もとても明るい。
お客様のことばかり考えてきた飲食店も、そろそろ働く人のシアワセを優先してもいい時代かも…、って思ったりする。
ただ、お店の人のワガママを聞いてもらうためには商品力やサービスを充実させなきゃいけないワケで、試食をします。牛ホルモンの盛り合わせに脂を徹底的にとって仕込んだ豚ホルモン。赤肉などを焼いてパクパク。

どれもタレを揉み込み仕込んだモノ。
これがなかなか旨くてビックリ。
タレも旨いけど、肉やホルモンそのものがおいしいのです。
特にホルモンは脂の状態がとてもよくって、バクバク食べてもお腹に脂が残らない。
ご飯をもらって、焼きあがった肉、ホルモンを一旦ご飯の上にドサッとのっける。
それからパクリと食べるとほどよくタレや脂がご飯に残り、さっぱりとした味わいになる。

しかもご飯にタレや脂が染み込んで、どんどんおいしくなっていく。
ご飯をタレと脂で育てる感じ…、とでもいいますか。ご飯の色がしっかりタレ色にそまったところでパクリと食べると、焦げた香りがフワリと鼻から抜けてくすぐる。脂をまとったご飯がパラリと、口の中でほどけて消える。ご飯がおいしく味わえるタレはおいしい…、って思ったりする。気に入った。

しかもおいしく焼けるのですね。
若干厚めに切った肉。
若干大きめに切り分けたホルモン。だからちょっと時間がかかる。
けれど表面こんがり焼いても、旨みジュースがそのまま中に閉じ込められてみずみずしくってとてもジューシー。
おいしい焼肉って、おいしく焼ける焼肉なんだ…、って感心します。
もともとラーメンのお店だからでもありましょう。スープがおいしく人気がある。例えばユッケジャンスープはどっしり、ホルモン的な甘みやコクが口に広がりかなり辛めの味付けながら、辛さを旨みがコントロールしておいしく感じる。卵スープはスープ自体の味や風味を素直に感じるゴチソウで、納得しました。また落ち着いたら来ましょうか…、って思って帰る。西にゆく。

九州南部は鹿児島、宮崎、熊本が入り組みひとつに溶け合う地域。そういうエリアの道と道が交わり集まる場所のひとつが「都城」。農業盛んな地域であって、同時に物流施設が充実してたりする街に餃子直売所を作った人がいてそのお店。
「生餃子製造直売831」という名で、お店がすごくかわいい。前を通る車を運転している人が、ワザワザ止めて写真を撮ったりするほどで、店の中も清潔感があふれてキレイ。
店の奥には生地を作る機械が置かれ、カウンターの真ん中でずっと餃子をくるんでる。餃子の種類が多彩でしかも色鮮やかで、これまたかわいい。

食べてみたいと思うと同時に、「これを焼いたらどうなるんだろう」って思わせるとこがなんだかステキ。

お店の奥にカフェがあり、テイスティング感覚で焼いてもらってたのしめる。
最近流行りのブルックリンスタイルとでもいいますか…。餃子の店というよりも、カフェラテやハンバーガーなんかを売っても売れるじゃないかと思えるオサレな感じ。
ただカジュアルだけど居心地がよく、しかも清潔。厨房で働く人はほぼ女性というのもムードを明るくさせる。

餃子レストランじゃなく、餃子製造所の試食コーナー的位置づけだから、セルフサービスが自然と根付く。ココがこれからの店造りではとても大切な要素の一つで、人手不足を解消する工夫にもなる。
お店の片隅にはレモングラスのハーブティー。お茶のサーバーなんかが置かれて一層、カフェなムードを盛り上げる。新しいなぁ…、って感心します。

さて餃子の試食。キムチ餃子にチーズ餃子。どちらも風味や主張の強い食材を組み合わせながら、それでも肉の旨みであったり野菜の食感が壊れていないところに感心。生地のスベスベした食感に口の隅々が喜ぶ感じ。
小さなむきえびを形のままたっぷり加えた海老餃子。肉の旨みと脂が作る肉汁を心置きなくたのしむ肉餃子。どれもどっしりした味わいで、なにより美味しかったのが大葉の餃子。くるんだあんも野菜中心で、口の中でとろけて野菜の緑の香りを発するステキ。売れないだろうなぁ…、と思って作ったのに、パクチー餃子やセロリ餃子、バジル餃子が売れるんですねって、ビックリするのがもしかしたら時代遅れの証拠かもって思ったりした。勉強です。

 

関連ランキング:餃子 | 三股駅

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。